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強迫性障害 [2011年06月28日(Tue)]

強迫性障害

 NHK教育テレビで昨日と今日の2日間、強迫性障害について 放映した。不潔な気がするとか、鍵の確認、ガスの元栓の確認などをしたかどうか不安になる「強迫観念」と、それから起きる不安を打ち消すために不毛の行動を繰り返す「強迫行為」。 外出時に繰り返すと、学校や仕事に遅刻するとか、行為の頻繁さのために肌が傷つくことがある。 一日中、繰り返すので、勉強、仕事をする時間がなくなり、社会生活が障害されるので、休退学、休退職においこまれる。それが、強迫性障害である。 家族の理解がないと、不和となり、苦しい思考を繰り返してうつ病を併存する人も多い。

強迫性障害の治療

 治療法も紹介された。薬物療法と行動療法である。 薬物療法だけでは治りにくいが、行動療法を併用すると治る人がいる。 <エクスポージャー法を行う。
 そうした療法で治らない人に、マインドフルネス心理療法が登場した。すぐに、エクスポージャー法を行なわずに、 種々の心理現象(対象、内容)と作用の観察、不快事象の受容のトレーニングを繰り返して、少しずつ強迫観念をそのまま観察している、強迫行為を少しでも引き伸ばすトレーニング (ゆるやかなエクスポージャー法といえるだろう) を繰り返していく。

仕組み

 強迫観念という「思考」をストップできないという 思考の抑制力が低下している。その強迫観念は不快な内容であるから感情や情動性自律反応が起きる。そのつらさに耐える(受容)力と衝動的行動を抑制する力 が低下している。
 マインドフルネス心理療法では、思考、感情、情動性自律反応、欲求などすべて自己の作用と対象であることを理解して、そのままに映して、建設的なことを選択していく 意志作用を活性化するトレーニングを重ねる。すべてが、自己の心の場所にあることで、作用や対象は移りゆくが、それらが起きる自己の場所はしっかりとしたものであることを体験できるようになる。
 脳神経生理学的には、強迫性障害は、扁桃体の亢進、眼窩前頭前野や背外側前頭前野の機能低下であろう。限界を越えているので、病理レベルであり、病理レベルを扱わない傾聴型のカウンセリングでは治りにくい。認知療法では治りにくくて、行動療法が行われる。亢進しすぎる機能の低下と、機能低下している機能の向上のトレーニングをする必要がある。 不快事象の受容と思いきった行動に踏み出す行動療法的助言が必要である。 思考では馬鹿馬鹿しいことであることはわかっているが、強迫観念が起きると扁桃体が亢進して交感神経も興奮し、感情と身体反応がつらくて、即座の解消を求めて衝動的に行為する。こういう病理であるから、 行動療法やマインドフルネス心理療法で治療できる。

早期発見、早期治療

 強迫性障害は10代に発症して、20歳前後から30代に学業や仕事に支障をきたすので、 この障害を理解しておいて、重症化しない早い段階で治療を開始したほうがいい。
 強迫性障害の方は、行動療法やマインドフルネス心理療法を提供してくれる心理士の指導を受けて、早く治していただきたい。
 思春期には、種々の心の病気がみられるので、家族が特徴を理解しておいて、わが子がどれかの病気の初期症状ではないかと気づいて、早期に治療を開始すれば重症化しないうちに改善するだろう。
Posted by MF総研/大田 at 21:48 | 私たちの心理療法 | この記事のURL