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うつ病、前部帯状回、認知行動療法 [2010年04月23日(Fri)]

うつ病、前部帯状回、認知行動療法

 テレビ朝日で、4月20日にうつ病についての紹介がありました。 概要がホームページに掲載されています。。
    テレビ朝日 →「家庭でできる健康プロジェクト」→10/04/20 最新! うつ 病にならない タイプ別ストレス対処法スペシアル
 この中で、うつ病の治療について注目すべきところは、うつ病患者の脳はネガテ ィブな言葉によって前部帯状回が亢進しやすいこと、認知行動療法で改善する(こ この部位の改善だけではまだ完治とはいえないが)ということでした。
 広島大学の先生がたは、うつ病患者の前部帯状回が亢進するということを早くか ら注目されていたようです。ここに07年の記事があります。  不快事象の予測に前部帯状回(情動領域)が亢進します。この記事でいう図4は、私どものカウンセリング、心の 健康クラブ、カウンセラー講座でしばしばおみせしているものです。次回の カウンセリング、心の健康クラブ、カウンセラー講座でもまたご覧いただいて、う つ病や不安障害を治す方針と自己洞察瞑想療法(SIMT)の関連を理解していただきま しょう。自己洞察瞑想療法(SIMT)は、こうした脳神経生理学的研究成果を常に参照 していきたいと思っています(神経生理学的フュージョン(連合))。
 うつ病患者は前部帯状回(そのうち情動領域)が亢進して、背外側前頭前野が低 下している。上記の参照記事に関連が書いてあります。前部帯状回には、情動領域と認知領域がある。うつ病患者に亢進がみられるのは情動領域。背外側前頭前野や前部帯状回認知領域は、ワーキングメモリ(作業記憶) の機能を持つ。うつ病、不安障害になると、ワーキングメモリの機能が低下する、 情動領域が亢進して、ワーキングメモリ機能(つまり、西田哲学でいう意志作用に 近い)をうまく活性化させることができずに、感情的な衝動的な行動をしやすい。 うつ病(不安障害も)を治すには、前頭前野、前部帯状回認知領域を活性化させる こと、前部帯状回情動領域、扁桃体(感情を起す)の興奮をしずめることが治療方 針となる。この神経生理学的フュージョン(連合)を考慮した心理療法がうつ病、 不安障害の治療には効果が高いはず。
 テレビでは、認知行動療法が紹介されました。3か月の治療で前部帯状回(情動 領域)の亢進が改善されたと画像を示していました。テレビをみていると 3カ月で「完治」したのかと誤解されそうですが、その後に、もう少し長く認知行 動療法を受けるといっていました。うつ病は種々の脳神経の領域に変調が起きてい て、前部帯状回情動領域が改善しただけで完治するわけではないようです。背外側 前頭前野も改善しないと仕事をするワーキングメモリが動かないです。鉛様麻痺感 を起す部位の亢進がしずまらないと非定型うつ病は完治しないようです。
 確かに、うつ病も非定型うつ病、メランコリー型うつ病、ディスチミア親和型う つ病などがあって、簡単ではありません。自己洞察瞑想療法(SIMT、マインドフルネ ス心理療法の一種)では、非定型うつ病、メランコリー型うつ病は1,2年かかっ ています。長引いた人が多いのでしょうか、とても3カ月では完治しません。 ディスチミア親和型では、カウンセリングから脱落する割合が高いでしょう。今は、種々のうつ病があって、治療も難しいです。心理療法の課題をすることさえも難しくなってしまわないように、早期に心理療法を受けるのがいいと思います。
 画像診断で、うつ病であると確定診断ができても、問題は、治療技法です。薬物 療法と心理療法などが発展する必要があります。テレビでは、認知行動療法が紹介 されました。もっと効果のある心理療法も開発されるべきです。 マインドフルネス心理療法には不向きな患者さんもおられるようだから、 認知療法、マインドフルネス心理療法の両方とも必要でしょう。自己洞察瞑想療法 (SIMT)は認知的技法(いわば思考内容だけを標的にする)を用いません。 だから、心理士にも、患者さんにも向き不向き、好き嫌いがあるでしょう。 従来の傾聴型、認知療法では効果がない患者さんにおあいすることが多い医師、心理士、カウンセラ ーのかたには、マインドフルネス心理療法も一つの有力な治療法となるでしょう。 (興味深いことですが、マインドフルネス心理療法は病気の治療だけではなくて、 人生観、人間観、生死観などにも影響を及ぼすようです。いわゆる東洋の哲学が背景にあるからでしょう。)
 自己洞察瞑想療法(SIMT)では、不快事象、感情的なことが起きても、無評価で観 察する(この時、背外側前頭前野、帯状回認知領域が活性化すると推測される)ト レーニングを重ねる(ワーキングメモリ、意志作用の活性化のトレーニングになっ ている)ので、うつ病、不安障害が完治するに至る(期間は患者さんによって違う )と推測されます。ところで、従来の「認知療法」は、ワーキングメモリの機能で はなくて、「思考作用」の部位に影響させるでしょうから、自己洞察瞑想療法 (SIMT)とは違う反応をするでしょう。認知療法でうつ病、不安障害が完治したとい う人は、認知を変えたあと(あるいは同時並行で=つまり、認知と行動を変える)、ワーキングメモリ、意志作用が活性化する「行動」をした人ではないでしょう か。認知、思考を変えるだけでは、治りにくく、従来の「認 知療法」だけでは治りにくい患者さんも増えてきたようです。アメリカでは、認知 療法のさらに先を行く、マインドフルネス心理療法が盛んになってきています。認 知療法もマインドフルネス心理療法も指導できるようになるためには、カウンセラーが勉強しないといけません 。簡単には指導技術を習得できないでしょう。認知療法、マインドフルネス心理療 法と患者さんの選択できる治療法がふえてきました。しかし、それを提供できる医 師、心理士、カウンセラーは多くはありません。従来の日本ではあまりなかった新 しい領域ですので、チャレンジ精神に富む人が勉強してほしいと思います。そういう新しい心理療法の領域に参画する若い人が報われる=職業にして自活できる道を国、県は考えていただきたいです。
 うつ病患者の脳画像をみながら、次回の、カウンセリング、心の健康クラブ、カ ウンセラー講座で、前部帯状回と自己洞察瞑想療法(SIMT)の課題との関連をみまし ょう。
Posted by MF総研/大田 at 11:01 | 自殺防止対策 | この記事のURL