メランコリー型うつ病 [2010年05月12日(水)]
<シリーズ>うつ病や不安障害がなぜ薬物療法だけでは治らないのか、自己洞 察瞑想療法(SIMT)で治るのか1、背景の神経生理学的基盤と自己洞察法の哲学
(2)メランコリー型うつ病次に、メランコリー型うつ病(以下、単に「うつ病」とも記す)がなぜ薬物療法 で治らない人がいるのか、自己洞察瞑想療法(SIMT)でなぜ、治るのか。 メランコリー型うつ病の重大な症状は、抑うつ症状、快・喜びの喪失、睡眠障害、 種々の精神作用の機能低下、自殺行動、自律神経系の失調に似た種々の身体症状で ある。非定型うつ病とはかなり違う。非定型うつ病とメランコリー型うつ病は違う 精神疾患なのかもしれない。 セロトニン神経に作用する抗うつ薬のきき方が違うので、 違う病気かもしれない。 非定型うつ病の人に、 抑うつ症状、睡眠障害、種々の精神作用の機能低下、自殺行動があらわれるのは、 非定型うつ病が長引いているうちに、メランコリー型うつ病を併発したためかもし れない。 がんになっても、事故にあって障害が残っても、愛する人が亡くなっても、死の恐 怖、思いどおりにならない苦痛や哀しみの心理的ストレスの処理によっては、うつ 病になるのであるが、こういう場合には、非定型うつ病ではなく、メランコリー型 うつ病になるだろう。うつ病の症状うつ病の診断基準にある症状は次のとおりである。
仕事ができなくなったり、自殺するのは、@抑うつ、A快・喜びの喪失、B希死 念慮、自殺念慮、E活動の制止、G自責感または無価値感、H精神作用の機能低下 (思考や集中力の低下、決断困難)が関係している。 うつ病の症状が発現する脳神経生理学的な理由うつ病に特徴的な症状のうち、抑うつ症状、快・喜びの喪失、種々の精神作用の 機能低下(意欲、ワーキングメモリ、コミュニケーション、記憶、など)、自殺行 動について考察する。快・喜びの喪失は、ドーパミン神経や視床下部の変調のようである。 他の症状は、前頭前野や前部帯状回、海馬などの機能低下によると見られる。こう した部位の容積が小さくなっているという報告がある。
「CRFは実験動物において性行動の減少、食行動の減少、睡眠障害、青斑核活 性 化および視床下部・下垂体・副腎(HPA)系活性化などうつ病患者で観察される のと 類似した症状あるいは機能変化を引き起こすことが報告されている。」(注1)
ストレスを受けると扁桃体が亢進して、視床下部からCRFが分泌され、副腎皮質 からスト レスホルモンの分泌をひきおこす。これが、繰り返されると、HPAの抑制 機能が そこなわれて、ストレスホルモンの分泌が多くなる。ストレスホルモンが 、前 頭前野や海馬に達すると、前頭前野や海馬の細胞をそこなって、その機能が 低下する。うつ病独特の精神症状があらわれる。集中できない、記憶障害、意欲が ない、な どである。 メランコリー型うつ病が治りにくいわけ非定型うつ病は現在認可されている薬物療法では治りにくいが、メランコリー型 うつ病は抗うつ薬で治る人も多い。しかし、一部の人が治らない。 なぜだろうか。抗うつ薬は脳由来神経栄養因子(BDNF)を増加させるという報告があるので、容積 が小さくなった神経細胞を回復させることによって、うつ病が回復する人もいると 推測される。だが、抗うつ薬は「非常に重症」を「重症」のレベルにするが、そこ からはあまり効果がないという研究報告があった。 セロトニン神経に作用する薬では、前頭前野、帯状回、海馬などの神経細胞を回 復するのに間接的であるから効果が弱いのだろう。セロトニン神経が弱ることでは 、他の障害も起きる。パニック障害、痛みの改善など、前頭前野機能ではない症状 にも効いている。セロトニン神経に作用する薬では、前頭前野の神経細胞には効果 が弱いようである。 また、うつ病になると、否定的な考えを繰り返すから、ストレスホルモンの分泌 が止まらず、薬の効果を打ち消すだろう。 うつ病は重い抑うつ症状が薬で軽くなってから、集中力、意欲、記憶力、対人コ ミュニケーションなどが回復しないことがあるが、これは、前頭前野、帯状回、海 馬などの機能である。薬では回復しないと思われる。また、こういう機能が回復し ても、またストレスの同じ程度の職場に復帰するので、(初回、それで発病したの で)当然といえば、当然、再発するだろう。心理療法によって、ストレス対処の心 得を学習しなかった場合である。 こうしたことから、メランコリー型うつ病も、休養して薬物療法を受けるだけで は、前頭前野、帯状回、海馬などが回復しない人がいることで、うつ病が治らず、 復帰できないのだろう。 治るわけ(文字が超過するので、別の記事にします)⇒メランコリー型うつ病が、なぜ自己洞察瞑想療法 (SIMT)で治るのか |


