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(17)日本の仏教はどこへいくのか [2018年10月11日(Thu)]

(17)日本の仏教はどこへいくのか
 =大乗仏教でさえも超えていくか

 次の本は、日本の仏教者が信じているという大乗仏教は ブッダの仏教ではない、別の宗教だと指摘しています。

『大乗非仏説をこえて』大竹晋、国書刊行会

 日本仏教は、大乗仏教の本道から乖離しているという。「利他」が弱い、人間完成がない、自ら証明する「自内證」がない。
 それでは、日本の諸宗は大乗仏教の本道にもどればいいのか。大乗仏教は、古代インドの経典群である。現代にそのまま戻れるかどうか、難しそうである。もう一つの道もある。 大乗仏教でさえも、捨てていく道である。上掲書でみる。

大乗仏教でさえも捨てていく大乗仏教

 「大乗仏教のアイデンティティが、他者を救うためなら仏伝的ブッダの故事にもとづいて敢えて歴史的ブッダの教えに反することすらやってのけるという、利他ゆえの仏教否定である以上、大乗仏教は、そのアイデンティティゆえに、必然的に、他者を救うためならば敢えて大乗仏教に反することすらやってのけるようになる。他者を救うためならば敢えて歴史的ブッダの教えに反することすらやってのける大乗仏教が、他者を救うためならば敢えて大乗仏教に反することすらやってのけないのは、利他心にもとる。」(p168) (p177も)

 例として、仏教徒である人が利他のためなら、キリスト教に改宗してもいいといった禅僧のエピソードを紹介している。

 仏教の宗門はどこへいくか。学者が本書の趣旨を真剣にくみ取り、 新しい教えを構築できるだろうか。
 利他のためならば、大乗仏教さえも超えて、西田哲学を検討することもあるだろうか。我田引水だけでもない。大乗仏教経典のなかに、不思議な言葉も多いが、西田哲学を参照すれば 理解できないこともない。たとえば、法華経に「久遠実成の釈迦牟尼仏」が現れるが、西田哲学の「絶対無」に類似する。

 また、 大乗仏教のつぎの表現思想は、西田哲学のすべてが絶対的一者、絶対無の射影であるということで理解可能である。

 「大乗仏教の世界像においては、あまたの仏国土が、いくつもの層をなして、われわれの世界と重なりあっているのである。」(p227)

 「大乗仏教徒はただ大乗仏教のブッダが、目に見えない仏国土から、大乗仏教にもとづいて福徳を積む者たちに加護を与えていると考えるだけでよい。」(p228)

 本書は、こうして、初期仏教、日本仏教の問題点を明らかにしたが、現代人が、「どう実践ればいか」という実践論には何も触れていない。それを宗門僧、学者、宗門外のひとが検討していかねばならない。新しい大乗仏教を超えた、「人類教」になるだろう。簡単ではない。普遍的な「マインドフルネス」のような実践論になるだろうから。


この問題に関して特別講演
2019年1月13日(日曜日)、午後1時30分から4時30分まで
 埼玉県さいたま市浦和区、埼玉会館で。

★最近明らかになってきた上座部仏教、日本仏教の問題を超えていくために
日本の社会問題の解決のための「利他=マインドフルネス」の危機
どういう道があるか。

講師:大田健次郎(マインドフルネス総合研究所、日本マインドフルネス精神療法協会)
【書籍紹介】『大乗非仏説をこえて』大竹晋、国書刊行会 【連続記事】【日本では、なぜうつ病などの心理療法が普及しないのか】
http://blog.canpan.info/jitou/archive/3889
【自己保身、「空気」を読む、忖度する】

http://blog.canpan.info/jitou/archive/3866
『忖度社会ニッポン』(片田珠美、角川新書)

http://blog.canpan.info/jitou/archive/3873
『「空気」の研究』(山本七平、文春文庫)

http://blog.canpan.info/jitou/archive/3875
阿部欣也の「世間」。記事の本のほか『「世間」とは何か』(講談社現代新書)

http://blog.canpan.info/jitou/archive/3853
【目次・書籍紹介】「正しさをゴリ押しする人」(榎本博昭、角川新書)

http://blog.canpan.info/jitou/archive/3918
『日本型組織の病を考える』村木厚子、角川新書

http://blog.canpan.info/jitou/archive/3916
『異端の時代 〜 正統のかたちを求めて』森本あんり、岩波新書

http://blog.canpan.info/jitou/archive/3461
『見て見ぬふりをする社会』マーガレット・ヘファーナン、河出書房新社

【連続記事】【日本では、なぜうつ病などの心理療法が普及しないのか】
http://blog.canpan.info/jitou/archive/3889
Posted by MF総研/大田 at 19:21 | エゴイズム | この記事のURL