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(7)「大衆」は議論を軽視 [2019年02月24日(Sun)]

(7)「大衆」は議論を軽視
 =多数派の驕り、「大衆の反逆」スペインの哲学者オルテガ

 NHK Eテレビの「100分de名著」で放送が始まった「オルテガ」です。 中島岳志氏の解説です。(評論家、東京工業大学教授)

 中島氏はオルテガの文を引用して、わかりやすく解説しておられます。原文が引用されているのですが、中島氏の説明文をみます。

 第2回では「貴族」について語っています。これと対象的なのが「大衆」です。大衆の特徴は、議論を嫌い、直接行動に出ることだといいます。

 「オルテガの考えでは、人間というのは誤りやすい、有限な存在であるのだから、特定の誰かが「正しさ」を所有することなどできるはずがありません。だからこそ、考えの異なる者同士が議論し合意形成をしていくことが重要になる。」NHKテキストp56

 「オルテガは、議論は他者との共存においてもっとも重要なものであると考えていました。しかし、大衆にはそれに耐えうる力がない。その結果、議論することなく直接行動という野蛮な手段に出るのだといいます。直接行動の典型が暴力ですね。」p57

 現代ではさすがに、身体的暴力は犯罪になりますから、用いず、別の方法を用います。不正したとでっちあげて多数決で追放する、重要な地位から多数決で排除する、いじめる、出版や意見表明の場を取り上げる、などでしょう。

 大衆が議論が苦手なのは、こういうところがあるでしょう。哲学が関係するところでは、やはり同様のことが容易に起こります。ガブリエルも、日本には深い哲学があるはずなのに、と言っています。
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Posted by MF総研/大田 at 22:57 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL