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(10)エリートのエゴイズム [2019年03月15日(Fri)]

(10)エリートのエゴイズム
 =多数派の驕り、「大衆の反逆」スペインの哲学者オルテガ

 NHK Eテレビの「100分de名著」で放送されたが「オルテガ」です。 中島岳志氏の解説でした。(評論家、東京工業大学教授)

 中島氏はオルテガの文を引用して、わかりやすく解説しておられました。

 オルテガの放送の感想が中断していました。今、日本の組織でも、専門家(=オルテガは大衆という)のエゴイズムが起きているので、重大です。続けます。

 オルテガのいう「大衆」は、社会の問題の解決発展を妨害するエリートです。オルテガは、大学(解雇されることがなく身分や収入が保証されている者、契約により身分が不安定な人は違うのだろうか)に多いというのですが、他の経営学の研究者も同様のものがビジネス組織の幹部にも多いといいいます。不正、改竄、セクハラ、パワハラが多いです。社会貢献もない研究内容であっても批判されません。 もちろん、大学人がすべてそうであるはずがなく、西田哲学でいえば、至誠の人と独断の人がいて、後者が多いというのです。オルテガの言葉です。

 「この大衆人という新しい人間のタイプの心理構造を、それが社会的な生に及ぼす影響に注目しつつ研究すると、次のようなことが明らかになる。
 第一に大衆人は、生は容易であり、あり余るほど豊かであり、悲劇的な限界をもっていないという感じを抱いていることであり、またそれゆえに各大衆人は、自分の中に支配と勝利の実感があることを見出すのである。

そして第二にこの支配と勝利の実感が、彼にあるがままの自分を肯定させ、自分の道徳的、知的資産は立派で完璧であるというふうに考えさせるのである。この自己満足の結果、彼は、外部からのいっさいの示唆に対して自己を閉ざしてしまい、他人の言葉に耳を貸さず、自分の見解になんら疑問を抱こうとせず、また自分以外の人の存在を考慮に入れようとしなくなるのである。彼の内部にある支配感情が絶えず彼を刺激して、彼に支配力を行使させる。したがって、彼は、この世には彼と彼の同類しかいないかのように行動することとなろう。したがって第三に、・・・」(『大衆の反逆』ちくま学芸文庫)

 オルテガはスペインの大学のありさまをいったのですが、日本の大学の仏教の学問はどうでしょうか。大竹晋氏が、日本の仏教は大乗仏教の核心を3つ失っているといったのですが、なぜ、長期にわたり、そういう重大な問題が指摘されないのでしょうか。 大学の研究者がそういう自己批判をしないですみ、同類と支配力を行使してきたのでしょうか。竹村牧男氏も仏教の学問は僧侶仲間たちによって行われてきたといいます。仲間、知り合いだから批判しないのでしょう。ビジネス社会では社会に評価されないサービス製品は淘汰されるのに、そんな厳しさがないのでしょう。

 「したがって第三に、彼はあらゆることに介入し、自分の凡俗な意見を、なんの配慮も内省も手続きも遠慮もなしに、つまり「直接行動」の方法に従って強行しようとするであろう。」

 「凡俗な意見」というが、日本でも、魅力がない意見をよく聞くが、仏教は衰退しています。それでも、権力を行使するでしょう。「そんなはずがない」という少数意見の非凡な意見はあまりみられません。 そんな有様に仏教は、悩む国民や心理学者の要請に応えることができず、似たものを欧米のマインドフルネスに見出して輸入されています。マインドフルネスは禅に似ています。日本人は創始できませんでした。しかし、文献研究の人は悩む人に実践的な指導はできませんが、日本のふところは広く、深い実践が過去の古典にもあり、現在もなおつらいひとを実践的に救済している僧侶が多数います。メディアには現れませんが、生きた実践は続いています。日本の特徴でしょう。

 現代の日本にも、オルテガのいう大衆化現象がみられると訳者がいいます。

 「オルテガが警鐘を鳴らす人間と社会の大衆化現象がもっとも顕著に見られるのが、実は今日の日本ではないのかということである。」(あとがき)

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Posted by MF総研/大田 at 19:52 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL