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マインドフルネス心理療法の組織的な運営スタッフ [2011年09月30日(Fri)]

マインドフルネス心理療法の組織的な運営スタッフ

 マインドフルネス心理療法を提供するためには、 何人かのスタッフがいるほうが手厚いプログラムを提供できます。 すべてのスタッフに同等のスキルが必要であるわけではありません。 分担をするほうが得意なスキルを活かすことができます。
  • A)主任のカウンセラー
     精神疾患についての知識、心理療法の理論と治療手法をよく知っている人。クライ アントと会話できる人。クライアント(患者さん)のことを詳細に把握する。面談と 日記指導ができる。マインドフルネス心理療法(SIMT)の場合、治すスキルの習得には、多少時間がかかる。特別の課題の実践があるので、集中してはできない。背景にある心の哲学(西田哲学)や禅に類似する手法、心の病気と脳神経科学とマインドフルネス心理療法の技法の関連などを学習し、治療スキルの実際を習得しなければならない。こういう人が、一人から数人いるといい。 さまざまな特定の領域の問題は、一人が精通できるはずがなく、主任カウンセラーも、得意領域を持つことになる。社会の広範な問題に対応していくためには、数人の主任カウンセラーがいるのがいい。
     組織的でなく、一人で治療援助する場合、(B)(C)のスキルも兼ね備えなければならない。 数人のスタッフと共同できるならば、(A)の個人面談、日記指導、講義は主任カウンセラーが行い、(B)(C)は別のスタッフが行うといい。

  • B)呼吸法の指導スタッフ
     呼吸法は、うつ病、不安障害、依存症、家族の不和緊張、痛み、心身症などの改善効果があります。
     精神疾患や治す理論についてはAほど詳しく知っている必要はないが、呼吸法の指 導スキルがうまい人。坐禅指導のようであるが、種々の心(作用、対象、意志作用、 心の場所)の探求のしかたを織り込む指導をするので、坐禅と異なる。そうした自己 洞察法の実践的指導ができるスキルを駆使できる人。 理論的なことが得意な人でも、この実践スキルが不得意な人がいる。心の病気を治す ためには、 呼吸法 自己洞察法の実践指導が必須です。 坐禅と似ていますが、全く違うともいえます。半年から1年で心の病気を治すことと 、自己洞察法との関連をつける実践的手法になるので、呼吸法の時間中に、指導者は 方法を語り続けます。心の病気の人に、黙って坐らせているような「坐禅」ではあり ませんので、坐禅よりも自己洞察法のほうが指導は難しいと思います。 数人(100人でもかまいませんが)が、呼吸法をやっている。その呼吸法のしかたについて、現在進行形で説明します。その中で、自己洞察の仕方を説明します。種々の作用、その対象、それらがおいてある場所(意識の野)、器、鏡、作用の観察の意志作用、意志作用の種々の要素、その用い方、感情や不快な症状の受け入れ、そういうことの哲学的な意味、脳神経生理学的な意味、心の病気との関連など、自己についての洞察を現在進行形で行う、それを現在進行形で説明します。 呼吸法の指導者は、呼吸法(自己洞察法)の時間20−40分の間、語り続けます。自宅でもできるように習得してもらうためです。 こういう指導法ですので、(A)の理論的なこと、面談がうまい人でも、極めて内気で多くの人の前で語ることが苦手なカウンセラーは、呼吸法の指導は難しいでしょう。 この呼吸法の指導できる人も、特定領域(たとえば、普通のうつ病、非定型うつ病、PTSD、パーソナリティ障害、がん患者さん、虐待防止、薬物依存など)には、特別の手法が必要になるでしょう。とすれば、特定領域に得意なカウンセラーがいたほうがクライエントにとっては、いいわけです。
     こういうわけで、禅寺の坐禅とは違います。 実際、禅寺で 心の病気の人の自己洞察の実践指導を行うとは聞いたことがありません。その問題がどういう 問題であるのか、よく知っての援助でなければなりません。 宗教の坐禅 とマインドフルネス心理療法(SIMT)は色々な点で違います。

  • C)脳活性化、生活不活発病や介護予防のトレーニングをするスタッフ
     精神疾患や治す理論についてはA、Bほど詳しく知っている必要はないが、脳活性 化手法の指導スキルがうまい人。また、生活不活発病や介護予防の運動などを指導する人。心の健康体操指導員のスキル。 このスキルは、簡単に育成できるが、次のような指導、講習を大勢の人前でできる人が向いている。 転倒予防の運動、足腰の痛み予防の運動、呼吸法を織り込んだ歩行プログラム、笑いが多く出る楽しく行う ゲーム、など、行う。毎日、これだけでも、1,2時間行うことができる。 レパートリーを数多 く持つほど、治療、予防効果のあるプログラムを提供できる。A,Bとは違うスキルであり、カ ウンセラーによって得意な人、不得意な人がいる。
     予防、成長のための「心の健康体操」には、日本の精神の紹介ができる人がいればなお豊かなプログラムを提供できます。日本文学、芸術の底にある、日本的霊性(自他不二、万物一如的)を読む。小説が好きだった人が最適。日本の文化の背景にある日本的精神を紹介するスタッフ。

