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人間は世界を世界を作る課題を担う存在 [2013年04月25日(Thu)]
本の最終原稿が印刷作業開始となったようです。6月5日頃、書店に並ぶそうです。

人間は世界を作る存在

 =マインドフルネス自己洞察瞑想療法の構造(1)

 フランクルは、人間は責任存在である、常に3つの価値(創造価値、体験価値 、態度価値)のどれかを遂行する責任を持つといっています。

 西田幾多郎が人はみな「創造的世界の創造的要素」であるというのは、同じ趣 旨かもしれません。

自分は創造的世界の創造的要素

 西田幾多郎によれば、自己存在は、世界の中に生きて、世界から作られ世界を 創造する存在である。無限に自分の当為、価値を実現していくものである。 世界(家庭、組織、国)を作っていく使命を持つ。その時、自己自身の悪を自覚 しないと、よりよき世界を創造できない。世界創造は、道徳的である。そして、 悪(世界創造を妨害する心)を知る良心は、最も深い叡智的世界の底にまで達している。エゴイズムや独断 的な解釈は、科学、学問にまで及ぶ。叡智的自己、良心は、自己自身や他者、組織の独断、エゴイズム を批判できる。エゴイズムとして、フランクルは、全体主義、画一主義、還元主 義を言ったが、学問や宗教の装いを持っている。エゴイズムは、このほかにもある。
     「我々は創造的世界の創造的要素として行為的直観的に世界を形成し行く。そ こに無限なる当為の方向があるのである。それが道徳的立場である。」(『歴史 的世界に於ての個物の立場』岩波書店、西田幾多郎旧全集9巻144-145頁)

     「我々は創造的世界の創造的要素としてどこまでも努力的でなければならない 。真の宗教は静観的でもなければ、神秘的でもない。」(『歴史的世界に於ての 個物の立場』旧全集9巻145-146頁)
 社会に出ていけなくなると、他人が責めなくても、自己嫌悪、自己批判の思考 を渦巻かせて、抑うつ症状をふかめて、自己の抹殺にまでいたるのは、 人間の本質、「創造的世界の創造的要素」であることを自ら認識しているからである 。マインドフルネス心理療法やロゴセラピーは、これを防止できると思う。
 マインドフルネス心理療法は、自分の独断的な評価判断、エゴイズムに気付き 、自分や周囲を苦しめることのない行動様式を習得して、世界の創造に参画でき る心のスキルを磨くことであると言える。 世界の創造とは、就職ばかりではない。 多くの生きる価値がある。生きる意味を発見して、意味、価値の実現に伴う困難を 受容して、行動していく心のスキル。これを自己洞察瞑想療法(SIMT)では、「価値実現の自己洞察スキル」という(注)。 これほど、重要なスキルはない。社会の創造に参画して自殺などしない心である。高校生、大学生のころ、習得していただきたい。そして、定年後にまた危機がくる。60歳以降、喪失感がおおくて、自殺が多い。この頃も、学習してほしい。

存在価値も

 3つの価値は、能動的であるが、これができない人にもなお存在価値がある。態度価値を遂行できない人でも家族から何もしなくていい、いるだけで価値があると愛される存在価値がある。さらに、家族から見放されているとか、家族がいないための、存在価値がないと思う人には、さらになお存在価値がある。死なないということは、何か人間を越えたもの(絶対者?)に、生きること、存在することを許され、愛され、生かしつづけるものがあることは確かである。何かが起きるかもしれない。生きることができるかもしれない。想像も予測もできないことが生命にはある。 人間が浅い立場で、存在価値をうばうべきではない。自殺未遂の人が救急救命センターに運ばれた時、医師が全力で助けて、精神科医がケアすれば、二度と自殺しないまでに立ち直る人がいると聞く。救命センターの医師が、「自殺したいひとは助ける必要はない」と死刑宣告をしなかったからよかったのだ。こうした配慮も拡大してほしい。コストがかかるが、これくらいの予算は、他の無駄な費用をみなおせば、捻出できる範囲だろう。

(注)発売される本は、意志的自己の「価値実現の自己洞察スキル」である。 西田哲学の論理によれば、叡智的自己レベル、人格的自己(宗教的)レベルの「価値実現の自己洞察スキル」も考えられる。そのレベルのマインドフルネス、アクセプタンスが必要であると認識している。自分の専門領域で、壁や限界を感じている問題、死の問題(がん患者、自殺)に直面する人は極めて多いからである。
マインドフルネスの自己洞察瞑想療法(SIMT)の構造
 SIMT:Self Insight Meditation Therapy
Posted by MF総研/大田 at 18:42 | マインドフルネス心理療法 | この記事のURL