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ほぼすべての人が持つ「評価」は愛されること、愛すること [2019年04月12日(Fri)]
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ほぼすべての人が持つ「評価」は愛されること、愛すること

 人生には「評価」がつきものです。最も重要な評価の一つが「愛すること」「愛されること」でしょう。 自己を愛すること、他者を愛すること。他者、社会(多数の他者)から愛されること、愛すること。

 これが重要であることを青山氏の言葉で考えてみます。

 「大切な話題があります。自分は存在する価値をもった人間であるという感覚、つまり、自己の重要感についてです。 人間はーーある意味では困ったことにーー他人の承認を経るかたちでしか、十分な重要感をもつことができません。」 (青山、p157)

 自分のなした行為、大学に合格するとか、スポーツで優勝するとか、芸術作品、研究論文とかを称賛されることで、喜びを感じるでしょう。無評価観察を主張するマインドフルネス者もこれがあるはずです。しかし、究極は存在まるごとの肯定です。これをなくしたひとは「自殺」のおそれがあります。大切な評価です。

 見た目レベル(感覚)ではない、考え方レベルではない、その行動が好きというレベルではないのです。 個別の列挙できる特徴を愛するのではないのです。存在そのものを愛する、愛されるのです。

 「愛されることによる重要感の充足は、自分の美点への賞賛というより、自分の存在への祝福(存在そのものの肯定)としてなされます。自分という人間がいることはーーたとえ特別な美点などなくともーーそれ自体として祝福されるべきことだと、他者からの愛は感じさせてくれるのです。」(青山、p120)

 親から虐待される、パートナーから暴力を受ける、介護施設で虐待されるなどということは、自己の重要感をずたずたに否定されます。こうしたことの被害者は、存在が否定されるので、死にたくなることがあります。 だから、加害者は、そうしないように、自分の言動を評価しなければなりません。

 愛されたいという願望をひとはもつので、愛されるように、愛を失わないように、自分の言動を評価して生活します。 自分の言動次第で愛を失ってしまいます。そのために、自分の意識を評価しなければなりません。

 個人間の「愛」だけではありません。自分が選択した人生価値、スポーツ、芸術、学問研究、仕事などで「社会から称賛されること」を通して、自己存在を愛するということがあります。他者社会から承認されることを通して、自己存在を愛します。実は「対象」的なものが、自己の存在の場の中で起きるからですが。禅者や哲学者が「自他不二」ということは深いことについていうのですが、宗教レベルでない段階でも言えます。

 愛する、愛されるためにどう観察実践するべきか、大乗仏教は家族、職をもつ生活の中での自己探求ですから、この問題も観察していました。

 ここまでの観察もすることを西田哲学に導かれて、エゴイズムの心理までも観察するのが、日本のマインドフルネスSIMTです。愛する愛されることも、洞察しなければ継続されないはずです。家族の不和、虐待、暴力・・・。

 自己を探求した禅は外部に貢献する行動中(ポイエシス)にも同時に常に自分の見方考え方行為が「至誠」であるかを観察(プラクシス)することを指導されました。「正念相続」といいました。宗教レベルでない洞察実践(二元観の自己がある)から、宗教レベルの観察実践があります。宗教レベルのマインドフルネスは、自己とは何か、人生とは何か、自己存在の否定や死の苦痛をもつ人に必要です。家族以外からも「評価され、評価する」の連続の生活の中で、全面的に愛や価値が崩壊しないように評価観察していくのです。

 それは、無用だというのは、自分が悩んでいない問題は、無用だというエゴイズムではないでしょうか。ある難病は私も家族もかかっていないから、その難病の治療法の開発は必要ないというのに似ています。その解決が重要な価値である人がいます。他者の幸福になりたいという価値を認めないエゴイズムになると思います。
 「マインドフルネス」も哲学や宗教学の検討を望みます。

文献
青山拓央(2016)『幸福はなぜ哲学の問題になるのか』太田出版
http://blog.canpan.info/jitou/archive/4169
【仕事、家庭は「評価」の現場、評価観察のマインドフルネスが必要】
Posted by MF総研/大田 at 07:22 | 無評価・有評価 | この記事のURL