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<目次>マインドフルネス支援者の倫理/専門家の倫理(1) [2012年03月26日(Mon)]

マインドフルネス支援者の倫理/専門家の倫理(1)

 (M&A支援者は多くの人にかかわるので、自己自身の心の闇・弱さに気づく必要がある)

はじめに


 マインドフルネス心理療法は、うつ病、不安障害、過食症などで薬物療法や他の心理療法でも 治らなかった人たちと関わる。深く長く苦しむ人たちである。 これらの病気には、自殺というリスクがついてまわっている。生命がかかっている人たちに あう支援者(医師、心理士、カウンセラー、相談員)には倫理が要請される。
 マインドフルネス心理療法は、クライアントに、自己を苦悩させる心を深く探求することを要 請する。そうだとすれば、支援者も自己の心の闇を深く探求することになる。
 西田哲学にも、人には、自己の独断と我執があり、世界を差配・統御しようとする恣意的で我 欲的な契機 が本質的にあるという。 クライアント(患者)を自分の枠にとじこめて苦悩をかえって深めることが専門家にも起きるか もしれない。
 (欧米の)マインドフルネス心理療法は、仏教や禅を医学に応用したものであるという。大乗 仏教は、自己満足に留まらずに、他者を救済することを強く主張した。大乗の仏教者が自己満足 に留まる傾向が広くみられることから、繰り返し、他者の救済を強調した。それほど、人は、自 利、我利の傾向がある。 現代の支援者が、心の病気の人に我執による行動をすれば、弱まった心の人を依存させ、治癒を 遅らせ、長引くうちに自殺させるかもしれない。
 医師や心理士には、職業上の倫理を教えられるはずであるが、深く人の苦悩を見てきた精神科 医や大乗仏教の論者は、専門家にありがちな我利、我執を戒めること、すなわち、深い倫理を主 張しているように見える。マインドフルネス心理療法は、それに匹敵する心の闇の自覚、支援者 にもみられる我執の抑制をうながしているように見える。
 専門家になれば、熟練すればまた、我執が生まれるのが人間の本質であるという。命にかかわ る患者さんとあう医師、心理士、カウンセラーは 常に自己の我執を探求しなければ、患者をいつまでも復帰させず、死においやる一端をになって しまうのだろう。 支援者となり、その行動の時、クライアントに課題として自覚するということを、支援者自身が 実行しているか、常に探求が必要になるのだろう。
 このことは、心の病気の治療支援だけにとどまらない。職場は人によって構成されている。その構成員の自覚されにくい心の闇が他の同僚にストレスを与え、顧客や関係者へのサービスの質を低下させる。すべての人が探求すべきであるが、特にそれぞれの分野の専門家が自覚すべきことである。

(続く)

連続記事「マインドフルネス支援者の倫理/専門家の倫理」目次
Posted by MF総研/大田 at 20:50 | マインドフルネス心理療法 | この記事のURL