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ドラマに学ぶ生き方・専門家は技術が上達するにつれて慢心を起こす [2017年12月04日(Mon)]

ドラマに学ぶ生き方
専門家は技術が上達するにつれて慢心を起こす
 =そして患者、クライアントに迷惑をかける

 12月1日、TBSテレビ(6チャンネル)のドラマ、「コウノドリ」は、次の西田哲学の 教えを想起させるものでした。

http://blog.canpan.info/jitou/archive/2221
★専門家も惰性・杜撰になる
(治療者・専門家にも我執、エゴがある。 「技術の熟達と共に惰性化・粗雑化が起こる」)

 このことを思い出させるドラマでした。

 舞台は、産科の病院。 医療技術が身についてくると、医者によっては、自分の見立て、考え方、診断に固執する。この患者(新生児)の症状からみても、「この病気だ」と診断をくだして、治療する。自分の得意な病気だという見立てだ。しかし、違った。微妙な症状を見落としていた。べつの病気だった。他の人(看護師など)から、別の病気ではないかという人もいたが、「私のみたてに間違いない」と主張してその治療方針を続けた。しかし、患者が回復しなかった。危機的状況になった。
 ドラマでは、死亡に至る前に、看護師から他の医師に通告されて、真の病名がついて、その専門医の病院に移されて救済された。

 このことは、医師の自分の見方考え方への執着の心理を扱っている。同様のことが、私たちの、マインドフルネスで支援するマインドフルネスのカウンセラーにも、起きる可能性があるので、認定講座の中で勉強している。

 「うつ病は、こういう症状がある、非定型うつ病はこういう症状がある」と学習する。そして支援を開始する。何例かの支援体験により、自分のマインドフルネスの手腕に自信を持つ。そこまではいい。しかし、たくさん支援しているうちに、過信、慢心が起きる可能性がある。「うつ病だ」「非定型うつ病だ」とアセスメントして、支援を開始する。アセスのとおりであり、単純なうつ病であれば、半年か10か月で、改善する。

 ところが、そうならないクライアントがいる。慢心するマインドフルネスのカウンセラーは、「クライアントが悪い、よく実践しないからだ」と思って、クライアントにきつい言葉を言うとしたら、ドラマの自分のみたてに固執した医師と似たような過ちにおちいっている可能性がある。 標準的な「うつ病」「非定型うつ病」ではないかもしれない。他の身体の病気かもしれない、他の障害があるかもしれない、そういう可能性もあることをつゆ疑わずに、「クライアントの実践不足」と思い込み、支援を続けていたり、アドバイスを間違うと、そのクライアントが重篤な危機におちいるかもしれない。身体疾患の重篤化、死亡、自殺、・・・。

マインドフルネスを標榜して教えている人へ

 お金もうけからマインドフルネスを提供している人が、質の低いサービスを提供すると、罪作りな面もある。 何かの苦痛をかかえているクライアントが参加して、その クライアントにマインドフルネスへの失望、嫌悪をもたらしてしまうことがある。 もっと効果の高いマインドフルネスがあっても 回避・逃避をもたらして、救済を妨害する。悪意はないのであるが、結果としてそうなる。
 例の批判論文もそれを指摘しているのであろう。(http://blog.canpan.info/jitou/archive/3611

 人は繊細、微妙、複雑である。 同様に、マインドフルネスの流派によって、方法、哲学が違って、適用すべき問題が違う。MBSRは、それだけでは、うつ病の治療法にはならない。「MBSRでうつ病が治る」というのは、嘘である。うつ病の人にMBSRだけ指導しても、治る保証はないことを伝えなければならないだろう。

 マインドフルネス心理療法の推進者も、技術を学習して後、効果あるとされた流派のマインドフルネスをそのまま適用せずに、自分が独創した手法で支援する場合、「改善する可能性がある」といってはならないだろう。その独創的な方法を試験的に実践してもらい(同意をえて)、多数の改善がみられるのを確認するべきである。できれば、私も、正規の臨床試験がいいのはわかってはいるが、欧米でも日本でも、それができる環境ではない。

ブームのマインドフルネスには、「お金儲け」になっているものがあるという。あまり悪意があるわけではないが、結果的にクライアントをじぶんの金儲けの道具にしているのである。金、名誉、何かの欲望への執着が強いものの道具にされたら悲劇である。

 活動中のマインドフルネスの支援者は、もう一度、このことを確認していただきたい。こころを扱うマインドフルネスは、提供者側に、悪意がなく、善意であっても、知識の不足、慢心・過信、独断的な見方考え方により、クライアント、参加者、檀家信者の生命を危険にさらすことがある。
 また、苦悩を持っていて、マインドフルネスに期待して参加したのに そんな程度のものか、私の問題にはやはりマインドフルネスは応えてくれないと、マインドフルネス全体、どうせどれも同じだろう、失望だ、と、効果があるマインドフルネスまでも、嫌悪し回避逃避をしてしまう。それで、治るものも治らないとか、自殺だっておきるかもしれない。効能を偽るマインドフルネス、提供者のお金もうけ、名誉欲を満たすマインドフルネスはやめるべきである。
 マインドフルネスは、自分の心理の観察、気づきが重要であり、生涯、エゴイズムの心理の観察、気づき、自己研鑽、自己洞察を続けるべきである。

  http://blog.canpan.info/jitou/archive/2607
★エゴイズムの自覚

http://blog.canpan.info/jitou/archive/2228
★専門家のエゴイズム


【目次】ドラマ、映画、小説に学ぶ生き方、どう生きるのか。
http://blog.canpan.info/jitou/archive/3638
★TBS 「コウノドリ」

http://blog.canpan.info/jitou/archive/2658
★NHK 朝のドラマ「純と愛」

http://blog.canpan.info/jitou/archive/2809
★田宮虎彦の小説

http://blog.canpan.info/jitou/archive/2387
★川端康成「千羽鶴」 志賀直哉「暗夜行路」

http://blog.canpan.info/jitou/archive/2387
★遠藤周作 日本的なキリスト教

http://blog.canpan.info/jitou/archive/2336
★金子みすゞ

http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/program/nihonbunka.htm
★その他

【参考】 http://blog.canpan.info/jitou/archive/2601
★神谷美恵子・生きがいと自己実現
Posted by MF総研/大田 at 13:20 | エゴイズム | この記事のURL