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(126)死の問題のマインドフルネスには日本人が得意 [2016年09月03日(Sat)]
http://blog.canpan.info/jitou/archive/3422
9月4日、講演
 今の禅ではいけないといった西田幾多郎博士の実践論。いまなお、状況が変っていません。しかし、「マインドフルネス」ということが言われはじめました。従来の禅ではなぜ、だめなのか。

「がん哲学外来」に寄せて(12)

(126)死の問題のマインドフルネスには日本人が得意

 外国のマインドフルネスの本が続々と翻訳されています。「百花繚乱」。 マインドフルネスのさまざまな「花」は、日本人は欧米の人にはかなわないようです。 それは、また、すばらしいことですが、深い問題があります。枝、幹、根っこです。死生観が違う日本人には、がん哲学のような「死」の問題は、日本人には独特の霊性がありますので、だから、いっそのこと、日本人は、深いマインドフルネスにとりくんだらどうでしょう。生きた指導者につかないと体得できません。我見我執己見が邪魔をして、自分を越えたもの、悟りなどない(独断によるすぐれた先人の否定)と自分をごまかしてしまいます(深い回避の一種です)。先達が生きておられるうちに、訪問すべきです。西田博士がいうように、唯一・一度きりの人生です。悔いのないように自分に誠実に生きたいのです。

 日本には、仏教、禅、浄土真宗の念仏のように、大変深いものがあったのに、まるで、博物館の中に動態保存されていて、ごく少数の人だけが知り、受け継いでいたようなものです。見える美しい「マインドフルネスの花」も一般の日本人には、隠れていましたが、根っこの部分も隠れています。この部分のマインドフルネスは、欧米にはありません。キリスト教的、二元観ではありません。

 大木があるとします。根っこは地中にあり、見えませんが、とても大切です。根がかれると、幹もたおれます。もちろん、花はすぐ萎みます。マインドフルネスは、根っこを見ていません。根っこの問題であるがん哲学を扱うことはできません。

 昭和までは、すぐれた禅僧、念仏僧が教えていました。最近では、見失ってしまいました。竹村牧男氏(東洋大学学長)は、近著で、次のようにいっています。
    「現代は、複雑に情報化され急激に変化するグローバルな関係性を持った社会です。そのような社会のなかでは、自己を越えたもののなかで生かされるというような感覚を味わう機会は奪われがちであり、忘れがちになります。だから、心が痛んだり傷ついたり悲鳴をあげたりする状況が出てくるのかと思います。日本人は伝統的にそういう仏とともにある心のあり方をよく知っていたのに、そのことを現代社会のなかで失いつつあるのだと思います。」(『心とはなにか』竹村牧男、2016年8月20日発行、春秋社)
 これが、根っこです。がん哲学に活用できる、日本人しか見ることがない、根っこです。 日本人は、これの「マインドフルネス」にとりくんだらいいと思います。日本には、禅、念仏で、ここを自覚して、死の苦悩を解決してきました。

 同じものを見ても、見る意味が違ってみえます。ヴィクトール・E・フランクルが「意味」をいいます。西田哲学では、イデヤ、価値といいます。ほとんど消えようとしていますが、公案、只管打坐、念仏、聖書で、この根っこ、死の問題までも解決する道をみつける指導をしてくださる人が、ごくわずか生きておられます。いつまで残るかわかりません。見ているのに、見えない、意味をみつけられないのです。あるがままに見えない、マインドフルネスでないのです。我見我執己見で見るからです。
    http://blog.canpan.info/jitou/archive/3379
    (83) 禅者の思想的な怠惰に対して言いようもない腹立たしさ
     これは、禅僧だけではない。仏教研究者、精神にかかわる専門家のすべてに言えるだろう。自己自身の哲学をどう決着しているのだろう。
 対象的マインドフルネスでは見ることのできない根っこを自覚できるような現代人のために、至誠のマインドフルネスを用いて、4つを包含する根っこを自覚する、第5の、新しい超対象的マインドフルネスを開発しなければなりません。西田博士は、それを望んでいました。これからの新しい実践は、ポイエシス(社会創造実践)即プラクシス(自己形成実践)にあると。

 4日の講演もこれに関係があります。『後期西田哲学の実践論』は、根っこの、対象的には見ることのできない自分の心の内奥 の方向に自己を越えた絶対無、仏、神性、霊性と言われたものを自覚する実践を西田幾多郎博士が提言しています。
「がん哲学外来」に寄せて ⇒目次

【連続記事】
「哲学を知り実践するマインドフルネスSIMT」

【目次】日本のマインドフルネスの再興を

Posted by MF総研/大田 at 18:30 | 新しい心理療法 | この記事のURL