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うつ病は治りにくい=他の治療法を普及するようにとの陳情行動が必要かもしれません [2014年11月13日(Thu)]

うつ病は治りにくい
 他の治療法を普及するようにとの陳情行動が必要かもしれません

 「被災地にマインドフルネス心理療法を!」プロジェクトの最終回で申し上げたのですが、 うつ病の薬物療法が効果がいまひとつであるために、いったん、うつ病になると完治せず、復帰 できず、自殺がなくなりません。

 うつ病の薬の開発研究をなさっておられる加藤忠史氏のご著書で、この痛ましい状況を 確認させていただきました。当事者にならないとわからない苦悩です。夢をいだいて一生懸命に生きてきたのに、うつ病になり完治しない人が多いのです。家事、仕事ができません。本当につらい病気です。

うつ病の治療の現在と問題

『うつ病治療の基礎知識』加藤忠史、筑摩書房、1600円+税。

薬物療法

 「抗うつ薬の有効率は60〜70パーセントにとどまっています。 寛解率となると、さらに低く、30パーセント程度とも言われています。つまり効果が十分ではあり ません。」(p170)

「精神疾患の原因解明研究は非常に難しく、順調に進んでいるとは言え ません。こういったことから、新薬開発はほとんど進んでいないのです。 」(p172)

精神療法

 日本には、傾聴型のカウンセリング、来談者中心療法などが優勢ですが、「うつ病」の改善効果は臨床試験で 確認されていません。

 「来談者中心療法は、日常生活の悩みの解決に有効ですし、精神分析は当初は主に当時神 経症とよばれていた人たち(現在では不安障害などに相当する)を対象に行われていました。
 しかし、これらの治療法は、うつ病に対する有効性は証明されていません。
 カウンセリングで問題を解決できるのは、自己回復力の範囲にある心の悩みであり、自己回復 力を超えて脳の変調を来たしているうつ病の治療には有効ではないのです。」(p212)

 「最も効果が実証されているのは、認知行動療法と対人関係療法です。」(p213)

効果が確認された認知行動療法の普及を

 上記のように、キイポイントを抽出しました。 うつ病は、薬物療法で完治しない人が多いのです。そして、画期的な薬の開発は 当分期待できないのです。

 効果が確認されているのは、認知行動療法、対人関係療法です。 マインドフルネス心理療法も認知行動療法です。最新の第三世代の認知行動療法です。ただし、MBSR,MBCTは、そのままではうつ病の「治療法」ではありません。この手法を用いても、うつ病が「完治」するとは限りません。マインドフルネスにも、浅い心理現象を扱うものと、深刻な心理現象を扱うものがあるからです。 MBSR,MBCTそのままで、うつ病が完治するといっては、誇大広告、嘘になります。 抗うつ薬でも、完治割合は低い、それと似た状況になります。マインドフルネスの専門家は、長い期間つらい思いをしているクライエント、患者さんの期待を裏切らないようにしなければなりません。 マインドフルネス心理療法を提供するひと(専門家です)、受ける人は、そこを理解しておく必要があります。

 ご家族が2年、うつ病が完治しなかったら、難治性のうつ病かもしれません。
 残念ですが、医師は5年10年、患者さんが治らなくても、診療報酬が得られます。 心理療法の導入には強い動機が働きません。今は、そういう医療制度です。少し前までのアメリカとは違っています。
 心理士団体はどうでしょうか。お声があがらないのは、現状で満足されておられるのでしょうか。うつ病の人、病気の完治支援は心理士の役割ではないのでしょうか。病気が深刻な人の直接の支援でない領域、学校、企業、官庁などでのご活動で忙しいためだろうと思われます。

 新しい人材群が、認知行動療法の提供をするしかないのでしょうか。一体、どなたが真剣に担当してくださるのでしょうか。

 こんなに完治割合が低く、自殺率が高い病気・・・、「難病」と言えます。 不安症群/不安障害群、PTSD、過食性障害も薬物療法だけでは、完治しにくいでしょう。 ご家族が新しい治療法 を政府に要求してもいいのではないでしょうか。 無視、放置、軽視、あきらめ、・・・。専門家のエゴイズム・・・。
 新しい心理療法を普及させてくださいと政府に働きかけることも必要でしょう。医師が認知行動療法を提供するならば、相当の診療報酬を請求できるようにする制度変更もできないでしょうか。 来年、自殺防止の学会ができます。心理療法の普及の視点も期待します。
Posted by MF総研/大田 at 17:53 | うつや自殺念慮の心理療法 | この記事のURL