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人生の価値を発見していきる(6) [2014年02月05日(Wed)]
★本で自習なさっておられるかたへ
★3月22日、宮城県石巻で講演会
 大災害の後に、長年月、うつ病、PTSDが。マインドフルネス心理療法で改善、予防の援助をしたい方。今後、半年継続するか検討。
★2月22日、池袋での実習(受付7日まで)
★2月23日、蓮田での実習

人生の価値を発見していきる(6)

 うつ病や不安障害になると、身体状況や心理的症状や状況がつらいので、衝動的行動を とりますが、 それが、かえって症状を持続させたり、悪化させます。しかし、状況がつらくても、その中に意味を発見して、状況に影響され た衝動的行動をとらずに、価値実現の行動をとります。この心の用い方を意志作用といい ます。これができるといいのですが、簡単にはできません。繰り返し、トレーニングするのが 、マインドフルネス心理療法の「自己洞察瞑想療法(SIMT)」です。 (大田健次郎『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社、p42)

 次は、フランクルのロゴセラピーです。

 「存在は四つの層に「分裂する」ように思われます。すなわち、物理的な層、有機的な層 、心的な層および精神的な層であります。」(フランクル、山田邦男監訳 『制約されざる人間 』 春秋社、p30)

 「人間の場合には随意的な心理-精神的拮抗関係が見出せるのです。」 (p230)

 「物理的な層、有機的な層、心的な層」までは、感覚、思考、感情まででしょう。「精神」は意志作用でしょう。人生の価値実現のために、自由意志を行使して行動していくでしょう。心理的なものに抵抗できるのが意志です。衝動的行動を取るか意志的行動を取るか常に決断します。随意的です。

 「心身的なものに対する精神的なものの距離が心理-精神的拮抗関係の基礎に なっているわけですが、この距離が、精神療法にとって大きな効用があるように思われるか らです。少なくとも、この距離を効果的に、有効に用いることができるのです。まさにロゴセ ラピーは、精神的実存と心身的事実性の間の随意的拮抗関係を活用することをつねに意 図しています。精神的人格、言いかえれば心身的なものに立ち向かい、それに抵抗する 精神の力、この「精神の抵抗力」こそ、ロゴセラピーが依拠するものなのです。ロゴセラピー は、この精神の抵抗力に訴えかけ、呼びかけるのでああります。」(p231)

 身体的、心理的なものに、精神は抵抗するというフランクル。身体、心理的なつらいことがあろうとも、人間は自由意志により、価値実現の行動ができるという西田哲学。

 似ています。ロゴセラピーは、身体、心理、精神に区分しています。SIMTは、西田哲学を 参照しています。身体的、心理的なことは、感覚や思考などの知的自己の知識であり、 その奥に意志作用を用いて目的、価値を実現する意志的自己があり、さらに奥に叡智的 自己を想定しています。すなわち、知的自己はフランクルの心身、意志的自己はフランク ルの精神に相当する位置にあります。 SIMTでも、おきる現実は不快であろうとも、意味を発見して、衝動的行動をとらずに価値実現の行動をとる ように、決断します。
 SIMTとロゴセラピーはよく似ています。フランクルの「精神」にあたるものを、SIMTでは意志的自己の 意志作用と叡智的自己の行為的直観に区分します。行為的直観は、かなり高度な精神の用い方です。セ ラピー(医療、心理療法)を超えて、病気でない人が生涯用いていくことがすすめられる生き方です。自他不二的な生き方です。心の病気であった人も、病気が治った後、生涯取り組める自己成長の道のようです。



★生きがい、生きる意味、価値の種類、創造価値、体験価値、態度価値、さらに存在価値
Posted by MF総研/大田 at 22:44 | 今ここに生きる | この記事のURL