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宗教活動とマインドフルネス [2014年05月26日(Mon)]

宗教活動とマインドフルネス

 日本の宗教は誠実な活動をしていますので、全く問題ありません。 マインドフルネスは、宗教の坐禅と似たところがあります。 私は20年前は襌の言葉で支援活動をしていました。 しかし、公的な会場を借りようとすると宗教活動には貸さないと断られました。 うつ病の支援だといっても理解していただくのが大変でした。クライエントさんからも「宗教ではないのですか」と、さも宗教はこわいという様子でした。事件が続いていましたからね。

 それで、宗教の言葉を用いないようにしようと工夫してきました。

宗教と一線を画す=さまざまな分野の人がマインドフルネスを活用できるように

 私たちは、どの宗教にもよらないマインドフルネスを研究しています。
 宗教でも人生の悩みは解決するのでしょうが、宗教はその宗教者によって思想が無限に異なり、しかも宗教研究者の解釈が無限に異なります。どれを精神疾患や精神が関係する社会問題の解決のためのマインドフルネスの指針にできるか決めがたいです。それぞれの賛同者が異なるのですから特定宗教の思想を教育、医療、福祉、保健、産業などの領域において指針とすることは困難が生じます。実際の状況を見ても宗教思想によって、 教育、医療、福祉、健康、産業などの領域において充分に広く活用されているとはいえません。うつ病一つをとってみても、ある宗教実践によってうつ病の改善に充分に貢献しているとも言えませんし、ごく一部で改善しているとしてもそれの方法が論理的に他の人々に広く説明できているわけではないでしょう。そういう状況では、心理療法や精神療法として、1、2年程度の有る程度短い期間で他の人が習得できません。
 宗教の思想を用いると、自宗を尊重する多くの研究者、実践者からの解釈論争が 起るかもしれません。そういうことにエネルギーを費やすと、実践的手法が定まらず最終の市民の援助ができなくなるおそれがあります。

 そこで、宗教の言葉や宗教の思想ではなく、哲学(特に西田哲学)、脳の神経生理学で理解するマインドフルネスを研究開発することを方針とします。これならば、解釈の相違は 哲学研究者や脳科学の研究者の間に留まり、また論理的な議論をすることができます。 ただし、議論だけならば哲学や脳科学であり、現実問題に応用するマインドフルネスにはなりません。 実践されて現実の社会問題の具体的な解決になる議論でなければなりません。具体的実践と現実の問題解決に導くものがマインドフルネスです。 現実の問題、苦悩は切迫しています。いい支援方法があれば助かる人々がおられるはずです。現実の問題を解決することを一刻も早く切望している人に思いをはせるならば、 実践されない理論、解決への具体的な方法が導かれない議論をしている余裕がありません。

 意志的SIMTの本は昨年出版されました。 ラフなものでも最初のマインドフルネスの叡智的SIMT、人格的SIMTの提案書を作り、試行していただき改良していきます。まもなく、叡智的自己のSIMTの本が出版されます。 いつか、究極のマインドフルネス、人格的自己のマインドフルネスをまとめてみたいと思っています。
    (SIMTは自己洞察瞑想療法(SIMT)です。日本で開発されたマインドフルネス精神療法です。西田哲学や脳神経生理学が理論的な背景になっています。)
 私たちは、どの宗教にもよらないマインドフルネスを研究していきます。ただし、 宗教(初期仏教、大乗仏教、日本の仏教など)ではどう説明しているかをカウンセラー講座で学習します。鈴木大拙のいう日本的霊性も学習します。類似点と相違点、失われたもの(と仏教研究者が指摘されているもの)を学習します。

 マインドフルネスの精神療法は、さまざまな社会問題の解決改善支援のツールになる可能性があります。まだ、研究が始まったばかりです。一つ提案されたら試験適用して効果を検証しさらにすぐれたものに改良すべきです。宗教ではないので固定しません。できるだけ多くの人が学習してご自分の地域、職域に活用できないかの研究、方法の改良研究をしていただくことを希望します。

宗教団体もマインドフルネスに参加を

 それでは宗教を理論的背景にしたマインドフルネスは無用でしょうか。そうではありません。それも必要です。その檀家信者さんも家族の悩み、精神疾患などの苦悩を持っておられるでしょうから。アメリカや私どものマインドフルネスを参考にしていただいて、宗祖の教えを基礎にしたマインドフルネスの研究開発をしていただくことは檀家信者のために大切なことと思います。それはその組織の課題です。もし、全国の寺院でマインドフルネスが行われると画期的です。20年前から期待していました。これからそうなるものと思います。アメリカの人たちが東洋の仏教に学んだといい、その方法が日本に大きく紹介されていますから、宗教関係者も検討なさると思います。
Posted by MF総研/大田 at 21:08 | 私たちの心理療法 | この記事のURL