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つらいですね(3)予期不安、広場恐怖、対人恐怖 [2010年12月19日(Sun)]

つらいですね(3)予期不安、広場恐怖、対人恐怖

  • (A)持続する症状・状況
    慢性的に症状がひどくつらい。抑うつ症状、鉛様麻痺感、起き上がれない 。痛い。あるいは、就職できていない状況、対人関係がつらい状況、いじめられ ている状況・・。 長い間、改善しなかったので、これからも治らないのではないか、変わらないの ではないか、と<考 える>と必ずついらい結果が加わります。ひどく、落ち込みます。それがひどい と、死にたくなります 。消えたくなります。もう、どうなっていいやと絶望的な行為をします。
  • (B)対人関係で感情的になり重い症状が出る
    拒絶過敏性の対人関係が起きた。非定型うつ病にある状況。家族や友人知 人、同僚との間での会話、情報によって、つらい状況になって、感情的になる( 1次、2次)。そして、その人と別れた後、10分後、2,3時間後、数時間後 、思いだして(想起)、推理、反論、批判、怒り、判断、比較、あきらめ、絶望 などを含む思考を持続させる。そうすると、その事後思考によって、つらい感情 (3次)が起こります。そして、おちこみ、気分が悪化して、ひどいと、死にた くなります。こういうことを 翌日、1か月後、1,2年後にも同じような思考をすることもあります。 非定型うつ病の場合には、急性の希死念慮、自殺念慮が起きることがあります。 何日か、何週間か、安定していても、完治しない状況では、こういう発作的な希 死念慮、自殺念慮が強まることがあります。
  • (C)予期不安、広場恐怖、対人恐怖
    予期不安、広場恐怖、対人恐怖があるために、したいことができない苦悩。 予期不安は、次の「必然的な結果推測」とは違います。現実には起らないのです 。そう認知でわかっていても、不安恐怖が強くて踏み出せない。長く続くと、非 定型うつ病になってしまう。
 自己洞察瞑想療法(SIMT)での対処方針を述べます。テキストや助言に書くので すが、ストレスの大きい出来事がカウンセリングの中間に起きて、「つらい」と いう状況になって、間に合 わなくて、直接助言できないことが起きるので、ここに書きます。課題を実行し ている方は、つらいでしょうが、のりこえていただきたい。

不安障害の共通の特徴

 次に、(C)の場合です。不安障害です。 マインドフルネス心理療法を始めても、途中でやめるとか、6カ月から1年程度 で完治しないうちに、やめてしまう。完治しないのでは、ボヤ状態が長期間続い てしまう。
 不安の感情、身体反応、主として心臓の動悸、はきけ、振るえなどのパニック 発作の兆候 のような(現実には発作が起きなくても「起きそうだ」と妄想して恐怖が大きく な る)身体反応におびえる、他者の視線や自分の視線態度が嫌われていると思い、 危機を思うから交感神経が興奮して情動性の身体反応が起きる。仕事から意識が それる、その場に い たたまれなくなる。過去にも、視線などの反応パターンを繰り替えした、つらい 経験をしたことが結びつけられている、習慣化している。
 こうした過去の出来事にとらわれて、不安恐怖が増大して、現在の仕事や遊び の行動の途中で逃げてしまう 「逃避」が習慣化する。そうなることを予期して最初から行動しない「回避」も 習慣化する。こうして、人 とのつきあいをおそれる対人恐怖症になる。人ではなくて、種々の場所をおそれ る広場 恐怖がある。両方とも、予期不安を伴う。 広場恐怖(乗り物、場所を逃避回避)、対人恐怖(人の集まりを逃避回避)があ るために、過去と未来を結びつける予期不安を起して、就職できないとか、外出 (乗り物に乗れない)で きない。こうした構造は類似するので、不安障害と総称される。パニック障害、 社交不安障害( 対人恐怖症、社会不安障害)、心的外傷後ストレス障害、全般性不安障害などが ある。強迫性障害がちょっと違う。不安によって同じ行為(回避、逃避ではない 行為=強迫行為)を繰り返すことにより 、通常の社会生活がそこなわれる。仕事に遅刻する、 仕事に集中できないなど。
 過去と未来にとらわれて、現在の役割行動において、力を発揮してのびのびと 生きることができない。
 こうした、不安障害は、薬物療法があるが、逃避、回避行動がなかなか完治し ないで、長期間就職できないで苦しむ。家族におけるふつうの役割を果たせなく て苦しむ。家族から責められて苦しむこともある。

