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衝動的反応を抑制して意志的反応 [2012年05月09日(Wed)]

自己洞察瞑想療法(SIMT)の入門(5)
 =マインドフルネス心理療法の一種
 =日本で開発された
 =西田哲学に基づく

衝動的反応を抑制して意志的反応

 外的刺激(見た、聞いた)や内的刺激(感情や症状など感じた)にそそのかされて衝動的に 反応するのは、意志的な自己ではありません(西田幾多郎旧全集5巻369頁)。
 メランコリー型うつ病は、内的刺激(ながびく症状)にそそのかされて、否定的思考がくりかえされます。非定型うつ病は内外の刺激にそそのかされて衝動的思考、衝動的発言、衝動的行動が繰り返されます。不安障害は、内的刺激(感情や身体反応、思考で作り上げた状況)にそのかされて衝動的に行動を回避して、社会的活動ができません。 結果、自己嫌悪で苦しみます。
 内外からの刺激を受けたら、すぐに衝動的反応をしないで、あるがまま観察して何(感覚、感情、身体反応、思考など)であるか名前づけして受け入れています(これは、情報の受動局面であり、狭義のマインドフルネスです)、自分の深い内からの自由意志によっ て、自分の人生価値実現の方向にある建設的な行動(自分も周囲の人も不満足にしない目標を持って)を選択して実際に行動して(広義のマインドフルネス)いきます。これがマインドフルネスです。マインドフルネスは、建設的な自己覚醒、自己肯定です。衝動的な自己喪失ではないということです。 そうすると、結果的に、満足できる自分(快を得る、肯定的、自愛)になります。人間とは創造的世界の創造的要素ですから、家族や社会のために行動できないと充実感を持つことができないのです。家族や社会に向かっての何かの働きかけをしないと満足できないのです。

 刺激に対して、あとで不満な結果になるのに、せつな的に衝動的に行動(思考、発言、身 体行為)するのが、「価値崩壊の反応」です。自分を見失っているので、マインドフルネスではなく、マインドレスネスです。衝動的自己喪失です。不満な結果が持続して、神経生 理学的な反応が繰り返されて、症状が改善しません。
 一方、内外の刺激がある時に、そのまま観察して特徴を知り名前づけして必然のものと受け入れて(狭義のマインドフルネス)、 自分がこうありたいという人生の価値を実現する方向にある行動 を選択して実行します(広義のマインドフルネス=自分の好きな人生価値、価値評価をします)。これが、価値実現の反応です。意志作用による反応です。
 呼吸法をしながら、こうした価値実現の反応パターンの心を訓練していくのがマインドフルネス心理療法(SIMT)です。うつ病、非定型うつ病、PTSD,パニック障害などが改善します。薬物療法が効果がなかった人でも、真剣に呼吸法をすれば改善します。

 不快事象の受容と意志的行動は、必然と自由とも言われます。不快な現実は意識された途端に過去となり必然ですから受け入れますが、自分には自由意志があり、環境を新しく造っていく存在です、つらい必然のなかでも意志自由を持つ存在として、家族のため社会のためにできることを行動します。
 自己洞察瞑想療法(SIMT)は、意志作用にあたる反応パターンをさまざまな側 面に細分化して、繰り返し練習をします。呼吸法の中であれば、す ぐ衝動的な反応をせずにすむので、呼吸法を行いながら、意志作用の要素の訓 練をします。10段階まで訓練すると、全体的に意志作用を活発に使う自分になります。
 このような反応を繰り返し訓練すれば、背外側前頭前野をくり返し活性化さ せることになり、感情を起こす扁桃体、種々の自律神経失調的な症状をもたら す交感神経を沈静化し、ストレスホルモンの過剰分泌が停止して、症状が改善 するのでしょう。非定型うつ病も衝動的、感情的な反応をせず、ゆっくりと冷静に意志的行動をすれば、発作的な人間関係悪化、鉛様麻痺感が少なくなっていきます。
 心の病気でなかった人は通常はこうした価値実現の反応パターンをとっています。しかし、 何かがあると、うつ病になるひとが多いです。日頃から、意志的自己のマインドフルネスともっと高度の叡智的自己のマインドフルネスを実践しておくのがいいのです。
Posted by MF総研/大田 at 21:19 | マインドフルネス心理療法 | この記事のURL