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不安障害にたちはだかる高い壁 [2012年01月24日(Tue)]

不安障害にたちはだかる高い壁

 =何かしようとすると爆発しそうになる爆弾をかかえているよう
 =パニック障害、PTSDの広場恐怖

 まだ病的レベルになっていない不安(帯状回に条件づけされていない場合と思われる)は、 1週間程度のマインドフルネスの手法で軽くなるかもしれません。しかし、 <不安障害>となったレベルの不安・恐怖は容易にのりこえられません。それが、PTSDやパニック 障害の広場恐怖、社会不安障害の回避・逃避です。
 長期間のマインドフルネス心理療法(SIMT)の課題の実践のすえ、ようやく電車に乗れた人のこと を紹介しました。   あなたの治った経験は、他の人の役にたつので、プライバシーを守る範囲で 公表させてほしいと許可を得ました。「私の経験でお役に立つことがあれば、何でも使ってくださ い。」ということです。どこの誰かがわからないように、また、プライバシーはさけてご紹介させていただきます。(治るまでの2年近くにわたるマインドフルネス心理療法による闘病記を出版していただきたいくらいです)
 広場恐怖、パニック障害、PTSD、社会不安障害などで、回避、逃避の行為が止まない人は参考にな さってください。

 この方は、自分の心理を詳細に記述できる人です。14駅の長距離の電車に乗るというさけられ ない事情が起きた時は、あれほど避けていた電車にあっさりと乗れたというので、 私は、こうたずねてみました。(心の病気の苦しみは経験者でないと理解できないようです。私は メランコリー型うつ病はわかりますが、不安障害には私はかかっていません。)
    「この心理療法を受けないと乗り越えられなかったのでしょうか。 それとも、受けていなくても、 今回のようにどうしても 行かなければならない状況になったら14駅乗れたのでしょうか。」
 その返事は、次のようでした。やはり、長い課題の実践があったからこそ「あっさりと」乗れた のですね。
    「今はっきり思うのは、マインドフルネス心理療法を受けていなければ 私は一人では電車におそら く14駅も乗れなかったと思います。 パニック障害は治っても、広場恐怖はずっと同じ状態だったの だろうと 思っています。
    電車には、今までも2・3年に1度や2度くらいは、親類の冠婚葬祭などで どうしても家族と乗らなく てはいけないことはあったので、たくさんの薬 (安定剤)を服用し、各駅電車で時には途中下車し ながら行ったことも ありました。(それでも行けなくて引き返したこともありました) たまたま 調子のいい時で行けたとしても、それは確実なものではなくて 「たまたま」でしかなく、ふと「不 安・恐怖」が頭をよぎったらもう 止められないし、それによって身体症状がどんどん出るので、爆 弾を抱えて 行動するという乗り方だったと思います。 その爆弾は、おそらく一生持ち続けること になっていたと思っています。
    マインドフルネスを受けて、その「爆弾」がなくなっていると思いました。 それには時間がかかり ますし、少しずつの変化ですが、考え方、捕らえ方が 以前と全く変わったし、自分のことや状況が 理解できていると、とにかく 冷静でいられるようになってきたからです。 」
    「今までのマインドフルネスの課題や時間が、私を変えたのだと思います。 パニック障害が治って くると、症状は治まる時期があるのだと思うのですが 長い間繰り返した広場恐怖は、自分の力や、 時間の経過だけでは克服できない ものと私には思えます。 私は、時期が来たら必要に迫られた場 合、自然に電車にも乗れるようになる とは思えません。 そして、たまたまなんとか乗れたとして も、その先がないのです。 マインドフルネスを受けて続けていると、着実に進んで行けて、その先 が開けて いくと感じています。 」
 不安障害の場合、前に立つ壁はとほうもなく高いようです。1,2か月の呼吸法ではとても、乗 り越えられません。
 東日本大震災、栄村大震災、脱線事故などで、パニック障害、PTSDになって、色々なところに行 けなくなるとか、フラッシュバックが起きる不安障害は、ただの長期記憶、つまり大脳皮質に記憶 されたのではないもの、帯状回情動領域に条件づけされた記憶は、容易には消えません。激しい不 安恐怖、身体反応が生じて、行動できません。しかし、 半年、1年、2年のマインドフルネス心理療法の課題の実践によって、新しい条件づけ(大丈夫と いう)が上書きされることで、広場恐怖が解消されていくのですね。10年、20年経過した広場 恐怖でも、1,2年のマインドフルネス心理療法で解決できそうです。ただし、ご本人のたゆまぬ 課題実践のたまものです。

 従来の認知行動療法では、長い助走期間のマインドフルネスとアクセプタンスのトレーニングをせずに、すぐに、エクスポージャー法を指導しますが、これではできない人が多いので、 欧米で、マインドフルネス心理療法によるエクスポージャー法が開発されたのです。それと同じ方針で行うのが自己洞察瞑想療法(SIMT)によるエクスポージャー法です。 この例の人が行ったものです。たまたまちょっとできることがあっても「爆弾をかかえている」という思いがあり、消えることはなかったということ、今後の治療に活かすことができます。 そういう「爆弾が不発弾になる」のですね。帯状回にきざまれた 記憶は、長い課題実践を通して、変わっていくのですね。
 セッションは10回くらいで終わりますが、さらに1年セッション10の課題を続けるか、セッション1から復習してください。脳内の神経がすこしづつ変化していくのです。そしてある時に、「あれえ。症状が軽くなっている。」という時が来ます。 また、完治しないうちに、あるいは、治ったつもりだったのに再発してという人は、さらに実践すると、また改善するはずです。治ってからは、時間を減らしていいですから、呼吸法を20分くらいは、ずーっと続けるといいのですが。(私は20数年前に発病して、治ってからも、今でも続けています。今は自分を治すためではありません、再発しないためでもありません。)

この人の例は、簡単には治らない広場恐怖の例です。
Posted by MF総研/大田 at 21:10 | パニック障害・PTSD | この記事のURL