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心的外傷後ストレス障害や非定型うつ病 [2011年08月19日(Fri)]

心的外傷後ストレス障害や非定型うつ病
 =眼球運動、見ることに意識を集中することでフラッシュバックなどが改善するわけ(1)

 EMDRや自己洞察瞑想療法(SIMT)で、PTSDの症状が改善する仕組みは よくわかっていないようですが、 推測できる仕組みがいくつかあります。
 まず、前頭眼野の機能向上です。前頭前野ではなく、前頭眼野です。眼球運動をコントロールする部位です。

<第1>集中機能が眼球運動を制御する前頭眼野

 「ものごとに集中すると、前頭葉の一部から頭頂葉の一部に強い信号が生じます。この信 号が脳のさまざまな並行処理に一定の方向を与えるらしいのですが、その信号の発生にかか わる部位は、元来、眼球運動の制御にかかわるところなのです。
 まさに「見つめること」は、「集中すること」にほかならないのです。見ることのメカニ ズムを使って、集中という、内的な目の制御が生まれたらしいのです。」(B51頁)

 集中する心のスキルは、前頭眼野(8野)が関係しています。 この前頭眼野は、意識的に行動を抑制する部位です。

<第2>理性によって思考・行動を抑制する前頭眼野

 前頭葉の機能を調べる課題のひとつに、GO/NO-GO課題があります。
     「「NO-GO」とは、何かをあえてしないでこらえることです。反対に、積極的に何かをする ことは「GO」といいます。」
     「GOとNO-GOをうまく使い分ければ、脳が発達する。何かを「あえてしない」ことを抑制細 胞の働きで実行する脳領域は脳の8野にある。理性的に判断を下して行動を抑制する場合は 8野が働き、意識せず、恐怖などの情動(感情の変化)によって行動が抑制される場合は1 1野が働く。」(Q28頁)
 前頭眼野を鍛えれば、自動思考や無茶な行動を抑制できるようになります。
     「”積極的に思い出さないようにすると、本当に忘れることができる”ということも最近 の研究でわかっています。」
     「わたしが”壁”をと考えるのは、”脳が積極的に何かをしない働き”のことです。たと えば、つらかった失恋の記憶などを思い出さないように努力する(=”壁”をつくる)と、 人間は実際に忘れてしまいます。具体的には、頭に浮かんだときに、別のことをすぐ考える ようにすればいいのです。すると、人は、忘れる。”壁”を自分のなかに作れるわけです。 」(P44頁)
 思い出さないようにすることによって、忘れることができる。つまり、想起しなくなる、 フラッシュバックしなくなる、ということがいえます。
 同様のことはマインドフルネス心理療法で行なわれており、呼吸に意識を向けてもらって います。呼吸や目前のものを観察している手法を用いて、トラウマや外傷後ストレス障害 (PTSD)などの治療が行われています。また、うつ病は、否定的な自動思考を繰り返すことが 症状を悪化、持続させますが、呼吸や感覚に意識を集中するトレーニングを重ねると自動思 考をかなり止めることができるようになり、症状が改善しますので、前頭眼野が強化される のでしょう。フラッシュバックが起きる人は、特に、見ることに集中するトレーニングを繰 り返すと、改善するでしょう。
 無意識で想起されるのが、フラッシュバック。「思いださないようにする」と忘れること ができる、つまり、意識的にも想起できなくなる(これは、別の実験がある。次の記事で)。意識的に思い出さなくする訓練は、マイ ンドフルネス心理療法における思考の抑制と類似しています。
    (参考書・注)
    • (B)「集中脳をつくる30の方法」篠原菊紀、中経出版。
    • (P)「バカは治せる」久保田競、アスキー。
    • (Q)「頭を良くする小さな習慣」久保田競、アスキー。
Posted by MF総研/大田 at 17:53 | 災害とストレス | この記事のURL