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もうお1人の「卒業生」から現状報告 [2011年08月21日(Sun)]

もうお1人の「卒業生」から現状報告

 もう1人の人の消息がわかった。「卒業」なさってから数年、再発していない。今、執筆 中の本に体験談を書いてくださることになった。
 この人の来訪のころは、欧米のマインドフルネス心理療法が紹介された直後であり、 心理療法は長く提供していると、カウンセラーへの依存が起きるという文を見たことや、彼 らのプログラムが8週間でなっているものが多く、それで効果がみられたと書いてあること から、「では私も8週間にしよう」と決めた頃のクライエントであった。
    あとでわかったが、彼らのは、重症の人を治すのではなくて、寛解期にある人の再発予 防の効果であり、重症が「治った」のではなかった。その後の体験により、うつ病、不安障 害、依存症などは12カ月を標準とすることにした。こういう障害の重症の人は、8週間で はとても治らない。これで実習を打ち切ると、再燃しやすい。まだ、マインドフルネス心理療法の 心得を十分に会得していない。重症のこういうクライエントが8週間のサービスであとは自 分でできるというのなら、画期的な心理療法であり、薬物療法を凌駕して、ノーベル賞もの ?であろう。「中程度」「軽症」の人はそれで大丈夫であるが、「非常に重症」「重症」の人は、もう少し長くサービスしないと治るのは無理だとわかって きた。重症以上の人は、課題の理解、実践も難しいので、手法を指導するのに半年近く、かなり軽快するまでに12カ月を標準とする。遠隔地で開催する場合、日記指導を郵便で続ける方式や、現地のカウンセラーにフォローしてもらう方式、2,3か月に1回、フォローアップのセッションを行う方式がある。当初、数回の実習に参加すれば、その後、 郵便での指導を行っていけば、治る人が多いことがわかった。現地のカウンセラーがフォローするのも、同様に治るまで持っていけるだろう。 いずれにしても、現地にカウンセラーが育成されない限り、その地区に恒久的なマインドフルネス心理療法を受ける場ができない。
 この人はよく覚えている。初回来訪の時、「非常に重症」であったのに、呼吸法の指導を して(集団)、1週間後、2回目に来訪された時、驚かされたから、よく覚えている 。「急激に症状が軽くなりました、クッキーを作りました」と、手作りのクッキーを持参さ れたからである。数年前のことであるが、異例のことであったから記憶している。 毎週1回、通して8回、2か月のカウンセリングで、めきめきと改善され、自覚的症状は、 「治った」と判断した。「卒業」となって、しばらくして、就職。ところが条件がまずかっ た。夜の勤務が多くてしかも過労気味。果然、再燃、やむなく、退職。しばらく、 静養して、マインドフルネスを自習して、また軽くなり、再就職されたという連絡を受けて いた。それからは、元気に勤務し続けていたと最近、消息を知ることができた。この人のこ とは、他の人の参考になるだろうから、 著書の一部に体験を書いていただくことにしたい。
 教訓は、カウンセラーが毎週、指導できれば、2か月でも、一通りスキルの移転のできる 人がいること、その後しばらくは、無理な勤務につかないほうが再燃しないこと、 不幸にも再燃したとしても一度習得したマインドフルネスのスキルを持つ人は再燃しても絶 望せずに、自習して、また治せるということだ。大体、再燃の時には、以前ほど重症ではな い時に、休退職を決意すること、そして、「以前、今よりもひどかった状況をマインドフル ネス心理療法で治した体験がある」と思うのではないだろうか。そういうことかどうか、体 験談で語っていただく。その後、何年か、元気に勤務し、趣味の活動も活発に行なって おられるという。マインドフルネス心理療法にとって、色々な教訓がありそうである。体験 談を書いていただく。執筆中の拙著に掲載させていただく。
 この人は、将来、支援者側になりたいという。私もうつ病になり、治してから、支援側に なった。その苦しさと治した体験者である。こういう人がカウンセラーになるのはいいこと だと思う。症状とスキルを他者から学んだのではなく、自分で経験したのだから、力強い。 ただし、技術者のおごり、執着、単純化、粗雑さはいけない。自分の場合とは違う事例が大 変多い。自分が扱えない症例も多い。
 詳細は、拙著でご紹介する。
Posted by MF総研/大田 at 19:54 | 私たちの心理療法 | この記事のURL