被災者の心の病 PTSD [2011年08月18日(Thu)]
被災者の心の病 PTSD東日本大震災は被害が甚大であるうえ、かなりつよい余震の頻発、原発事故の不安も継続していて、心的外傷後ストレス障害 (PTSD)になる患者さんが増えることが予想されます。PTSDは、自然災害、災害救援者、事故、性暴力被害、ドメスティック・バイオレンス被害 者、いじめ、虐待、犯罪被害、突然の死の告知(がん患者)などによって起きるとされています 。 侵入的回想(フラッシュバック)や悪夢の頻発、類似する生活の回避で非常に苦しみます。 PTSDは、認知行動療法や眼球運動による脱感作と再処理法(EMDR) などの心理療法があります。今後、顕在化する被災地のPTSD患者さんのために、こうした治 療のできる専門家が被災県に配置されてほしいです。 EMDRは、特に有効性が確認されています。
日本では、病理レベルの問題が多数起こっているので、認知行動療法、マインドフルネス心理療法が効果的ですので、心理療法やカウンセリングは、 傾聴型に偏らず、認知行動療法者の育成が急務なのです。 何度もいいますが、薬物療法と傾聴型の心理療法に偏っていて、多くの国民が苦しみから解放されていません。認知行動療法者が育成されていません。 私どもが提供している自己洞察瞑想療法(SIMT:マインドフルネス心理療法の一種)もPTSD の症状に効果がみられます。 非定型うつ病にもフラッシュバック、悪夢 また、非定型うつ病の一部にも、フラッシュバックや悪夢、過去現在の混同(ずいぶん遠い過去のことなのについさっきあったことのように意識される現象がある)の症状がみられますが、それも、SIMTによって他の症状(鉛様麻痺感など)の改善とともに、消失します。非定型うつ病にも、不快な体験の想起という問題が起きています。非定型うつ病とPTSDには、類似する神経回路の問題があるようです。一部ですが。PTSDには、鉛様麻痺感、過眠はあまりみられないでしょう。PTSDと非定型うつ病は、別の病気とされています。でも、類似性もあるためか、SIMTで両方とも改善がみられます。背景にある哲学と脳神経生理学的基盤が類似するのでしょう。 なぜ、フラッシュバック、悪夢の改善が見られるのか、よく検討してみると、EMDRの技法に似た技法が自己洞察瞑想療法(SIMT) にあります。「見る」ということを重視する技法です。呼吸法を行っている間、「見る」ことを失わないでいる(思考に入ると「見る」ことが失われる)ことです。 その技法の共通点が、PTSDを改善す る原理であるのでしょう。 発症のもとになった過去の恐怖体験を語る必要がない点でも、EMDRとSIMTは似ています。 カウンセラーにさえも語りたくない、思い出したくない、つらい出来事もあります。それをカウンセラーに語らずに、心理療法を受けることができて、改善できる点で、患者さん本位の心理療法です。ただし、トラウマがあるということだけは、カウンセラーに言わないと、それに特化した助言を得られません。詳しく語らずとも、語りたくないつらい出来事があった(それで今、フラッシュバック、悪夢、回避が起きる)ということだけは告げるほうがいいです。EMDRやSIMTはそれで治療できます。語りたくないトラウマを詳しく聞こうとするSIMT カウンセラーは、誠実なSIMT心理療法者ではありません。EMDRも同様でしょう。「思いだしたくない出来事は告げなくてもいいですよ。課題を実践していると軽くなります。」今ここしかない、今の行動を重視する哲学の実践(つらいことの想起の抑圧否認ではなくて、積極的意志的な現実直視の実践行動)が、過去への想起の神経回路に沈静化をもたらし、過去のフラッシュバック、悪夢を起さなくなるのでしょう。過去は過去、今は今、「あそこ」は「あそこ」「あそこはここではない」。今ここ、にはもう「過去あそこ」はないのですから。 10年くらい前までは、自己洞察瞑想療法(SIMT)がPTSDに効果があるかどうかはわからずにいた頃、新しいクライエントの方が受診したいと希望されたので、こちらも半信半疑で提供してみたところ、改善がみられたのです。最近では、積極的に適用症としてあげるようになりました。 なぜ、EMDRや自己洞察瞑想療法(SIMT)がPTSDに効果があるのか、技法に似た点から、その原理も推測できるようになりました。 (次の記事で) ★被災者の心のケア ★心的外傷後ストレス障害(PTSD) |


