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さまざまな意識作用のレベルが違うマインドフルネス [2012年06月17日(Sun)]

さまざまな意識作用のレベルが違うマインドフルネス

 =自己洞察瞑想療法(SIMT)はこの哲学を利用した心理療法

 西田哲学によれば、我々の意識作用は同列レベルではなくて、 浅いものと深いものがある。判断作用、知覚(感覚)作用、思考作用 、意志作用、行為的直観、自覚的直観と深まっていく。これを応用し たのが、自己洞察瞑想療法(SIMT)である。  認知療法は、思考作用レベルと言える。意志作用は、思考よりも深 い。見たり、聞いたり、感じたり(痛み、感情など)、考えたりして不快であっ ても、それに振りまわされずに、自分の幸福(価値)を崩壊させない 行動を選択して実行できる。それが、意志作用である。 意志作用はもう少し複雑であるが、意志作用にある特徴的な要素(マ インドフルネス、アクセプタンスなどの意味がある)を分析して、そ れを活発に使う訓練をして、意志作用全体を活発にするのが自己洞察瞑想療法である。
 もう少し深い直観という作用があるので、その特徴である心 の使い方も織り込んだ訓練も加えて、一連の手法を体系化した。 これは、必ずしも、うつ病、不安障害などばかりではなく、通常の心の使い方訓練といえる。 うつ病や不安障害、過食症、家族の不和などの人に実践してもらったところ、 効果がみられた。「心理療法」いわないでもいいものである。
 思考レベルの置き換え訓練である「認知療法」が第2世代の認知行動療法 と言われる。欧米のさまざまなマインドフルネスは、第3世代の認 知行動療法と言われる。自己洞察瞑想療法は、思考作用よりも深い意 志作用は十分な訓練をするが、さらに深い直観も一部、折りこんでい る。マインドフルネスは、そちらに進むと思う。つまり、第3世代の認知行動 療法であるという、マインドフルネスでも、問題によっては不十分なことがある。
 同じような「せき」の症状があっても、風邪、気管支炎、肺炎、間 質性肺炎などのように、レベルの違う問題がある。 精神的、心理的な問題でも、意志作用レベルでは、解決できない問題 は、意志作用レベルのマインドフルネス心理療法では支援できないようである。 深い苦悩をアクセプタンスして、深い意義を持つマインドフルネスに よって生きていくことが必要となる人々がいるようである。
Posted by MF総研/大田 at 21:40 | マインドフルネス心理療法 | この記事のURL