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うつ病は家族の協力が大切 [2012年01月20日(Fri)]

うつ病は家族の協力が大切

=孤独の被災者にはいっしょに課題を実践する支援者

 うつ病にはマインドフルネス心理療法(SIMT)で治る人がいますが、 これをする人は、薬物療法でも、他の心理療法でもカウンセリングでも治らなかった人が、インタ ーネットで検索してようやく、これにたどりつくようです。 これによって治療する場合、半年(まだ完治しません)から1年、2年の長期間、呼吸法、自己洞 察法を続けるのです。おとろえた患者さんが継続するのは大変です。 1,2回で脱落したくなる。そこをささえるのにご家族の協力が大変重要です。  私がお会いした患者さんの場合、ご家族がいっしょに参加した方、受けることを励ました方が多 いです。

高齢のうつ病が治った

 特に、患者さんが高齢の場合、配偶者が毎回いっしょにカウンセリングに参加して、 つきそいの人が方法を覚えて、自宅でいっしょに呼吸法、行動化活性化の課題をやって治したケー スがあります。患者さん(妻)が 高齢の場合、記憶力、理解力、意欲がおとろえていることがあるので、 付き添いの人(夫)が、セッションで、患者さんの様子を伝え、セッションでのカウンセラーの言 うこと、課題の実践方法を真剣に聞いていて、自宅で、毎日、呼吸法や散歩を行って、治したケー スがあります。
 発病して5年、薬物療法を受けて治らないで、入院を何度もしました。発病前は、スポーツもす る活動的な人でした。初めておいでになった時、5年ほとんど外出をしなくなっていたせいか、 足腰が弱くなっていました。高齢のうつ病の特徴でしょう。足が弱っているので、フリフリグッパ ー体操や散歩もなまけそうになるのを、夫が励まし、いしょにやりました。 死にたいという思いが、出てくること、家事が一切できず、すべて、夫がこなしていました。 発症には、ストレスがあったようですが、現在では、家族関係もよく、特に外的なストレス要因はなく(働いておらず仕事のストレスもなく経済的な悩みもない)、炊事さえできない、うつ病が治らないこと自体が苦痛でした。
 助言のとおり、呼吸法や運動を 夫が熱心にいっしょにやっていましたが、高齢のため経過がすぐにはみられませんでした。 いつも、死にたい、炊事が全くできないということが伝えられました。 高齢のため、セッション10までをすすめることなく、基本的な呼吸法、自己洞察法(セッション5程度)までを継続しました。なかなか炊事ができるまでになりません。死にたいという思いも毎日出てきました。 しかし、 5カほどたった時、ようやく変化がみられました。「死にたい」という思いが出なくなったという のです。ほかにも、知人とは会うようになったと夫から変化が伝えられました。8カ月目のカウンセリングでも、炊事ができない ということでした。突然、症状が改善しました。 9カ月経過した時点で、ある日から食事を作り始めました。 2週間たったところで、嬉しくなった夫から、次回のカウンセリングの予約を待たずに、連絡を受けました。
 妻にとって食事を作れないということは大きな苦痛です。自己否定、家族への無価値感の思考を 繰り返して抑うつ症状を深めて、自殺したくなる思いが強まります。食事さえも作れず、まして、 人にあえない(コミュニケーションできない)のですから、家族がささえないと自殺されます。 高齢のうつ病であっても、マインドフルネス心理療法(SIMT)で効果があることがわかります。
 ただし、このケースは、本人だけの来訪であれば、1,2回で脱落だったと思います。 カウンセリングの脱落の可能性は、若い人のうつ病にもあります。すぐ近くにカウンセラーがいなくて回数を多くできない支援者側の事情ではそうなってしまいます。

高齢者の多い東日本大震災の被災者

 患者さんが高齢の場合、治す教訓が得られました。被災地では、家族も死亡されて一人ぼっちの 方もおられるのですから、うつ病になった被災者を治すには、高齢であること、一人ずまいである ことを考慮したプログラムが必要であると思いました。毎日、訪問するか、毎日、カウンセリング 会場にきていただくプログラムが必要であろうと思います。現地のボランティアの方に 上記の夫の役割をしていただくのです。 いっしょに、呼吸法、脳活性化トレーニング、運動、歩く、などのデイサービスを提供する。 こうしたインストラクターは短期間に育成できます。 主任カウンセラー(医師、看護師、保健師、心理士、など)は、月1回くらいのカウンセリングで すみます。 被災した県に数箇所、できれば、市町村に数カ所こういう仕組みを作るのです。保健所が中核にな るのがいいと思います。うつ病、「治療」ということに抵抗感があるので、「予防」のプログラム として実行する。重症のかたがみつけられたら、特別の治療プログラム(薬物療法、認知行動療法 など)につなぐ。そういう仕組みを構築することを提案します。 行動活性化技法を併用すると治療効果が高まりますので、スポーツ、手芸などの団体に実技指導、そして話す場所として、カフェなどに週1回くらい協力していただくといいです。 毎日、同じ人が提供するのは時間的に大変ですから、 インストラクター兼その日のまとめ役が数人おられると、週1回の活動でも、毎日提供できます。アセスメントや高度の助言のできるカウンセラーは月に1−4回くらいみていくことで可能で、相当大勢のうつ病、不安障害の予防、治療ができます。
 被災地の方の心の病気の治療は、よその地域の人が直接前面に出て、「治療」するというのは、 難しいと、阪神大震災で活躍されたこれまでの体験者の方が教訓を語っておられます。
Posted by MF総研/大田 at 07:35 | 自殺防止対策 | この記事のURL