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うつ病を治すには呼吸法を40分 [2011年06月01日(Wed)]

うつ病を治すには呼吸法を40分

 このブログでもご紹介している「あきさん」のブログに CNNニュースの記事を紹介しています。
 この記事によれば瞑想を40分行うと、うつ病はよくなるそうです。 (私どもは、不安障害も) マインドフルネス総合研究所では、瞑想のことを呼吸法・自己洞察法といいます 。自己洞察法を織り込みながら行う呼吸法です。心理療法を自己洞察瞑想療法(SIMT)といいます。マインドフルネス心理療法の一種です。
 私のこの18年のマインドフルネス心理療法(当時はそんな名称はありませんでしたが)によるうつ病の方の指導体験からも、毎日30分以上できる人はよくなっていま すが、それほどできない人は治らないようです。 だから、日記指導では、繰り返し、これを伝えています。
 読書や、他の民間療法、他の治療プログラムの課題、趣味や運動などには時間をさくのに、 呼吸法に時間を30分さかない人がおられます。治るのが相当遅れます。
 呼吸法・自己洞察法は、種々の心の使い方を変えるトレーニングです。その実 行は、脳内の別の神経回路を使うので、脳神経回路の変化を起こして治るのです 。CNNの紹介するセラピストもいっていますね。
 「体の筋肉を鍛えるのではなく、自分の感情を理解し、コントロールしてくれる 脳の筋トレをするのです」と。
 呼吸法(自己洞察法をおりこんだ瞑想法)によって、背外側前頭前野や眼窩前頭前野の神経を鍛えるのです。扁桃体(感情を起す)や否定的な思考を起す内部前頭前野をあまり使わないトレーニングをするのです。
 個別の認知(二元的考え)といちいち、戦う「認知療法」とは異なる心理療法です。 行動療法、認知療法でも効果があまりないようなうつ病、非定型うつ病、不安障害、依存症、家族の不和、暴力行為、心身症などに応用範囲がひろがっています。 こうしたことの予防に、子どもや学生に行う教育が有望です。高校、大学の頃、実習しておくと、成人前後におきるこうした病気、問題を予防することができるでしょう。 中高年に実習すると、がん病病、配偶者喪失、介護状況、リハビリテーション、ターミナルケアなどの 問題が起きた時に、役に立つでしょう。その領域のマインドフルネスの実践プログラムの開発も魅力あるテーマです。 マインドフルネス心理療法は、 これからの日本に、期待できる予防医学、治療法、心の教育プログラムだと思います。
 自己洞察瞑想療法(SIMT)は、日本で開発されたマインドフルネス心理療法です 。マインドフルネス心理療法の効果のすぐれたことが欧米であきらかになりつつ あります。 日本では、系統だって臨床プログラムが行われているところはほとんど無いでし ょう。マインドフルネス心理療法について指導すると書いてあるから行ってみると、補助的なようです。部分的、補助的、短期的などで治るところまで行かないというところがあるようです。マインドフルネス心理療法の「渡り鳥」のようになってしまって困っている患者さんもみられます。 私どものように、系統だった治療プログラムでなかったり、マインドフルネス、アクセプタンスのスキルをくわしくは指導、助言なさっておられないようです。 時間がない、ご自分がマインドフルネス心理療法の実習の講座を受けていないた めだろうと思います。本(翻訳本も)を読むだけで指導なさっておられるためではないでしょうか。 欧米の心理療法者がいっています。指導者が瞑想をおこなわないと、よき指導者にな れないと。日本では、毎日30分の瞑想を1年から数年行って、真にマインドフルネス心理療 法のコツを習得した指導者が実に少ないのです。
 最初のうちは、30分できる人は少ないです。 それが、問題なのです。脳神経生理学的に瞑想が難しい回路になっているのです 。でも、毎日、1,2分づつ増やして、2,3か月の後は、30分できるように なってもらいます。トレーニングによってできるようになります。そうなると、 ワーキングメモリ(作業記憶)の神経回路、意識を分配する心、思考や衝動を抑 制する神経回路、不快事象を受容する回路が活性化してきているのです。そうな ると、逆に、不快な感情の扁桃体が活動を低下しています。うつ病が治る方向で す。
 6月4日、福井の講座でも、呼吸法が長くできるように、復習します。 自己洞察法を織り込みながらの呼吸法が、うつ病や不安障害、過食症などを改善 する決めてです。 指導者になろうとマインドフルネス心理療法を勉強なさっておられるかたも、 2カ月後には、30分できるようになってください。実行してみてわかること、実行しないとわからないことがあります。クライアント(患者)さんに、毎日30分やってくださいと指導者はいうのです。その指導者が、半年、毎日30分やったことがない、それが、いかに大変な要求であるのか、ご自分で体験することが必要です。
 呼吸法、自己洞察法がまさに「薬」です。呼吸法の課題で、脳神経生理学的な変化を起こさせるのです。毎日、十分な量の薬(呼吸法)を服用しないと治らないのは当然です。 こうしたたとえ(メタファー)が多いのが、マインドフルネス心理療法の特徴です。
 いつまでも、呼吸法ができない人がおられるのは、薬物療法の副作用かもしれません。薬物療法との併用、少しづつ減らして呼吸法ができるようにするにはどうするのがいいのか、研究課題です。マインドフルネス心理療法の理解のある医師も研究していただきたいものです。

瞑想していないけれどうつ病になっていないよ!!

 「瞑想していないけれどうつ病になっていないよ!!」
 こういう反論があるでしょうか。 たまたま、限度を越えるストレスを受けないですんでおられる運がよいためです。 でも、人生には、種々の出来事が起こります。
 たまたま、自分で納得できる職種の職場に就職できた、収入も地位も満足、対人関係もうまくいっている、いじめられていない、愛する人が深刻な病気でない、愛する人に離別していない、身体が健康、大震災で多くを失っていない、 だいたい、思いどおりである、 何かのこと(病気、ひきこもり、障害など)で家族が苦しんでいない、 そんな幸福な状態だから、発病していないだけでしょう。
 成功していたかに見える多くの人が、何かの出来事でうつ病になっています。薬だけでは処理できない心理的葛藤がある場合、薬物療法だけでは治らない人が大勢います。
 瞑想を30分程度行えるような心でないと、 運悪く、うつ病になっていくおそれがあるのです。誰でもうつ病になる可能性があります。 呼吸法を30分、以上行うことができる人は、うつ病になりにくいです。 ためしてみてください。呼吸法、瞑想を長時間行うのは、背外側前頭前野、眼窩前頭前野などの機能(ワーキングメモリ(作業記憶)、注意の分配、不快事象の受容など)のようです。ここが十分に活性化していないと、いざという出来事(どこまでのストレスに耐えて発病しないですむかは個人によって違います)で、うつ病になってしまうおそれがあります。 ストレスの強い社会ですから、心の健康が大切です。マインドフルネス心理療法は予防にも 効果的です。マインドフルネス心理療法をやっていたから、難局を乗り越えているという 長年の実践者もいます。マインドフルネス心理療法は、坐禅(「さとり」という宗教的な目標がある)や他の呼吸法などとも違います。自己の心、他者の心の洞察を続けます。
Posted by MF総研/大田 at 07:01 | 私たちの心理療法 | この記事のURL