薬物療法や認知行動療法

 心理療法でも認知行動療法がある。認知行動療法で一部の患者さんが治るが、 治らない人も多 い。回避逃避してはいけない、現実に死ぬのではないことは理屈(=認知)では わかるが、いざその瞬間の不安恐怖 、居心地悪さに(感情や身体反応が加わる)耐えることができない。何度も繰り 返して、これを乗り越えることができない。薬物療法で抗不安薬を服用しても、 認知 行動療法(第2世代)のカウンセリングを受けても治せない人がいる。薬物療法 でも認知行動療法でも治らないので「重症」といえる。

マインドフルネス心理療法でも治すには長期間かかる

 そこで、第三世代の認知行動療法としてマインドフルネス心理療法が開発され た。 この心理療法を始めても、短期間には治らない。長期間回避逃避をしてきた習慣 は根強い。習慣化そた心理的 反応パターンと脳神経生理学的変調(そういう反応パターンをする神経回路が過 敏)があるのだから、簡単には治らない。つらいだ ろうが、長期間、コツコツと心理的反応パターンを変える練習をして、脳神経生 理学的な領域まで も変化を起こすしかない。何を考え、どう行動するか、みな、脳神経生理学的反 応になる。「価値崩壊の反応パターン」ではなく、「価値実現への反応パターン 」を繰り返し練習するしかない。 「2か月,5か月もやったのに、完治しない」というよう な、うつになるような安易な不満の反応をしないことが大切である。回復が遅い ことに不満であると思うと、意欲 の低下やうつ病を併発して、治療もやめてしまう。これは、必然的な結果である 。課題をやめることは回復行動(「価値実現」)の逃避回避である。類似の苦し む反応パターンの再現である。 不安障害の場合には、種々の逃避回避が重層的にあるので、マインドフルネス心 理療法でも完治までには、うつ病よりも長くかかる患者さんが多い。長くはかか るが、やっただけ部分的に改善する。不安恐怖が軽くなる。広場恐怖の一部が解 決する。対人恐怖が軽くなる。「価値崩壊の反応パターン」が少し弱くなるかで あり、脳神経生理学的な変化が少し起きるあらである。1年から2年指導を 受けて、包み映す心、無評価観察、受容、意識の転換など、コツがわかったら、 あと、1,2年は自分で、回避逃避の解消に挑戦していけばいい。少し軽 くなったところで課題をやめてはいけない。残った問題を2,3年で完治させて ほしい。 いくつかの苦手なことを残していると、今は配偶者や親にささえられていて「そ れほど不自由ではなくなったからいい」なんて思うのは、現状が5年10年、ず っと持続する はずという誤解がある。5年、10年で、家族、経済、身体の健康などの状況が 変わる。完治していないボヤ状態であれば、おいこまれる出来事があっては、再 燃するおそれがある。おいこまれての不安障害の再燃であれば、うつも併発する お それがある。種々の変化が起きる、50代、60代の悲劇も多い。

自己洞察がない

 不安障害の背景にも、自分の種々の精神作用をよく知らず、不快事象の受容の 心のスキルがない、根底の自分を知らずに自信がないこと、自己評価が低いこと がある。精神作用を洞察すること、不快事象の受容、真の自己を探求して自己評 価を向上することが解決への方針である。回復が遅いことを嘆いてはいけない、 その反応はうつ的であり治療行動からの退却を招く。5年、10年も回避逃避の 反応パターンを繰り返したのだから、治すには、1,2,3年かかることを覚悟 していただきたい。
Posted by MF総研/大田 at 15:20 | パニック障害・PTSD | この記事のURL