  • D)事務スタッフ、会計のスキル、インターネットやPCのスキル PCのスキルの得意な人がいれば、PCによる前頭前野(主にワーキングメモリ機能)を活性化するソフトウェアを開発できるでしょう。
     そのほかの協力スタッフ。さまざまなサービスを提供するためには、このようなスキルを持たないけれど、人の支援をいきがいとされるボランティアの人の 力も重要です。設営、食事、何でも力仕事。
 A、B、C、Dは別のスキルであるために、一人で活動するとなると全部を熟練する必 要があります。Aが詳しくても、B,Cをうまくできないのであれば、一人で行う活動は 治療効果に限界があります。A, B,C,Dは、特別のスキルです。理論的なことが詳しいのとは別のスキルです。あまりに 内向的なカウンセラーならば、大勢のクライアントの前で、呼吸法や脳活性化の手法や運動の グループ指導するのをためらうでしょう。(個別指導でならできるでしょう)
 マインドフルネス心理療法(SIMT)は、従来の第2世代までの心理療法とは違います 。マインドフルネス、アクセプタンス、内奥の方向の自己洞察法の実技指導が必要に なります。現在進行形でのスキル指導が必要です。
 幾人かのスタッフが共同で運営する組織であれば、スタッフは全日、出勤しなくて すみます。 週に、1〜3回出勤し、時間割によって、A,B,Cのスタッフが一人か二人で面接、呼吸 法や脳トレーニング、介護予防の運動などを提供できます。
 もちろん、入所、合宿するプログラム (1日〜数か月宿泊して、マインドフルネス心理療法の理論にそった生活の中で、病 気のこと、心理療法のことを学び、呼吸法などの時間をたくさんとる) を提供するのであれば、炊事寝具などの手配をしたり生活指導をするスタッフが必要 です。 数人のスタッフで運営する「マインドフルネス心理療法センター」が各県に設置され ればいいですが、志を共有する人がいるかどうかや活動資金、活動場所があるかにか かっています。 (A)(B)のスキルがなくても、(C)のスキルのある人は、各市町村に数名いて、生活不活発病や介護予防のプログラムを行うことはいいことです。生活不活発病や介護状態から、うつ病に進行してしまうことも防止したいことです。
 (C)は資格がなくてもできます。しかし、 看護師、作業療法士のかたが行って、健康保険の扱いになればいいですね。 それは医師の指導のもとになっています。 医師が行う余裕がないのであれば、 独立の心理士、カウンセラーとスタッフができて患者さんの個人負担が安く できる制度、寄付金助成金による安い個人負担でできる施設を作りたいものです。
 精神保健福祉センターのように、数人のスタッフがフルに活動する職業人によって運営されれば、相当多くの患者さんの治療ができるでしょう。公的な予算でできればいいのですが、すぐにはできないでしょうから、民間人による任意団体、NPO法人で発足するしかないのでしょう。近所の病院と連携しながら薬物療法とマインドフルネス心理療法(SIMT)の併用で、早い時点から併用で治す体制が患者さんにとって幸福です。
 薬物療法で治らなかったうつ病、非定型うつ病、不安障害、依存症などがマインドフルネス心理療法(SIMT)で治る人がいるのです。(さらに、他の問題ーーー災害被災地のメンタルな問題、産禅産後・子育ての女性のうつ病、高齢者のうつ病予防、虐待する人される人の支援、非行犯罪の更生、パーソナリティ障害、死の不安、犯罪被害者の苦悩、子どもの不登校などーーーにも応用できる可能性がありますが、それに取り組むカウンセラーがいないと展開されません。)
 再発防止には、ストレスの対処法が重要です。 早期の段階でマインドフルネス心理療法を受けられる場を作っていただきたいです。

心の健康体操指導員=うつ病、不眠、生活不活発病、要介護状態などの予防

 被災地では、うつ病、不眠症、生活不活発病、要介護状態などの予防の活動は、(A)の「治すスキル」を持つ人がいなくてもできます。(B)(C)のスキルを持つ指導員です。これは、多くの市町村に数か所で行えるように多数の指導員を育成すればいいと思います。簡単に育成できます。治すスキルの習得は難しいですし、適性もありますが、予防の体操のスキルは容易に習得できます。
Posted by MF総研/大田 at 06:14 | 新しい心理療法 | この記事のURL