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「幸福学X経営学」 [2018年12月06日(Thu)]
【書籍紹介】「幸福学X経営学」(前野隆司、小森谷浩志、天外伺朗、内外出版社)

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「幸福学X経営学」
 〜次世代日本型組織が世界を変える

 本の内容は、こちらに紹介されています。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000043.000021817.html

マインドフルネスSIMTからの感想(3)

 この本をご紹介が中断していました。次の記事で、 感想を述べます。

 第3章 「これまでの経営学 これからの経営学」(執筆は小森谷浩志氏)
  第1節 経営学とはどんな学問か

 経営学は、「より良い経営を上手にするため」に生まれた学問です。(p140)
これまで色々な経営手法が生み出されたが、行き詰まりを見せている。 まず、これまでの経営学を振り返り、これからの経営学を提案する。

 これまでの経営学を、主に組織論の背景にある人間モデルの視点から振り返る。
 まず、テーラーの「科学的管理法」であるが、人間を給与・労働条件など経済的報酬で動機づけられる「経済人」モデルに始まり、 エルトン・メイヨーによる社会人モデル、アブラハム・マズローやダグラス・マクレガーに見られる自己実現人モデルへと移行した。続いて、ハーバード・サイモンによる経営人モデルの仮説に立つ経営学が紹介される。さらに、エドガー・シャインの「複雑人モデル」が提唱された。 そして、クライエントが求めていることを知るプロセスを大切にする関係性の実践哲学を提唱した。状況の変化や揺らぎに対して常に感覚を研ぎ澄ませ、「無知の知」を前提にした動的洞察が中核に据えられた。これと共通点を持つのがドナルド・ショーンの「内省的実践人」であり、実践をしてその経験を深く考えて次の実践にいかしていく、思慮深い実践家の成長モデルである。(p143-146)

 テーラーイズムからスタートした経営学は、経済発展に寄与したという功績はある一方で、負の遺産も大きいと言えるという。 具体的には、経済発展という光が生んだ相当に濃い影、副産物として、手法病、計画病、分離病と3つの病に集約」(p151)
 手法病は手法が目的化する。組織全体の方向性や果たすべき使命に目がいかなくなる。(p152)
 計画病は定量化の重視、計画だけで実行されない。(p154)
 分離病は、孤立や対立の文化がはびこる。つまり、全体が見えなくなり、自分のところの利のみを追う、エゴを増大させることになりかねない、(p156)

 著者は3つの病の裏には、安易な効率主義が隠れているという(p159)。さらに、安易な効率主義の奥底には、自分自身も意識すらしていないふたつの感情が渦巻いていることがある。相手や状況を自分の思いどおりに動かしたい、コントロールしたいという操作欲求。もうひとつはうまくマネジメントできなかったらどうしようという、評価や自己存在の危機への恐怖。(p160)
 こうして、病を重くしているという。これからの経営学はどこに。

 詳細は、本書を読んでほしい。
 次は、第3章の核心、「これからの経営学」である。
 そして、
 第4章「ホワイト企業への道」が続く。

(続く)

【書籍紹介】「幸福学X経営学」(前野隆司、小森谷浩志、天外伺朗、内外出版社)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3984
★第1章 幸福学が経営を変える

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3986
★第2章 ホワイト企業大賞を受賞した企業の紹介

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4017
★第3章  「これまでの経営学 これからの経営学」
  第1節 経営学とはどんな学問か

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4019
★第3章  「これまでの経営学 これからの経営学」
   第2節 これからの経営学はどこに
     1.存在を掘り下げる経営



https://blog.canpan.info/jitou/archive/4020
     2.利を追わない経営

続く
Posted by MF総研/大田 at 20:19 | この記事のURL