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(114)手術が終わった時から始まる医師による心の癒し [2016年08月09日(Tue)]

(114)手術が終わった時から始まる医師による心の癒し

 7月26日、BS テレビ8チャンネルのの「がん哲学外来」について。
 石飛さんは樋野さんの活動を絶賛する。石飛さんは外科医だった。手術をする、「勝ち戦」ならいい。患者のところに行って、ムダ話をする。しかし「負け戦」の場合、患者のところに行きたくたい。そんな自分がいやになった、という。

 治せなかった患者や、脚を切断して苦悩に陥るはずの患者。 手術が終わった時点から、患者の苦悩が始まるので、医師による心のケアがほしい。これが、されていない医療の現場。

 フランクルは、次のように言う。

「医師は、たえず人間的態度に立ち戻らねばならないでしょう。・・・・(中略)
これは、外科的な行為が止む、まさにその時に始まります。例えば外科医が、検査の ために開腹手術をしてガンが手術不可能であることを確認したり、あるはそれでも摘出 手術を行ったり した後で、手術用手袋を脱ぎ、いわばただ懐手(ふところで)をして見ているほかはな くなったとき、医師による心の癒しが始まるのです。」 『意味への意志』86頁
 
 患者に「手遅れでした」と告知するか、家族だけにいうか。どちらにしても、本人は苦しむ。かかわった医師が心のケアまでしてほしい。樋野さんなら1時間くらいだという。しかし、現代の医師には無理だと樋野さんはいう。
 このほかに、宗教レベルのケアをしないとすまない患者さんもおられるでしょう。
 がん患者さんの心のケアは、誰もができるわけはないし、医師、宗教者、マインドフルネス者、心理士のすべてが価値をおくわけでがない。どの人材でもいいから、このことを生きがい、価値にしたいと思う人が行うしかない。 これに生きがいを発見する人は少ないと思う。がん哲学カフェが95か所もあるという。すばらしい。新しい生きがい、新しい価値の発見。あるいは、新しい職業になってもいい。場合によって、専門k的なスキルも必要であるから。
「がん哲学外来」に寄せて ⇒目次

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Posted by MF総研/大田 at 13:37 | カウンセラーのストレス | この記事のURL