(7)自社発行の雑誌に批判的な意見を発表できる自由とは
[2018年09月20日(Thu)]
【連続記事】【日本では、なぜうつ病などの心理療法が普及しないのか】
自社発行の雑誌に批判的な意見を発表できる自由とは新潮社の月刊誌「新潮45」で、自民党の杉田衆院議員が同性カップルを念頭に「生産性がない」と主張した記事を掲載していた。これに対して、著名な作家たちからは「どうしてあんな低劣な差別に荷担するのか」「論理が破綻している」と批判の声が多数あった。新潮社がおわびするかと思いきや、10月号の企画の中で、編集部は批判を「見当はずれの大バッシング」と切り捨て、批判する人を批判する文芸評論家・小川榮太郎氏の寄稿を載せている。 これに対して、同じ社のツイッターの公式アカウントで、編集部に対して反対意見が発表された。社内で意見の対立があることを自ら公表した。 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180919-00010003-huffpost-soci ★ねとらぼ https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180919-00010003-huffpost-soci ★YAHOOニュース 新潮社の創業者・佐藤義亮氏の言葉を引用し、「良心に背く出版は、殺されてもせぬ事」ともツイートした。 批判した人は、編集責任者たちの「良心」とは違うのだ。勇気ある行為だと思う。 これを削除しない社のトップも偉いものだと思う。 日本人は、すべての組織で、「ゴリ押し人間」や、いじめられることを恐れて「忖度」して、だんまりを決め込む人間が多いことをみてきた。 しかし、やはり、いじめられるかもしれない。こわいだろう。さすがに、著名メディアである。 いじめないでほしい。社としては重ねて評判を落としたようであったところを、かろうじて、メディアの良心をみた。 あとで見るつもりであったが、メディアも不利益を受けることをおそれて、いいたいことを言わないことも多いという。 【一般的な参考書:狭い世間しかみない、ごり押し人間、自己保身から「空気」を読む、忖度する】 https://blog.canpan.info/jitou/archive/3866 『忖度社会ニッポン』(片田珠美、角川新書) https://blog.canpan.info/jitou/archive/3873 『「空気」の研究』(山本七平、文春文庫) https://blog.canpan.info/jitou/archive/3875 阿部欣也の「世間」。記事の本のほか『「世間」とは何か』(講談社現代新書) https://blog.canpan.info/jitou/archive/3853 【目次・書籍紹介】「正しさをゴリ押しする人」(榎本博昭、角川新書) 『日本型組織の病を考える』村木厚子、角川新書 『見て見ぬふりをする社会』マーガレット・ヘファーナン、河出書房新社 【連続記事】【日本では、なぜうつ病などの心理療法が普及しないのか】 https://blog.canpan.info/jitou/archive/3889 |