• もっと見る
«パニック障害 | Main | 静岡県富士市でマインドフルネス心理療法の開催準備会議»
うつ病、不安障害などを治す組織 [2010年05月28日(Fri)]
 うつ病の研究をして17年になります。うつ病も新しいタイプのうつ病で苦しむ人が増えてきたようです。もう、従来型の人はほとんどおいでになりません。おいでになるかたは、ほとんど、非定型うつ病のかたです。鉛様麻痺感、過眠、過食、拒絶過敏性などの特徴があります。うつ病ではないように見えますが、非定型うつ病といううつ病です。急なストレスで発作性の症状が現われるので、薬物療法だけでは治りにくいのです。 心理療法によって治る人がいます。
 うつ病は不安障害(パニック障害、対人恐怖症、PTSD、トラウマなど)が長引くとそこからも併発することがあります。不安障害の合併は非定型うつ病が多いです。急性のストレスによって症状が悪化します。薬物療法だけでは治りにくいです。
 うつ病という病気になると、症状の重い、遠くの方は、半年から2年も通うのは身体的、時間的、経済的(交通費宿泊費)に大変です。他の地区にマインドフルネス心理療法を受けられるカウンセリングセンターが地元の方によって設立されることを期待します。 うつ病、不安障害、(ひきこもり、不登校がうつ病や不安障害によって起きる場合も)は、相談機関だけでは、治りにくいでしょう。相談機関が紹介してくれる場所(薬物療法でも治らない場合、心理療法で治してくれる場所)がないと。傾聴だけでは治らない、 病理モデルにまで深刻化したものも多いのです。
 心理療法で治す治療機関が必要です。薬物療法でも治らない病気を、相談ではなくて、治す機関が必要です。
 精神疾患には2つのタイプがあるようです。

(A)現在の薬物療法で長期間治療、支援が必要であるタイプ。統合失調症はこのタイプでしょう。
(B)心理療法で完治する可能性のある精神疾患や心理的問題。うつ病、非定型うつ病、不安障害(対人恐怖症、パニック障害、トラウマなど)、依存症、家族の 不和、パーソナリティ障害の一部、など

(B)は、相談ではなくて、1,2年の治療プログラムが必要です。治れば、支援は全く必要ではなくなります。おのずと、支援内容が、(A)とは違います。
 (A)は、「治す心理療法プログラム」は行われないでしょう。長期的な薬物療法、急性の悩み、就労経済的問題などを相談したり、支援するプログラムが中心でしょう。 2つを分けて、支援計画をすすめる必要があります。(B)が抜け落ちてしまわないように、お願いしたい。認知行動療法は開始すると、1,2年で治る短期間のことなので、ご家族も結束しにくいのですが。
 (B)は、治る可能性があるのに、薬物療法だけで治らないと、3年、5年、10年かかることがあります。つらい病気です。しかし、治ると、うそのようです。病理を起していた前頭前野、帯状回などが全く回復するからです。
 早い時点で心理療法が受けられるカウンセリングセンターを県に一つ作ってください。(A)を中心とした組織のほかに。
 当研究所は、わずかな数の無償のボランティアにより、詳細な助言をするタイプの心理療法ですが、対応しきれない数の参加者(患者さん)になりました。しばらくの間、 今、治療中の方の治療を継続します。もう、新規の受付はできません。
 ほかの地区でもNPOができるといいのですが。1時間以内で行ける場所、各地に、認知行動療法やマインドフルネス心理療法が提供される場所を作ってください。継続的な支援のためには、地域の患者さんを地域のカウンセラー、ボランティア、家族、自治体が一体となって支援する体制でないといけないことがわかってきました。地域の人のうつ病治療、自殺防止は、地域のカウンセラー、地域の家族とボランティア、その地域の医師、自治体が一体となって支援していく体制を。
Posted by MF総研/大田 at 09:29 | 自殺防止対策 | この記事のURL