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(表)宗教の坐禅とマインドフルネス心理療法 [2010年10月29日(Fri)]

「どうやってうつ病、不安障害を治し自殺を防止するのか」

 自己洞察瞑想療法(SIMT)の仮説、治癒理論(この記事は指導者向けではなく病気の人のために)
 ( SIMT: Self Insight Meditation Therapy )はマインドフルネス心理療法の一種である が 1993年、日本で開発適用を開始した心理療法

宗教の坐禅とマインドフルネス心理療法(アメリカ、日本)

 マインドフルネス心理療法は、アメリカで生まれたもの(MBSR,MBCT,ACT,弁証法的行動療法など)も、日本で生まれたもの(SIMT)も 静かに坐って心を観察する手法があり(あまり重視しないものもある)、宗教として の坐禅と似たところがあります。差異は大体、次のようだと思います。禅については 、禅は指導者、研究者によって差異が大 きいようです。ごくまれに、坐禅で心の病気の人の指導をしている人もいるでしょう 。 大体の目安として考えてください。

◆マインドフルネス心理療法(SIMT)と宗教の違い
 
宗教の禅
マインドフルネス心理療法(アメリカ、 日本)
開始時期鎌倉時代、江戸時代1990年ころ
開祖道元、白隠いない、多くの心理療法者
本質宗教医療(治療、予防)
特徴開祖、教義、宗教施設あり。 開祖、教義、宗教施設なし。
目標悟り(多様で禅僧、禅研究者によって違う)。見性、目的をもたない坐禅など) 心の病気の治療が主 (医療教育介護関係者やスポーツ芸術におけるメンタルな方面の向上、リハビリテー ション意欲の向上、がん闘病のメンタルケア等も)
現代社会(組織の外)の問題への応用領域不明 SIMTは、 うつ病、非定型うつ病、不安症/不安障害、過食性障害、自殺念慮・自殺行動、自傷行為、依存 症、慢性の痛み緩和、がん患者のメンタルケア、家族の緊張不和暴力等。 うつ病の再発予防や高齢者のうつ病の予防。
アメリカのものは境界性パーソナリティ障害、薬物乱用も。多様な領域に展開中。
クライアント(訪問する人) 心の病気の人は通常訪問しない。「お断り」の看板のあるところもある。 本来、うつ病や不安症/不安障害の人が訪問。その家族も同伴。
病気に対する態度病気についての原因論、治療方針、治療法はない。 病気(うつ病、不安症/不安障害など)についての原因論、治療方針、治療法がある。
指導者による 病気の症状のアセスメントなしあり

 
宗教の禅
マインドフルネス心理療法(アメリカ、 日本)
指導者による 症状改善のチェックなしあり(毎回とか、セッション5、10、 15、20回目あたり)
用いる手法坐禅、公案(用いない指導もある)
静かに坐る(内面のありさまは指導者によって異なる、目標が違うので、自己の哲学も違うだろう)
呼吸法(用いないアメリカの流派もある)、自己洞察のしかた(種々の作用、意志作用な ど)、ボディスキャン、ヨーガ瞑想、行動活性化技法など。
日本のSIMTは静かに坐って行う自己洞察方法、そして、価値確認の手法、行動中の自己洞察法 を重視。
指導の特徴言葉での説明はほとんどない ていねいな説明
つらい症状についての受け入れの心得なしあり
講話の内容講話のないところもある、講話がある場合、昔の禅僧のエピソー ドが多い。 禅問答といわれるくらい、意味がつかみにくい内容も多い 心の病気の起きるわけ、治し方、自己洞察のしかた等。 心理学的に、神経生理学的にわかりやすく説明(講話がない場合、方法を書いたテキ ストや本で自習)
症状の改善法や実践方法についての質問の機会 まずない。できるところもあるかもしれないがごくまれ。できる。むしろ歓迎される。
日記指導なしあり(行わない指導者、指導法もあ る)
個人指導なしの人、ありの人(入室独参という)あり(プログラ ムによる=個人面談の継続、グループ・セッション方式)
履修期間相当長期間1年程度、長くても3年(症状が軽くなり支援者から離 れて自立できる)
修了の判断いつでも、または、宗派により悟りを印可した時いつ でも、 病気がほとんど治った時、クライアントが満足した時
修了の自由自由自由
テキスト(文章)開祖が記述したもののみ 種々の心理療法者のテキスト、固定しておらず修正、増補、廃止されていく
テキストに対する態度絶対。他の人が追加、変更してはならない(絶対信仰 ) 固定していない、有用(治癒割合が高い)ならば他の人によって修正、増補されてい く(有用性基準)特定分野への新規適用によって増加していく。<病気の治療法だか ら当然>
指導される場所禅寺クリニック、カウンセリング所など。将来、寺でSIMTが行 われるようになることを期待したい。
日本で 現在、受けられる場所全国に多数の禅寺SIMTはマインドフルネス総合研究 所に掲載(他の流派は一般の人が受けら れる場所が不明)
指導者禅僧カウンセラー、医師、心理士ほか習得した人は誰でも
上記指導者によるマインドフルネス心理療法習得の可能性 比較的容易と思われる。 禅の実践と禅の哲学に詳しいので、あとは、脳神経生理学の学習と、 心理療法の独特の手法をまなびさえすればよい。 瞑想、自己洞察の実践、背景の哲学・理論を好きになれるかどうかにかかっている。 支援者でも、従来、用いなかった心の使い方、哲学学習などがあるからである。自分でも、良さが 実感されないと熟練しない。
Posted by MF総研/大田 at 06:15 | 新しい心理療法 | この記事のURL