• もっと見る
«『善の研究』(5) NHK Eテレビ 100分de名著 | Main | 『善の研究』(7) NHK Eテレビ 100分de名著»
『善の研究』(6) NHK Eテレビ 100分de名著 [2019年10月18日(Fri)]

『善の研究』(6) NHK Eテレビ 100分de名著

 =マインドフルネス心の世界遺産

 NHK Eテレビで、西田幾多郎の「善の研究」を紹介しています。14日、第2回が放送されました。いくつかみていきます。

善とは人格の実現

(【 】は、テレビのナレーション。若松さんの筋でしょう。)

 宗教の目指す実践、行為、生活はどういうものであるか。

 「かく考えて見れば意志の発展完成は直に自己の発展完成となるので、 善とは自己の発展完成 self-realization であるということができる。 即ち我々の精神が種々の能力を発展し円満なる発達を遂げるのが最上の善である。」(p60)

 西田哲のいう善は人格の実現です。大乗仏教の人間完成と通じるものです。円満なる発達を遂げることです。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3939
★大乗仏教の核心の一つは「人間完成」

 ひとは利己的であり、ついつい他者を傷つけてでも自己保身をはかりがちです。独断、偏見で他者をくるしめて組織を崩壊させます。社会の発展を妨害するところがあります。だから、自分を観察して独断、偏見などにまみれていないかを評価するようにトレーニングしたのが大乗仏教の人間完成への道でした。西田もその方向をすすめます。後期には、「至誠」というようになります。

 【若松さん「自己啓発とは全く違う。・・・「私」を手放していくのです。」】

【伊集院さん「自分の根底のところにシンプルに自己はあるということですか。

若松さん「ある。あるのですが、多くの人はそれを知らない。自己というものは自分だけの力では存在していない。」】

 後期になって西田が絶対的一者、絶対無ということをさしているのでしょう。

(続く)

参照
「100分de名著 善の研究」若松英輔、NHK出版

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4382
★目次(1)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4384
★(2)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4386
★(3)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4388
★(4)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3329
★後期西田哲学の実践論
 「実践哲学序論」を中心に
★「マインドフルネス心の世界遺産」の索引です
http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/sekai-isan/mokuji-sekaiisan.htm

(注)マインドフルネス心の世界遺産の例=河井寛次郎、大山忠作。
★河井寛次郎
★大山忠作
Posted by MF総研/大田 at 18:04 | マインドフルネス心の世界遺産 | この記事のURL