(51)自己を知る所に現在がある [2016年05月11日(Wed)]
(51)自己を知る所に現在がある自己洞察瞑想療法(SIMT)は、西田哲学を理論的ささえにしています。 西田哲学の意志的自己、叡智的自己、人格的自己の実践をしようというものです。観る、考える、行為するすべての局面のマインドフルネス実践です。叡智的自己、人格的自己のマインドフルネスは、東洋的な「自他不二的」な自己世界観です。二元観ではありません。マインドフルネス瞑想療法士の育成講座では、意志的自己まで理解できればいいのですが、なぜ、そいう「マインドフルネス」実践が出てくるのか、その根源までも、一応、学習します。短時間の講座ですから、理解できる人と、できないひとがいるのは当然のことです。深いところまで探求したいという人は、研究会で継続します。1割くらいが継続します。かまいません。うつ病、不安症/不安障害などの回復支援は、意志的自己の西田哲学実践をクライエントに伝達できれば回復します。クライエントの本人の実践次第です。 西田博士はいいいます。
「自己」の意識に、浅いものと深いものがあります。最も深い自己をいうのが、西田博士によれば、道元禅師、親鸞聖人などです。自己意識は、浅いものから、判断的自己、知的自己、意志的自己、叡智的自己、人格的自己です。多くの人が意志的自己です。自己と世界を別と思う、二元観です。 この二元観でも、しっかりと意志作用を行使できれば、うつ病、不安症/不安障害などにならず、回復もできます。その方針で構成されたものが自己洞察瞑想療法(SIMT)です。意志的自己レベルのSIMTです。 「自己」とそれがそこに生まれ生き、死に行く「世界」の構造はどういうものであるかを、東洋では2千年にわたって探求して、「ああでもない、そうでもない」と西田哲学にたどりついた。その宝を日本人が捨てています。この日本国内のあちこちに、地下資源があるのに、外国にさがしているようなものです。西田哲学は難しいです。それほどに、人間、自分、自己は難しい構造をしています。だから、自分が一番だと争い、 世界の立場からみるとすぐれた他を否定して「あわれな子羊」を囲い込むことをする。 一流企業の経営者でもうそをいい我利に働く。結果的に企業全体を滅亡させようとする。 うつ病、不安症/不安障害などで自殺しかけている人も、症状が重く長く治らない場合、つまり、衝動的反応パターンが深刻になっている場合、それを変える、回復してもらうには、1,2年もかかるのです。 【目次】日本のマインドフルネスの再興を |
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