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でなぜ治るのか(3)不安障害 [2011年12月23日(Fri)]
マインドフルネス心理療法の本
『うつ・不安障害を治すマインドフルネス
   ひとりでできる 「自己洞察瞑想療法」』(佼成出版社)
が出版されました。
  うつ病や不安障害などを治すための新しい心理療法が開発されまし た。 それを紹介した本です。本で紹介した課題を実践すると治ります 。
毎日、少しずつ実践して、脳内に生じていた変調に変化をおこ して症状が軽くなるのです。

マインドフルネス心理療法(SIMT)でなぜ治るのか(3)
●不安障害に共通のからくり

 マインドフルネス心理療法(SIMT)は、不安障害も改善します。大地震にあった後は、余震や将来の ことが不明で、不安過敏になりますので扁桃体や交感神経の興奮が常態になっており、後になってか ら、パニック障害や心的外傷後きストレス障害(PTSD)になることがあります。また、 災害に関係のない過去の不安経験がトラウマとなった<社会不安障害(対人恐怖)>もあります。こうし た不安障害は、急に起きる発作と、予期不安、回避(広場恐怖)が 薬物療法だけでは完治しにくいのが特徴です。種々のカウンセリングで治らない場合でも、マインドフルネス心理 療法(私は自己洞察法ーSIMTの普及のつとめています。以下、SIMTと書きます)で治ることがありま す。それは、次のような不安障害には共通の構造があって、SIMTのトレーニングがこれを修復するた めであると思われます。

●不安障害に共通のからくり

 不安障害には共通点があります。
 @過去の体験がトラウマになっていること、A体験によって脳に過敏な箇所が生じて、ささいな刺 激で発作を起こすこと、B発作をおそれて何かしようとすると予期不安を起こすこと、 C予期不安が起きるので類似の体験や場所、機会を回避することです。
 共通の特徴として、薬物療法だけでは治りにくく、認知行動療法を併用すると治る割合が高くなっ ています。しかし、認知行動療法でも治りにくい人がいますが、SIMTが効果をあげる人もいます。 SIMTが不安障害に共通に効果をあげる理由は次のように推測されます。
 不安障害は、過去の出来事や生育環境が不安、恐怖を生んだので、恐怖の条件づけが、前部帯状回 情動領域に刻みこまれたのです。そのため、現在の心理的な予期不安の思考や物理的な刺激によって 、前部帯状回から扁桃体や交感神経が興奮して、不安の感情と交感神経による身体反応を起こすので す。 この反応の不愉快さがつらくて、すぐ逃避します。そして、またそういう不愉快な反応が起きるのを 予期して、そういう場面を回避します。外出しない、就職しない、公的行事を避けるなどです。 さらに、障害によってフラッシュバックや悪夢、パニック発作など激しい症状や人のいる場面で逃げ てしまう逃走行為が誘発されます。前部帯状回に刻まれた恐怖条件づけは容易に解消しません。

SIMTで治す方法
 そこで、SIMTでは、日々、自己の種々の作用(感覚、感情、思考などの働き)とそれによって作ら れる心理現象(感覚、感情、思考などによって作られた現象で常に変化します)をあるがまま観察し て建設的な行動(呼吸法、運動、家事仕事、勉強、趣味など)をする訓練を続けます。 日々の暮らしで、不愉快な心理現象もしばしば起こりますが、それについても同様の態度をとるよう に訓練を続けます。すぐに逃避しないで観察している時には、背外側前頭前野、前部帯状回認知領域 が活性化しています。この系統はワーキングメモリ(作業記憶)の中央実行系に相当しており、この 系統が活発になると、不快思考、扁桃体、前部帯状回情動領域、交感神経などの系統を抑制するよう になって、回避行動が少なくなります。扁桃体や交感神経の興奮がきっかけとなっていた発作の回数 も減少してきます。そうすると、広場恐怖や重要な回避行動を克服することができるようになって、 少しづつ回避場所、回避行動、逃走行動がなくなって、社会生活の障害も解消します。
 不安障害をSIMTで改善した人は、不安障害が治ったというほかに、自己洞察が深まったことで、自 己評価が高まり、心理的ストレスへの耐性が高まり、うつ病にもかかりにくくなります。大変貴重な 副産物といえます。

(次は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、パニック障害などです)
  • 自己洞察瞑想療法(SIMT)でなぜ治るのか
  • Posted by MF総研/大田 at 20:01 | 新しい心理療法 | この記事のURL