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人生の価値を発見していきる(11) [2014年02月20日(Thu)]
★本で自習なさってお られるかたへ
★3月22日、宮城県石巻 で講演会
 大災害の後に、長年月、うつ病、PTSDが。マインドフルネス心理療法で改善したい方、 予防の援 助をしたい方。 がん患者さん、がん患者さんを支援なさる団体などもご参加ください。 地域、職場、団体で「心の健康体操」のインストラクターになろうかという方。 今後、半年継続するか検討。

★2月22日、池袋での実習
★2月23日、蓮田での実習

人生の価値を発見していきる(11)

 =自分の使命をみつける叡智的自己、しかしエゴイズムが

 観察する自己、文脈としての自己は、西田哲学によれば意 志的自己と同程度のようです。意志的自己がよく意志的行動をできるようになり、仕事のよ うな価値を発見できると叡智的自己となる。朝 目覚めた時、何をしようか、また眠るか、呼吸法をするか、などと迷うことはない。 仕事という価値実現をめざして即座に行動する。よどみなく行動していく。決まった価値への行動が習慣化されると、西田 哲学でいう叡智的自己に近づく。

 しかし、すべての局面で価値実現の行動ができるわけで はない。多くの人が、何ごとかがあった時に、うつ病になったり、自殺したりすることが起きて いる。犯罪を犯す(最近では、臨床試験における不正、書道における不正が報道された)。 仕事ではうまくいっていても、家族を不幸にしているかもしれない。60歳まで立派に仕事をつとめあげた高齢者の自殺が多い。がんになった時にも、叡智的自己であるかどうかの試練となる。さまざまな局面で、生涯、真の意味の叡智的自己である人は少ない。まして、人格的自己は。

 自己の悪を責める良心の苦悩、自己存在の消滅、すなわち死の苦悩は、死生観がかかわるので、人格的自己のマインドフルネスを必要とする人がいるであろう。

 フランクルにおいては、価値実現の自己は、精神を持つ者である。身体、心理がつらくても、それに抵抗する精神(西田哲学では意志作用と直観である)によって、意味を発見して価値を実現していく。精神は、意味器官であるという。 そして、それを導くのは「良心」である。
     「意味を探し求める際に、人間を導くのが良心です。一言でいえば、良心は意味器官な のです。良心とは、意味ゲシュタルトを人生の様々な具体的状況において知覚する能力 であると定義できるでしょう。
     しかし良心は、人間を誤らせないとも限りません。そればかりか、最後の瞬間まで、すなわ ち最後の息をひきとるまで、人間には、自分の人生の意味を本当に充たしたのかどうか、 むしろ錯覚を抱いていただけではなかったのか、ということも分かりません。」(『意味への意 志』p27)

      「自分が真理を所有しているのが自分であるかどうか、誰か別の人ではないのかどうか 、ということは誰にも分かり得ないことなのです。」(『意味への意志』p28)
 多くの専門家が、自分の使命をみつけて、良心を働かせて社会に貢献しているつもりで あるが、実は、悪も犯すのである。歴史上、真に意味あることをしているのかどうかわからない。 善か悪か自分ではわからない。死ぬまでもわからない。良心的に行動したつもりだったの に、後の歴史によって悪とされたことは多い。以前の医療行為が誤りであったとされたこと がある。医療、介護、福祉の領域でも、自分個人の、組織の利益をはかる、犯罪すれすれの、エゴイズムの行動が行なわれている。良心が曇って、日本人の誠実さがあちこちで失われている。


★生きがい、生きる意味、価値の種類、創造価値、体験価値、態度価値、さらに存在価値
Posted by MF総研/大田 at 22:04 | 今ここに生きる | この記事のURL