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非定型うつ病のための心理療法を受けられる制度を作って [2010年07月14日(Wed)]

非定型うつ病や不安障害のための心理療法を受けられる制度を作って

 最近は、非定型うつ病が多い。非定型うつ病の本もよく見られるようになった。不安障害 (パニック障害、対人恐怖症、PTSD、強迫性障害など) や不安(過呼吸、あがり、トラウマ、家族間で不幸など)との併存が多い。
 慢性的な不安、慢性的な身体症状も悪循環を起こして、非定型うつ病の根底には、自己評価の低さ、自己不全感があり、自己防衛として、対人関係の場で 拒絶過敏性を発動させてしまう。拒絶過敏性の対人関係の不安定だけではなくて、鉛様麻痺感、過眠の症状があるために、学校に行けない、仕事に行けないのが重大な症状である。心理的ではなくて肉体的に起き上がることができない。目覚めていられない、眠い。仮病や心理的な逃避ではなくて、痛み、はきけなどと同様に、現実の身体的な異変が起きる。 だから、学校、仕事に行けない、家事もできない、育児もできない。
 なぜ、鉛様麻痺感、過眠などの症状が起きるのか、人は、なぜそういう症状をもたらすように作られているのか。メランコリー型うつ病とは違う原理があるのだろう。 メランコリー型うつ病は自己評価の高い人がなりやすいのだろう。もともと、自己評価が低くないので、薬物療法がききやすい。薬物療法があわない人でも、認知行動療法で順調に回復しやすい。
 ところが、もともと、不安過敏であった人がうつ病になると、非定型うつ病になることが多い。対人関係から退却する身体的な防衛反応(心理的ではなく脳神経生理学的にそういう変調が形成されてしまう)として、鉛様麻痺感、過眠の脳神経生理学的な反応がひきおこされるのだと思われる。鉛様麻痺感、過眠が起ると、もう人にあえない、 人にあえないようにしてしまう、ある意味で、脳がそれを求めている、生命を守るためだろう。 そのまま対人関係をもっていれば、メランコリー型うつ病となり、生命の危険があるとの命からの警告なのかもしれない。うつ病も、非定型うつ病もまだわからないことばかりである。
 私の貧弱な治療経験ではあるが、非定型うつ病は薬物療法だけでは、とても治りそうもない。 低い自己評価、愛情不足、人間不信、自己不全、根元から来る不安など、対症療法的な薬だけでは変われない問題が多い。薬だけで、こうした自己評価の低さや愛情不足、人間不信などが治るならば、親の愛情など不要となるだろう。現実はそんなことではないので、薬物療法だけでは治りにくい。そうした 非定型うつ病が長引くと、社会参加が制限される苦悩の思考を繰り返すことによってメランコリー型うつ病のような症状(抑うつ症状や精神機能の制止など)も加わり、自殺念慮もおきてくる。自殺も起きる。
 いじめ、不登校においこまれる、児童虐待、ストレスをかかえた親、厳しそうな社会、そのほか社会に出る前から不安が多い子どもたち。非定型うつ病をひきおこしかねない社会状況になっている。これは、私が社会に出た 40年前とは異なる。そのころの大人は余裕があり、やさしい人が多かった。仕事も丁寧に教えてくれた。まじめが通用する社会だった。
 今は、社会に出ると、非常に厳しい現実。厳しいビジネス、きびしい人。 こういう社会に、不安過敏な子が出ていく。 これから、非定型うつ病の患者が爆発的に増加するのではないか。薬物療法だけではおいつけないだろう。
 認知行動療法やマインドフルネス心理療法で変わることができる人もいる。本人、家族、カウンセラーの1,2,3年の根気よい努力で変わっていく。 国や自治体も、認知行動療法、マインドフルネス心理療法の必要性を認識して、新しい治療制度を作ってもらいたい。そして、患者だけの問題でもない。社会の種々の問題の犠牲の面もある。教育現場、企業、組織の現場からこの影響を考えた対策をとってもらいたい。こちらは上流の問題であり、ライフリンクなどの調査があり、対策が必要であると指摘されている。

 だが、それだけでは手落ちである。多重債務でもなく、雇用問題でもなく、「うつ病が治らない」こと自体が苦しい人も多い。この対策が考慮されない。配偶者や親や子の収入によって当面は何とか食べていけているから 経済問題などがうつ病になる理由、自殺においこまれる原因ではない場合も多い。経済、雇用問題が治らない理由ではなくて、うつ病や不安障害の治療がうまくいかなくて、3年も10年も苦しむ人が多い。ここからの自殺も多い。この領域の支援対策がほとんど指摘されていない。薬物療法ばかりである。 上流の4つ、5つの原因の対策にのみ目が向けられると、無視、放置される人が大勢いる。 薬物療法だけでは治らないうつ病、不安障害が多い。その対策も軽視してはならない。 不安過敏、対人関係に過敏なため(対人恐怖、拒絶過敏性など)就職できないとか、身体の病気などからの心理的なストレスも厳しい。
 借金しなくてすんでも、雇用機会があっても、拒絶過敏性、対人恐怖、うつ病、不安障害が治らないから退職する、そして治らないから 就職することもできない、復帰できず退職においこまれる人も多いのだ。家事、育児ができず配偶者に理解されず、離婚される人も出てくる。うつ病、不安障害が治りさえすれば、就職もする気持ちがある、家事育児もしたい。だが、治らない。非定型うつ病は身体が重くて起き上がれない。対人恐怖症は集団の中にいられないので職場にとどまれず、退職する。介護によるうつ病、がんや難病によるうつ病も経済、債務、雇用が原因ではない。うつ病が治らないから自殺が起きる。薬物療法だけしか提供されないからだ。
 今後も、経済、雇用などではない原因による、うつ病、不安障害、自殺が多く残るだろう。 この方面の対策、薬物療法以外の対策が極めて遅れている。そうしたなかで、貴重な生命が失われていく。
 無駄な予算の使い道を仕分けして、うつ病、不安障害の治療対策にまわしてほしい。そうすると救える命がある。各県に、数名の認知行動療法のできる人の育成から開始してほしい。
Posted by MF総研/大田 at 07:58 | 自殺防止対策 | この記事のURL