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軽症のうつ病にマインドフルネス心理療法 [2014年06月16日(Mon)]

軽症のうつ病にマインドフルネス心理療法

 うつ病が長く治らない人がいる。軽くなってはまた「重症」となり、自殺のおそれがある。う つ病でも「非常に重症」「重症」の段階である。この段階でも、薬物療法や認知行動療法 が効果がなかったといって、マインドフルネス心理療法(SIMT)を1年から1年半やって回復 した人たちがいた。それをグラフに表した。  私も軽症のうつ病患者の改善事例を経験しているが、グラフにするとインパクトが弱いの で、示さなかった。とにかく、重症のうつ病でも、マインドフルネス心理療法(SIMT)で改善 する。途中で、中等症、軽症のうつ病の段階を経過するが順調に、寛解、完治に至る。
 さて、佐藤さんのデータは軽症のうつ病の人々もマインドフルネス心理療法で改善して いることを示した点で画期的である。  そのうち、3、5,9、19、23、33、35ページの事例は、抑 うつ症状や希死念慮・自殺念慮が強くないから、中等症から軽症のうつ病といえるかもしれない 。これは、従来の認知行動療法では治ることが確認されていないものである。 症状は軽くても、仕事などに復帰できないで長く苦しまれる。おそらく、ワーキングメモリ(作業記憶)、つまり、意志作用の領域である背外側前頭前野の機能が、従来の薬物療法や認知行動療法では回復しないし、その論理がないためであると推測される。論理とは、軽症でも抗うつ薬で治る、認知療法で治る、その理論は、こうであるという「論理」である。マインドフルネス心理療法(SIMT)は、軽症のうつ病にも論理はあるが、実際のデータを佐藤さんが公表してくださった。佐藤さんのもとで、長く実践してくださったクライエントの方ありがとうございます。貴重な体験価値でした。
 論理のずれがあるとマインドフルネスでも効果が弱いし、 クライエントに強い動機づけが働かない。 アメリカのMBSRは、痛みの緩和プログラムであり、うつ病にそのまま適用しても治るかど うかわからない。ボディスキャンは、横臥して40分、とても難しい。 寝たきりの多い、痛みのある病気の人には、時間を有効に使えるだろうが、うつ病の人に毎日、横臥して6−10カ月行う動機が働くかどうかわからない。 MBCTは、寛解段階の ひとが行う再発予防法である。まだ寛解になっていない軽症のうつ病の治療法ではない。日本人のうつ病にあったマインドフルネス心理療法を研究すべきである。このようなことをいうのは、クライエントの立場を思うからである。「本当になおるのか。無駄な訓練はしたくない。早く治りたい。」と思うのがクライエントの本音だろう。あまり効果が確認されていないものをクライエントが行うと悲しみをもたらす。他のマインドフルネスは、ある種の問題には非常な効果がある、しかし、他の問題には効果があるとは限らない。治療法だから当然である。万能の治療法があるはずがない。クライエントの立場になるべきである。

 日本ではうつ病が治らず、自殺する人が多いのだから、うつ病に効果的なマインドフルネス心理療法を研究 して、それができるセラピストをたくさん育成してほしい。日本の臨床心理学は病理の問題 、脳の病気の問題にあまり参加していない。医学も薬物療法が多く、心理療法に熟練した医師は 多くない。一体、どこで、うつ病の心理療法、精神療法のできる人材を育成するのだろう か。今も、自殺していく人がいる。私の知る人もごく最近、自殺なさった。うつ病の治療法 はどうして、こんなに遅れるのだろうか。心理学も医学もうつ病のマインドフルネス心理療 法に関心がないのだろうか。もっと、真剣に議論していただきたい。

重症の人には薬物療法

 しかし、マインドフルネス心理療法にも限界がある。非常に重症、重症の患者では、呼吸法を行うことが難しい患者がいる。だから、まず、薬物療法ですこし軽くなってから、マインドフルネス心理療法を行うのがいい。薬物療法とマインドフルネス心理療法をうまく使うのがベストである。

軽症のうつ病の時点でマインドフルネス心理療法

 もう一つ大切なことがある。うつ病は、突然、非常に重症になるのではない。 軽症の段階がある。うつ病についてかねてから全国民が勉強しておくべきである。 軽症のうつ病になったと、気がついた時に、マインドフルネス心理療法を実践すれば、重症化を防止できるかもしれない。予防が大切である。重症化してから治すのは、長期間かかる。自殺もある。うつ病について、よく学習しておくことをすすめたい。
Posted by MF総研/大田 at 20:02 | うつ病 | この記事のURL