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仏教瞑想の問題と現代の社会的マインドフルネス [2014年08月01日(Fri)]

仏教瞑想の問題と現代の社会的マインドフルネス

「別冊サンガジャパン 1 実践! 仏教瞑想ガイドブック」に紹介される

 仏教系の瞑想は、歴史的に、そして現在も多数ある。それらが、現代のマインドフルネスではない。 アメリカ発の「マインドフルネス」(そして日本発のSIMT)は「社会的応用」でなければならない。宗教的目標をもった瞑想ならば、ことあたらしく「マインドフルネス」という必要はない。原初的なマインドフルネスは、初期仏教にあったのだから。そして、もちろん、襌にもあった。これを「宗教的マインドフルネス」と呼ぶことにする。 「宗教的マインドフルネス」は、一つではなくて、それぞれの教団にあって違っている。指導者個人によっても違っている。思想、哲学が違うし、体験、経験が違うからである。
 宗教的マインドフルネスは、 そのまますぐに、うつ病の治療、子育てで苦労する母の心のケア、不登校の子の回復支援、がん患者さんの自殺防止などの社会的問題に応用にできるものではない。

 宗教者の思想、宗教団体の道場内のマインドフルネスにとどまらず、社会の現場で家庭で実践される「社会的応用になったものこそマインドフルネス」である。これを「社会的マインドフルネス」と呼ぶことにする。社会的に応用されたものでないものは、宗教的マインドフルネスである。これまで日本の坐禅、東南アジアの瞑想、欧米に広まった「ZEN]など多数あった。それらは、そのままでは、宗教的マインドフルネスである。理論も手法の説明も、宗教の中立が重視される公共の場での活用は限界がある。さらに、私が思うに、深い社会的問題には、宗教的マインドフルネスでは、効果がないものがある。たとえば、がん患者の死を予期する苦悩は、自己存在についての哲学のあるマインドフルネスでないと、直視させないまぎらしのマインドフルネスになってしまうだろう。この社会的問題は、宗教的マインドフルネスではあつかっていないものがある。あるいは、とても現代人に受け入れがたい思想をいうものがある。現代において社会的でないのだ。背景の哲学、思想はとても重要である。人をそこに追い込む、とどめる、指導者への依存が起きるなど、その背景の哲学を帯びた心理的にというか精神的に特徴のある人になる。だからこそ、大乗仏教が起り、日本では新しい仏教宗派が起った。

 要点は、次のようである。

★宗教的マインドフルネスは、外部社会の問題での現実適用(大乗仏教が「慈悲」といった実践行動)ができなかった。 その傾向は現在もなお続いている。
★そして現代はさらに西田哲学でいう人格的自己レベルの探求(自己とは何か)も失われ た。「死」の苦悩にかかわるのだが、日本の宗教は、がん患者の死の不安のケア、ターミナルケアという社会的貢献は薄い。それは、マインドフルネスの手法レベルではなくて、マインドフルネスを実践する主体の消滅か未来永劫存続する魂のようなものであるかのレベルである。形式的マインドフルネスですむ問題ではない。また、自己存在の哲学のないマインドフルネスが扱える問題ではない。しかし、極めて重要な社会的問題である。がん告知後、1年以内に自殺する人が多いのだから。この領域には、宗教的マインドフルネスで扱えないものがある。また、アメリカ発の社会的マインドフルネスにも、まだない。
★宗教的マインドフルネスは、社会的応用の希薄な、人格的自己レベルでない瞑想、多数の宗教者のそれぞれの思 想による「瞑想のための瞑想」が行われてきた。そこに学ぶ在家も社会的な応用はほとんどしなかった。
★痛みの緩和、うつ病の治癒、うつ病の再発予防、パーソナリティ障害の治療、がん患者の心のケア、などの 「社会的応用」の瞑想(=社会的マインドフルネス)は、宗教的マインドフルネスにはなかった。
★ 今、マインドフルネスを標榜する宗教者、研究者、実践者が多数現れているが、 下手をすると、再び、「マインドフルネスのためのマインドフルネス瞑想」をする人(瞑想指 導者、MBSRなどのマインドフルネス指導者=社会的応用はせずにMBSRなどの講習のみ)、文献研究する人(研究者)ばかりになって、「社会的応用のマインドフルネス」をす る人(社会の現場のマインドフルネス応用者)がいなくなる危険性をひめている。
★すなわち、MBSRやMBCTの専門家が輩出し、社会的応用をしないMBSR者, MBCT者 が多くなる可能性もある。新たな瞑想の専門家である。社会的応用をしないマインドフルネスの専門家である。だが、そんなことなら、マインドフルネスも一時のブームで消えるだろう。 社会的な応用は大変なのである。うつ病の人、虐待する人、虐待された人、不登校のこども、がん患者さん・・などと直接、対面しなければならない。応用しないマインドフルネスの専門家の相手は、学生や苦しい問題を持たない人である。簡単である。だが、苦悩する人に、やってもらうのは大変難しい。だが、それをしないと、仏教と同じ歴史をたどる。社会的に「応用されないマインドフルネス7になり、社会貢献が薄く消えていくだろう。

 このようなことを推測できる文が発表された。マインドフルネスの実践者ということで大田のことも紹介された。
    「別冊サンガジャパン 1 実践! 仏教瞑想ガイドブック」
です。

(続く)
サンガジャパンに「マインドフルネス概観」において、 マインドフルネス総合研究所が紹介されました
Posted by MF総研/大田 at 06:11 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL