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うつ病、不安障害の神経生理学的フュージョン [2012年09月18日(Tue)]

うつ病、不安障害の神経生理学的フュージョン

 うつ病や不安障害(対人恐怖症、パニック障害、PTSDなど)などになると、症状や 感情に影響されて回避行動や非機能的行動が起きる。 ここには、言語プロセスが大きな影響を与えていて、欧米の心理療法者からは関係フ レーム理論、認知的フュージョン(連合)が提案された。
 自己洞察瞑想療法(SIMT)では、非叡智的フュージョン(NIWiF, non-intuitive wisdom fusion)を提案している。意志作用的反応パターンができないことである。
 ところが、臨床を重ねていくと、言語の関与よりも、神経生理学的な変調が引き起 こす抑うつ気分やパニック発作や鉛様麻痺感などの激しい発作がクライアントの非機 能的行動に強く影響していることも観察される。神経生理学的な変調が心理(心理的 柔軟性、思考、精神症状)や行動に影響して、心理や行動が神経生理学的変化をもた らす。つまり、双方向の連鎖、連合がある。これを「神経生理学的フュージョン」 (NPF, neurophysiological fusion)と呼ぶことにする。
 精神疾患には、前頭前野、帯状回、海馬、扁桃体などの機能亢進や機能低下が関係 している。心理療法、精神療法もこれを無視してはならない。
 非叡智的フュージョンと神経生理学的フュージョン(NPF)が相互に影響している。 西田哲学によれば、自己の行為(思考、発語、身体行動)が環境(外的世界)を作り、外的世界が自己を作る。 これを拡張したのがNPFである。自己の行為が内的世界(脳内世界)を作り、内的世界が自己(行為)を作る。
 神経生理学的認フュージョンが強く影響しているクライアントの場合には、この神 経生理学的変調を軽減する治療法(薬物療法ばかりではなく心理療法的手法も)があ れば、それを用いることによって、心理的柔軟性の欠如の改善に効果がある。
 たとえば、自殺念慮は認知の偏りがあり他の対策があると助言しても、種々の症状 が神経生理学的な変調によって起きておりそれが改善しない限り、生きる喜びが感じ られず社会復帰が難しくそれにより自殺念慮が起きる。精神疾患は神経生理学的フュ ージョン(連合)を考慮して治療効果を高める方針も重要である。

Posted by MF総研/大田 at 09:04 | 新しい心理療法 | この記事のURL