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誇大広告になってきたマインドフルネス業界 [2014年07月22日(Tue)]

マインドフルネスを推進するのは誰か(9)

 =(9)うつ病について治るレベルのマインドフルネスでないもので 誇大広告の傾向になってきたマインドフルネス

 誰もかれもがマインドフルネスといってうつ病に苦しむひとを勧誘する状況になってきまし た。 こんな状況が続くと、マインドフルネスの信頼性が失われます。 うつ病を治すのは容易ではありません。 スキルギャップのあるマインドフルネスでは、完治せず、寛解になってもまたすぐに再発するでしょう。 マインドフルネス心理療法はさまざまなレベルのものがあるので、単独の心理士 (医師の監督でない) が行うマインドフルネス心理療法が健康保険の対象になる日はこないでしょう。医師の監督下なら健康保険の対象にできるでしょうが、医師から信頼されるマインドフルネスあってのことです。

 マインドフルネスの現状をみていると、マインドフルネスそのものが、日本ではうつ病の治療効果があがらないと判定されて、消えていくかもしれません。アメリカで効果があるというマインドフルネスでも、自己洞察瞑想療法(SIMT)ではまだそのままでは治せるかどうか、エビデンスがない領域があります。これがわかっていますので、私どもはまだエビデンスのない領域には効果を標榜しません。欧米のマインドフルネスも、日本人のうつ病にどの手法を何か月継続すれば効果があったとエビデンスをとるべきです。  MBSRと弁証法的行動療法とはまるで違うのですから、どのマインドフルネスでも、うつ病が治るというわけにはいきません。

 マインドフルネスの自己洞察瞑想療法(SIMT)のサービスを提供するものは、 次の自主規制を行うことを検討しています。

課題表の提出を認定の条件にする


 これからは、実践の課題表を提出しない人には、マインドフルネス瞑想療法士を認定しません。うつ病を治すレベルのマインドフルネス心理療法は実践しないと習得できないといっているのに、受講期間中に課題を実践なさらないと習得できないからです。 石巻の講座を受けておられる人も例外ではありません。たとえ、医師、臨床心理士,産業カウンセラーなどであっても実践しない人は、マインドフルネス瞑想療法士にはなれません。 希死念慮・自殺念慮があるうつ病の人を支援できるのは、自分でも実践した人です。実践した人でさえも、難しいうつ病もあるのに、自分で実践しない人は治す援助はできません。
 うつ病は脳内に神経生理学的な変調が生じていて、積極的に助言する精神療法で長期間かけて治るということがわかってきた現在、これからは、うつ病を精神療法で治せるのは、そういう従来の資格を持つ専門家ではなく、認知療法や対人関係療法を習得した人やマインドフルネス瞑想療法士であるということが社会に認識されるように、私たちはスキルの向上を続け、必要な自主規制をしていきたいと考えています。つらい、長い闘病生活で疲れはてて、自殺さえも考えておられる患者さんの側に寄り添うために。
 気づき、抑制すべきは、専門家のエゴイズムです。西田哲学が教えています。いい加減なことをするエゴイズムに専門家自身が気づき、抑制していく、それが専門家のマインドフルネスのはずなのです。カウンセラーがマインドフルネスと称して教えて満足する「自己満足」もカウンセラーのエゴイズムなのです。薬物療法もそうだったが、マインドフルネスでもやはり治らないと泣いておられるかもしれません。

更新制の導入と 主任マインドフルネス瞑想療法士の制度の構想

 以前は、実践を資格認定の条件にしない時代がありましたが、これからは、実践を義務づけ、また更新制とします。さらに深い問題を解決できるかもしれないスキルを持つマインドフルネス精神療法士の資格を創設します。

更新制度
http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/sikaku/kousin.htm

マインドフルネス精神療法士の創設
http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/sikaku/ninteisikaku.htm

うつ病を治すレベルのマインドフルネスの専門家の援助を受ける人に助成

 認知療法でさえも、単独で心理士が行うものは健康保険の対象になりません。健康保険の財政が厳しい時に、マインドフルネスもとても保険の対象になりません。
 しかし、うつ病の患者さんは、効果が確認されているマインドフルネス(の一部)のサービス を受ける時には、助成制度があれば助かるでしょう。

 何か助成制度を作れないものか思案しています。うつ病の病理とマッチングしたマインドフルネス心理療法を提供するマインドフルネス瞑想療法士、マインドフ ルネス精神療法士の提供する治療サービスを受けるクライエントには、補助金を支給して、 受けやすくする私的制度を構想します。乱立するマインドフルネスでは、とても健康保険の対 象にならないので、プライべートな援助制度を作っていきたいです。財源は、助成団体から の助成、企業や一般からの寄付です。

 実現しないかもしれません。それは、こういう制度を、社会が、専門家が 求めていないからですから。できれば、患者さんご家族が本気で声をあげてほしいのですが、 難しいのですよね、わかります。しかし、大きな声をあげて必要だといわないと、消えていきます。 人はみな自分の好きなこと(「価値実現」)だけをしていく存在ですから。(うつ病の支援に予算をまわすよりも)この「私の活動に助成してください、予算をまわしてほしい」というのですから。 私の知る誠実な活動も世間の応援を得られず消えていっています。

 マインドフルネス心理療法は、こどもの不安・うつ・不登校、パーソナリティ障害、告知されたがん患者さんの自殺予防、働き盛りの人・職場のうつ病予防、などにも効果がある可能性があるのですが、今は、「ある」とはいえません。あるといえば誇大宣伝になります。まだ、エビデンスがないのです。 マインドフルネス瞑想療法士、マインドフルネス精神療法士が試験的に適用してみて効果を確認してエビデンスを公表していく、そういうパイオニアがいて、それを発表してくださると、他の人も「効果がある」ということができます。
 マインドフルネスは、今のところ、海外のものがほとんどのようです。うつ病を本当に治せるマインドフルネス者がきわめて少ないはずです。 MBSRは痛みの緩和、マインドフルネス認知療法は重症、中等症、軽症のうつ病の「治療法」ではなくて、寛解の人の再発予防法です。リネハンの弁証法的行動療法は、パーソナリティ障害の治療法です。
 薬物療法や従来の心理療法でも治らないうつ病は、完治までに、1年2年かかります。その間、自殺なさる心配があります。 そういう難しい病気に長期間かかわってくださるマインドフルネス者を明確にして、苦しんでおられるうつ病の患者さんが安心して受けることができる環境をどのように作っていったらいいのでしょうか。
Posted by MF総研/大田 at 09:30 | 新しい心理療法 | この記事のURL