<目次>デフォルト・モード・ネットワークとマインドフルネス心理療法(SIMT)
(DMN) [2012年08月08日(Wed)]
<目次>デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)とマインドフルネス心理療法(SIMT)難治性のうつ病、非定型うつ病、不安障害、過食症などが マインドフルネス心理療法(SIMT)で改善するのですが、 それを補強する神経生理学的な研究がもう一つすすんでいます。 デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)です。こちらに、DMNと 瞑想の関係の研究報告があります。
この記事で指摘されていることが、もう少し 研究がすすむと、 難治性のうつ病、不安障害などの症状が消失する わけが明確になりそうです。がん患者のメンタルな受け止めによる悪化防止、注意欠陥多動性障害、統合失調症にも 適用してみる価値がありそうです。 DMNとマインドフルネス脳科学は、マインドフルネス心理療法の妥当性を検証する方向ですすんでいるようです。 瞑想、呼吸法の力は大きいのです。マインドフルネス心理療法の一つ、自己洞察瞑想法/療法(SIMT:Self Insight Meditation Technology/Therapy)は、 常に脳科学を参照していきます。西田哲学と神経生理学を参照しつつ瞑想して、独断的なみかたや我欲(他者を害してまでも自己の利益欲望を実行)を抑制し世界の立場で自己や環境を洞察して、自己成長、自己実現(=世界の創造)をはかる手法です。その人の哲学による反応パターンもDMNに記憶され自動化?瞑想によって脳に変化が起きるのです。その時に、哲学も重要になります。 その人の意識的行動(回避、暴力に訴えるなど)、意識的哲学(自己や世界をどうみているか)が、自動化されるようです。それにDMNが関わっているようです。 たとえば、非定型うつ病の拒絶過敏性による反応がSIMTの訓練を1年も続けると、拒絶過敏性でない反応になるのですが、どこかに「記憶」されたようです。DMNの重要な一部が 後部帯状回だと言っています。ここは、記憶に関わっています。瞑想の中で繰り返し訓練した新しい反応パターンが記憶されて、対人関係の場面で自動的に「記憶」の底から参照してくるのではないでしょうか。瞑想も初心者とベテランでは違いがあると言っています。 さらに、その時、そのベテラン瞑想者が、どのような哲学(思想)をもっているかが重要でしょう。西田哲学では、自己の哲学は、意識的自己(環境と自己は対立)、叡智的自己(環境は自己の表現=自他不二的自己の立場)、人格的自己(自己は無=真の無我=世界の立場)などです。 その哲学が行動に自動的に現れる(DMNから自動的に参照される)のだと思います。 瞑想は、DMNの活性化に貢献するが、哲学のない瞑想はあるレベルで限界がありそうです。 上記の研究は哲学の深さまでは区別されていません。思索(思考作用)で学習したことを記憶した場所ではなく、行動と一致した思索(哲学)を帯びた行為がDMNに刻まれるのではないでしょうか。従来改善できなかった領域へのM&Aの応用回避、依存、拒絶過敏性、暴力的反応などもDMNに記憶されているのではないでしょうか。 認知(思考)よりも深い行動レベルの記憶(自動化される反応)ではないでしょうか。 第2世代の認知行動療法から、第3世代の認知行動療法=マインドフルネスは、必然の流れではないでしょうか。脳科学が、マインドフルネス心理療法の妥当性を補強しているような気がします。 |