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(24)西田幾多郎による仏教批判 [2018年10月29日(Mon)]
★2019年1月26日、宮城県大崎市で、マインドフルネスSIMTの体験、説明会。

★2019年1月13日は、専門家向けの講演です(下記)
上座部仏教、日本仏教の問題を超えていくために
日本の社会問題の解決のための「利他=マインドフルネス」の危機
どういう道があるか。
現代の日本的なマインドフルネスの展望

(24)西田幾多郎による仏教批判

 次の本は、日本の仏教者が信じているという大乗仏教は ブッダの仏教ではない、別の宗教だと指摘しています。しかも、日本仏教は大乗仏教の本道からもはずれているということを明らかにしました。

『大乗非仏説をこえて』大竹晋、国書刊行会

 大乗仏教は、利他、人間完成を目指し、それを自内證で確認するというから、大乗仏教の 人は実践して自内證して確認しなければいけないはずです。
 日本仏教の批判は、西田幾多郎にもありました。

 「今の宗教を罪するものは宗教家なるのみ。彼等の多くは自ら人生問題に撞着して刻苦精励遂に自己の宗教に由り之が解釈を得たるにあらず、宗教伝道をば恰も一職業の如くに考え之が説教に必要なる知識を学得せるのみ。自己に宗教的経歴なく、乃ち能く教祖が真意の所在を洞察し得ず、徒らに死せる形式を尊信して己が宗教の本意となす、かくの如くにして生ける宗教を伝えんと欲す豈難からずや」(西田幾多郎旧全集、13巻83頁)

 この批判は、現在の仏教学者や評論家にも該当するでしょう。
 大竹氏の研究の成果でいえば、利他、人間完成、自内證がないということを西田幾多郎も言っているのです。現実の生々しい苦悩は、教理の知識を説明されても解消しません。その宗教者、学者、評論家の体験のものではなく、他者が体験し言語化したものを理解して説明しているにすぎないのです。
 宗教家も学者も、知的な理解、教理の記憶にすぎないのです。文献があればよく、生きた宗教ではありません。学者がいればすみ、宗教者は無用になります。言葉で説明できる範囲であれば、自己を超えた宗教ではないですね。科学や文学と同列ではありませんか。科学や文学も、苦悩を解決するのに貢献しています。日本仏教は、現状でいいのでしょうか。現実に苦悩する人は寺に行かず、救済できないでしょう。
 初期仏教は「マインドフルネス」という手法で、市民の悩みの一部の解決に食い込みはじめました。知識だけではなくて、「実践」があります。日本仏教は、どうすればいいのでしょう。 経験や伝統のない「マインドフルネス」でさえも、ある程度の貢献ができて、人を集めています。仏教教団にできないはずがありません。どうすればいいでしょうか。
この問題に関して特別講演
2019年1月13日(日曜日) 、午後1時30分から4時30分まで
 埼玉県さいたま市浦和区、埼玉会館で。

★最近明らかになってきた上座部仏教、日本仏教の問題を超えていくために
日本の社会問題の解決のための「利他=マインドフルネス」の危機
どういう道があるか。

講師:大田健次郎(マインドフルネス総合研究所、日本マインドフルネス精神療法協会)

【書籍紹介】『大乗非仏説をこえて』大竹晋、国書刊行会
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3962
★西田幾多郎による仏教批判

【連続記事】【日本では、なぜうつ病などの心理療法が普及しないのか】
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3889
【自己保身、「空気」を読む、忖度する】

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3866
『忖度社会ニッポン』(片田珠美、角川新書)

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『「空気」の研究』(山本七平、文春文庫)

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阿部欣也の「世間」。記事の本のほか『「世間」とは何か』(講談社現代新書)

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【目次・書籍紹介】「正しさをゴリ押しする人」(榎本博昭、角川新書)

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『日本型組織の病を考える』村木厚子、角川新書

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3916
『異端の時代 〜 正統のかたちを求めて』森本あんり、岩波新書

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3461
『見て見ぬふりをする社会』マーガレット・ヘファーナン、河出書房新社

【連続記事】【日本では、なぜうつ病などの心理療法が普及しないのか】
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Posted by MF総研/大田 at 21:39 | エゴイズム | この記事のURL