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団塊世代のうつ病、自殺対策 [2012年09月13日(Thu)]

団塊世代のうつ病、自殺対策
 =自殺に共通する一貫性は人生全般にわたる対処のパターン

 「団塊世代のうつ病、自殺対策」として、NHK Eテレビが伝えています。 せっかく、60歳まで生きてきたのに、60歳以降にも、自殺が多いのです。順調かのように見えたのに、実は「燃える家」に住んでいる、法華経のたとえです。 自分の奥底に闇が広がっている、それを避ける道もある・・。
 功成った人、社会で活躍した人が60歳、70歳、80歳でうつ病になって、自殺 が起きています。自殺はたいていうつ病からです。
 人生上の試練に出会って、うつ病になって、社会生活が障害されたり、自殺したり することがあるのですが、 急に、自殺するすべての要因が生じるのではなくて、長い人生の中で、とってきた対 処のパターンが関係するようです。
 若い人が就職できなくてもすべての人が自殺するわけではありません。
 高齢者が大切なものを失っても、すべてが自殺するわけではありません。
 心の反応パターンが関係します。それを変えることができます。
「自殺に共通する一貫性は、
 人生全般にわたる対処のパターンである。」

シュナイドマン


これを見ると、自殺は定められた運命のごとく、一貫して、自殺に向かっていくよう に、思われてしまいそうです。だから、 次を加えたいと思います。

「それにもかかわらず、強く願う人は、
自殺に至らんとする対処のパターンを変えることができる。」

(大田)


アメリカの自殺予防学の第一人者、エドウィン・S・シュナイドマンは、自殺に共通す る一貫性について、10番目に、次の点をあげています。

「10.自殺に共通する一貫性は、人生全般にわたる対処のパターンである。」

 「自殺は人生に前例がない出来事のように見える。しかし、人生全般にわたる対処 のパターンには深層心理に一貫性を認める。」

<予防のために>
シュナイドマンは、自殺予防のために、精神療法家のなす べきこととして、次のように言います。

 「精神療法家は、患者が極度の焦燥感、苦悩、苦痛、威嚇といった出来事を以前に も経験したことがなかったかを検討し、心理的痛みに耐える能力や、人生で問題から 逃避するパターンはどのようなものであったかを見きわめる必要がある。」
 (「シュナイドマンの自殺学」(金剛出版)42頁)

心理的痛みに耐える能力や逃避するパターン

 自殺しようとする人の「心理的痛みに耐える能力や、人生で問題から逃避するパタ ーンはどのようなものであったか」を調べると、「人生全般にわたる対処のパターン には深層心理に一貫性」がある、という。
 人生全般にわたる対処のパターンに、一貫性がある。
 対処パターンは、人生全般にわたるという。変える努力をしないままであれば、そ のまま悲劇に至ることになる。
 変える努力をしないと、人生全般にわたって、繰り返される対処のパターンがあっ て、危機を迎えるのでしょう。高齢期には、配偶者喪失うつ病、がんに伴ううつ病、 リハビリ現場のうつ病、介護疲れうつ病、・・・。こういう中にも、若い頃からの対 処のパターンがあるのでしょうか。

対処のパターンを変えられる

 対処のパターンを変えられるのであれば、若いうちに対処のパターンを治したほう がいい。人生全般についてまわるから、若いうちに変えたほうがいい。
 マインドフルネス心理療法も一つの提案です。自己洞察瞑想療法(SIMT)ではこうで す。
    「価値崩壊への反応パターン」から「価値実現への反応パターン」へ
 強くその気になって、実行すれば、変えられるのです。自殺念慮のあったうつ病の 方が、マインドフルネス心理療法のスキルをトレーニングして治って、自殺しなくな るのだから、シュナイドマンのいう「自殺に至る対処のパターン」が変わると言えま す。
 そうだとすれば、もっと早いうちに、身につけるほうがいいでしょう。
 自殺は、急な出来事のように見えるが、人生のかなり初期のうちから兆候、反応パ ターンがあるようです。将来、もっと大きなストレスを受けたら、深刻なうつ病にな るかもしれない、と思わせるような反応が、人生の早い段階にあるようです。苦悩に 耐える能力、おそらく、思考、感情の抑制能力、不安、傷つくのを恐れて逃避、解決 にならないまぎらし行為への依存、親への依存、こういう繰り返されるパターンが、 若い頃からあるかもしれない。若いうちに、うつ病にかかる人もいる。自殺のリスク が高い障害に、早期にかかる人は、人生の後期においても、危機を迎えるリスクは高 いというのでしょう。
 高齢になると、失うもの(健康、名誉・地位、配偶者、命)が多いので、うつ病に なりやすく、自殺も多いのです。

対処法の習得

 こういう傾向があるのであれば、焦燥感、苦悩、苦痛、威嚇不安、不満、怒り、傷 つくおそれといった出来事を処理する方法、心理的痛みに耐える能力や、人生で問題 から逃避しないパターンなどを、若いうちから、向上させた方がいいのでしょう。学 業や身体運動には、力を入れているが、心のスキルの鍛錬も、若いうちに、習得して おいたほうがいいのでしょう。自殺は、社会問題で予防できる側面もあるが、ここに 指摘されているように、個人の「焦燥感、苦悩、苦痛、威嚇といった出来事」を処理 する能力、心理的痛みに耐える能力や、人生の問題から逃避するパターン も影響します。親は、子どもの、こうした生きぬく心の能力の向上に、もっと真剣に なってもいいのではないでしょうか。有名校に行っても、大企業に勤めても、金持ち になっても、名声を得ても、思いどおりの職業についても、幸福な結婚をしても、う つ病や自殺のリスクがあれば、苦しみます。
 大きな苦悩やうつ病、自殺の予防のために、心の健康を重視したマインドフルネス 心理療法を背景にした心の健康体操は重要な意味を持ちます。
 ほかにも、いろいろあるでしょうが、ここでは、2つを重点的に実践していくこと を提案したいのです。呼吸法や軽い運動を中心にして、不快な事象でも回避せず受け 入れて、自分の願いを実現することに、全力をあげてとりくむ心のスキルの向上です 。
Posted by MF総研/大田 at 08:12 | 自殺防止対策 | この記事のURL