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50歳以降の自殺予備群 [2010年11月02日(Tue)]

50歳以降の自殺予備群

 2009年の自殺で多い原因・動機で多いものは、どの年代も、うつ病、そして、60 歳以上は、身体の病気です。数が多いのは、これなのに、有効な対策がとられる気配 がありません。

      (**)千人以上 (*)500人以上 
 20代30代40代50代60代 70代 80代
 合計人数 ⇒ 35345189575570276023358 12238
うつ病
(全体で6949人、20.4%)
822(*)1235
(**)
1244
(**)
1226
(**)
1219
(**)
795 (*)326
身体の病気
(全体で5226人=15.4%)
72 208320818(*)1406
(**)
1344
(**)
1045
(**)
これも、身体の病気⇒うつ病⇒自殺、だろう
家庭問題
(全体で4117人=12.1%)
335 627(*)736(*)723(*)728(*)511(*) 373
夫婦の不和、親子の不和によるものが多い
これも、家族の不和⇒うつ病⇒自殺、が多いだろう

自殺の多いグループは

  • 30代から60代まで、うつ病で自殺する人
    (これは、生活苦だとかだけではなくて、うつ病になって長期間治らないためだろう。親や配偶者のささえがあるから。うつ病が治らず重症になると家族のささえがあっても抑うつ症状が強いと自殺することがある。)
  • 60代以降、身体の病気で自殺する人
     (60代以降、12,034人=家族と同居していても自殺したのが71%)
     がん、脳梗塞、重い病気の患者の多くが、自殺しないで最期まで闘病するのに、自殺なさるのは、やはりうつ病になってしまって、メンタルケアがされないためでしょう。
  • 夫婦の不和、親子の不和によるものもすべての年代を通して少なくない。家族の 不和が自殺の動機になっている。
これらが多いが、要するに、何かでうつ病になって、うつ病が治らないのが自殺の原 因で多いのです。
また、身体(がん、脳梗塞、等)の病気や家族の不和で、うつ病になって自殺する方 が多い。

60歳から80歳に自殺が多いのですが、 自殺に追い込まれるのは:
 ◆家族の不和、支えてくれていた人の死亡、離別
 ◆支えてくれていた人の支援不能状況の出現
  =支えてくれていた家族が身体・心の病気、老齢、介護状態
があるでしょう。
 こうした、うつ病が治らない、高齢になってから、うつ病になり自殺する。こうし たことは、過労、勤務、多重債務などによるものではないでしょう。うつ病になって 治りにくい。ここに対策の重点をおかないといけないでしょう。うつ病は、若い人も なります。薬物療法で治りにくい非定型うつ病もあります。こうした領域に対策をとってい ただきたいです。自殺予備軍が大勢います。まだ、うつ病ではなくても50歳代になろうとする人です。若い頃から、不安過敏、 緊張気味の人が非定型うつ病になりやすいでしょう。
 60歳代以降の自殺者の71パーセントが同居人がいました。それでも自殺する。つまり、経済問題ではない。若い世代は経済問題によるうつ病、自殺もありますが、数では、60代以降の自殺が多いです。 60歳以降にうつ病になる原因(身体の病気、ささえた人の喪失など)があり、同居人がいても救えていない、治らないで自殺されています。こういう方面の対策も考えてほしいです。
 身体の病気になっても、ささえを失っても、うつ病にならず、自殺もしない人が多いのです。 シュナイドマンが言ったように、一貫した反応パターンがあるようです。そういう反応パターンは変えられます。認知療法やマインドフルネス心理療法で、重症のうつ病や不安障害でさえも治るのですから。 不安過敏、緊張、拒絶過敏性などは、早く治しておくべきです。60歳代になると、ストレスが大きい出来事があり、ささえてくれた人がささえられなくなるので、うつ病になるリスクが高いようです。若いうちに、不安過敏性、拒絶過敏性などを治すと、非定型うつ病の発病を予防できますし、薬物療法で治らなくても治る人がいます。30歳ころのうつ病も予防できるし、60歳以降の自殺も防止できるでしょう。反応パターンを変える心理療法が必要です。そう思います。
 明日は、福井県に行きます。
Posted by MF総研/大田 at 21:44 | 自殺防止対策 | この記事のURL