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うつ病の治療ガイドライン(8) [2012年08月06日(Mon)]

うつ病の治療ガイドライン(8)

 7月26日、日本うつ病学会が、うつ病治療のガイドラインを公表 しました。

ガイドラインで触れなかったもの

 今回のガイドラインで扱わなかったものに「新型うつ病」(p3)、「 適応障害」(p3)、「気分変調症」(p3)などがあります。
 これらは薬物療法が効くのかどうか明確でないようです。 ただ、心理的なプロセスから起こる不安、抑うつ、不満などによって 症状がでたり、行動ができなくなる部分がありますから、そのような 側面については、認知行動療法がある程度、効果を発揮する患者さん がいると思います。 また、マインドフルネス心理療法の瞑想(自己洞察法を織り込んだ呼 吸法)を長期間行うと、脳内に神経生理学的な変化が起きて、改善す る可能性はあります。

精神療法を受けられるように

 以上のように、ガイドラインは、最近のうつ病に関する研究報告な どがすべて盛り込まれていました。 現在の治療法では寛解率が高くはなく、それが自殺に至る要因になっ ています。認知行動療法(マインドフルネス心理療法も。第3世代の 認知行動療法ですから)を低料金で 受けられる制度を作ってほしいと思います。県か市町村ができます。
  • その予算で、うつ病(非定型うつ病に併存が多い不安障害も)を扱う 専門の心理士を育成すること、センターを作ること。
  • 県民、市民が精神療法を受ける場合、費用を補助すること。無制限に すると財政が破綻するので、 回数を12回くらいを限度とすること。重複しないように、 センターで補助した記録を管理すること。
 こうしたことは、年間5千万円(心理士の報酬と場所代が大きいでしょう) くらいの予算で、相当多数の市民が精神療法を受けられると思います 。その自治体次第です。 うつ病、不安障害が治りさえすれば、復帰できる、自殺しないですむ という人が何十人か治る可能性があります。 そうなれば、薬物療法の費用がなくなり、働くようになり税金を納め ることとなって、市民にも自治体にとっても幸福なはずです。
 私どもも、ささやかですがマインドフルネス、アクセプタンス(M&A)を応用できる人を育成したいです。まもなく大阪に行き ます。講演を聴いていただいて納得していただければ、来年、連続講座 の開催につながるかもしれません。また、ある地方都市での高齢者のうつ病予防のプ ログラムも開始します。ここにも、M&Aのスキルを持つ支援者がふえるでしょう。 また、岩手県のご出身のかたが真剣に動いてくださっていますので、 もし、この心理療法を受け入れてくだされば、来年連続して赴き、M&Aをそれぞれの場で活用 できる人を育成したいと考えています。
 どの領域でも、心のゆきとどいた支援ができるのは、その分野の専門家で、その場所にいる人たちに信頼されている人です。私どものように、M&Aを知っているだけでは、いい支援はできません。標準的なM&Aをアレンジして、その領域にふさわしいものに変えて使っていただけると、貢献できる範囲が広がります。
 本の出版後に、ここ埼玉で育成講座を開始しようと計画していて、 遅くなりましたが、本とは関係なく、10月から開始します。
 薬物療法と認知行動療法(マインドフルネス心理療法を含む)を うまく併用して、うつ病や不安障害を治して、自殺が減少することを 期待します。
 今週末、大阪での講演です。マインドフルネスの理論を わかりやすく説明したいと考えています。 年度を重ねるごとに 、スキルをテキストとして文字に記述します ので、テキストが増えて、学習に便利になっています。 本には収録できない、理論面の中核になる「マインドフルネスのため の西田哲学」を 文字化したテキストを今回、配布します。 ただ、西田哲学的な自己の探求は、通常の人が心を向けない内面への 探求によって、苦悩を克服するのですから、やはり、支援者の瞑想実 践(静かな場所と、対人場面の両方で、深い心を見る)が必要です。対人場面での瞑想 は「行動時自己洞察」です。 対人関係のただ中で、感情が渦巻くその瞬間に、自分の心を洞察して 、瞬時に、適切な行動を選択する意志作用の活性化のスキル獲得の訓 練をします。対人場面での不安、怒り、拒絶過敏性の反応を乗り越え ていきます。
タグ:うつ病
Posted by MF総研/大田 at 07:21 | うつ病 | この記事のURL