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種々のマインドフルネス&アクセプタンス [2012年04月03日(Tue)]
◆非定型うつ病はこんな病気
◆非定型うつ病はマイン ドフルネス心理療法(SIMT)ではこうして治す
◆非定型うつ病はマイン ドフルネス心理療法(SIMT)で治るわけ

<連続記事>
種々のマインドフルネス&アクセプタンス

 (5)当為価値、存在価値(3)

 マインドフルネス&アクセプタンス(M&A)として、日米、多くのものがあります。 自己とはなにものという哲学を持つかによって、アクセプタンス、マインドフルネスするものが 違ってきます。
 「自分とはこういのものだ」と思っている(この思う立場にも、ちがいがあると西田哲学では いいます。浅い主観的、独断的、自己中心的な自我の立場からの思考から、絶対無の立場からの 客観的思考まで)そのレベルによって、対象としてみるもの、考えるものが違ってきます。日本 の芸術家(俳句、詩歌、小説、童話、絵画など)は、深いものを見る人が多いのはこのせいです。
 人の見る深さが違うので、M&Aの手法も適用する問題に応じて使い分けられます。 その例として、世界的に知られるようになったマインドフルネス・ストレス緩和プログラム (MBSR)の「ボディスキャン」という手法をとりあげてみます。
 痛みの緩和を主たる目的にしたM&Aの一手法です。これを毎日40分行うことを提案しています 。これは、痛みの緩和に効果的であったのです。 さて、自己のレベルでいうと、痛みは感覚です。知的自己の対象になるものです。この対象に注 意が向かいすぎて、かえって痛みを強く感じる。そこで、横になって、身体部位の感覚を観察し て、注意を移動していく。これで、痛みに向かう意識が少なくなっていく。
 この手法は、いたみ、しびれなどの感覚や身体症状のみが主たる苦痛である問題には大変効果 的です。しかし、40分、横臥して行います。これが、働き盛りの人には、用いることが難しい 。
 うつ病、不安障害の治療、予防のSIMTでは、ボディスキャンは用いません。 そんなに横になった姿勢を長時間とる訓練は、一般のうつ病、不安障害には、無用になります。 精神疾患は、感覚レベル、知的自己レベルの苦悩ではないからです。 意志的自己のレベルの訓練で、感覚よりも深い位置にある思考作用、さらに深い意志作用の訓練 をしなければなおるのが遅れます。
 うつ病の中でも、がんや難治性の身体疾患の患者の場合、感覚の症状よりも、死の不安恐怖が 問題でしょう。感覚的症状は、現代医学で緩和できますから。死の問題は、意志的自己レベルの 苦悩ではありません。自己存在の問題です。自己存在が消滅していく苦痛です。痛みレベルでは ありません。そうなると、知的レベルのM&Aをいくら指導しても、クライエントさんの苦痛は根本 的には解決しません。ただ、まぎらす意味になってしまいます。
 ボディスキャンは、横臥していることの多い、病気の人、介護状態の人には、効果ある技法な ので、SIMTでも特殊領域の苦悩に用いるでしょう。うつ病を予防できます。(今回の本はこれを 紹介していません)
 なお、技法が浅い意識レベルのものを対象とするからと言って、開発者の哲学が浅いということを意味するのではありません。 深い哲学があっても、指導課題は適応症、問題にふさわしいものを用いるのです。正座瞑想に深いものが見られるようです。技法は違うレベルのものを含んでいるようです。効果を期待する問題にききめが強くありそうな技法を用いるのです。
 自己存在にかかわる苦悩におちいっている人には、深いM&Aを併用し なければなりません。
 外界のものにマインドフルネス、アクセプタンスするのか、感覚、知識にM&Aするのか、自分の幸福になる意識作用や行動にM&Aか、自己自身にM&Aか、自己がなくなり世界の事にM&Aか、さまざまなM&Aがあります。だから、M&Aの技法は深いものがあります。
 このように、M&Aは、元来、日本にあったものです(大乗仏教や西田哲学に説明されている が現代では見失っている)から、判断的自己から人格的自己レベルまですべてのM&Aを見渡した上 で、その問題の深さが合致したM&A技法を用いるべきだと思うのです。 薬でも、心理療法でも、食事でも、効能がよく発揮される問題とそうではない問題があるよう に、M&A技法(薬のようなもの)も、適切なM&Aを用いないと、せっかく長期間訓練しても効果が さほど現れないことになるのです。深いM&Aまで知らない人が、ちょっとやってみて効果がなく、 「だから、M&Aも役に立たない」などといってはならないのです。
 宮沢賢治は叡智的自己や人格的自己のレベルの深い自己を童話にしているので、あまり理解さ れていないのと同様のことがおきて、M&Aの深さの違いを知らないと混乱します。あてもなくやってみるというのではなくて、「この問題の核心は、このレベルであるから、この レベルのこの手法を用いてみよう」という方針をたてるべきです。
 だから、SIMTでは、脳神経生理学的な視点も重視します。その問題は神経生理学的な背景があるのか、それがM&Aの技法で影響を及ぼすことができるのかの見当がつくものしか適用しません。クライエントの利益のためです。あてもないのに、クライエントさんの命、時間、お金を消費するわけにはいきません。本で公開するセッション1から10は、うつ病、非定型うつ病、不安障害、過食症、家族の不和緊張、心身症(の軽減)などに有効です。分量は、呼吸法(意志的自己を探求する自己洞察瞑想を含む)を30分と行動中の自己洞察を20回くらい実践(1回は、瞬間的です。長くはかかりません。)することです。
 うつ病、不安障害以外の領域にも効果がある可能性があるのですが、どの技法をどの程度、訓練すれば、 効果があるのか、実証していません。それぞれの産業領域のみなさまへのお願いにします。
 プロゴルファーの方が実践されて、これをやっていたらもっといいゴルフができたはずだったのにといわれた人がおられます。これは、意志的自己よりも深いメンタルなレベルになります。 自己を没する、自己なくして打つのでしょう。その道の人でないと応用はできません。その道の人が、深いM&Aの基礎を習得して、それを自分の領域で実践的に生かしていくのです。 さまざまな領域に深く広く適用できる可能性があります。私は、一般的なうつ病、不安障害などの治療、予防の領域しか開発できません。会社員だったからです。教師のM&Aは教師が、看護師のM&Aは看護師が、スポーツのM&Aはその道の人が開発してほしいです。共同研究ということでならお手伝いできます。その場合、主役はみなさまです。その道で見られる問題をよくご存知だから。
 舶来ものはすばらしいものが多いのですが、M&Aだけは、東洋や日本が本家ですから、日本の全国各地の図書館の中に、深くて汎用性のあるもの がひっそりと出番を待っています。まだ発掘は始まったばかりです。広がりと深さは無尽蔵のようです。私は、そ の地図を示すだけに終わりそうです。 すべての領域の人たちが探求すべきです。どこにも、自己の技・芸術の深さ、死や自己存在、人 権、人生の意味、生きることの意味、などを真剣に考える人たちがおられるはずだからです。
<連続記事・目次>種々のマインドフルネス&アクセプタンス
  • (続く)
  • 本を出版します
  • Posted by MF総研/大田 at 08:05 | マインドフルネス心理療法 | この記事のURL