自殺防止へ、うつ病患者支援 厚労省、ビジョン策定へ [2010年04月04日(日)]
自殺防止へ、うつ病患者支援 厚労省、ビジョン策定へ「長妻昭厚生労働相は3日、うつ病など精神疾患がある患者への支援策などを盛 り込む「精神保健医療のビジョン」を年内に取りまとめる考えを明らかにした。」 と朝日新聞が報じた。 (⇒ asahi.com(朝日新聞 4/4/2010))ようやく、うつ病が治らない患者の支援対策が検討される。うつ病を早期に発見して薬物療法を受けるようにとの対策がすすめられてきた。だが、うつ病の薬物療法は「非常に重症」を「重症」段階にする 段階の効果しかなく、それからがなかなか完治できないという研究成果が発表された。欧米では、認知行動療法のカウンセラーが多いせいか、自殺が日本より少ない。日本には認知行動療法に 熟練した心理士は少ない。認知療法でも治らない患者がいる。治る仮説がずれてい るようで、認知を修正しても治らない患者もいる。認知(思考)作用を変えるのではなくて、認知の認知、西田幾多郎のいう「作用の作用」、つまり、意志作用を活性化する必要があるのだろう。マインドフルネス心理療法はア メリカでは盛んになっているが、日本ではその心理療法者はほとんどいない。うつ 病は深刻な病気であるから、相談や傾聴型のカウンセリングでは治せない。半年か ら2年にわたる積極的な助言をする心理療法の提供が必要である。特殊な領域のうつ病はさらに難しい だろう。 こうした現状なので、うつ病(不安障害、依存症、パーソナリティ障害からもう つ病が起きる)の患者が治らないで苦しみ、自殺していった。自殺防止対策として、ようやく、うつ病患 者の支援の計画が策定される。心理療法者の育成、熟練には、指導者(教育できる認知行動療法者がいたとしても)がすぐ育成を 始めても2,3年かかる。自殺防止対策として早期のうつ病発見と薬物療法開始がうたわれたが、そのうつ病の治療が薬物療法だけでは不充分であることが認識されなかった。うつ病の薬物療法を受けたのに治らない、自殺する人が多かった。自殺防止対策としてうつ病の薬物療法以外への視点に着目するのが遅れているが、 今度こそ、イギリスのように現状をよく認識して、実効性ある計画を作っていただきたい。 傾聴型の心理療法者は認知行動療法の心理士を育成できないので、うつ病の認知行動療法者を育成する体制づくりが難しそうである。各県でどう推進していくのか、実施段階での困難さがありそうであるが、少しづつでも進めていくしかない。うつ病や不安障害は、動物でもある脳幹や大脳辺縁系だけの変調ではなくて、高度の「意志作用」の低下の意味があるので、どうしても 薬物療法だけでは完治が難しい患者が多い。長期的に将来を考えると、どうしても認知行動療法者をたくさん育成して、それが医師のように、職業として自立できて、認知行動療法者になる人が多くなるような制度を作らなければいけない。うつ病の治療には、うつ病の病理の深い理解と治療手法の習得が必要である。これも熟練とその後の研鑽が必要である。幅広い領域で精神疾患でないレベルの悩みを扱う「臨床心理士」とは別の病理レベルの治療、心理療法ができる心理士(医療心理士はその方向か?)が必要だろう。積極的な助言でうつ病を治す心理療法に熟練したセラピストが必要である。 熟練度によって治療割合が違ってくる。セラピストに継続した自己研鑽、研究が要求される。 各県に、認知行動療法やマインドフルネス心理療法のセラピストがほしい。 そうでないとうつ病の患者、家族はいつまでも救われず、ひきこもり、自殺が減少しないだろう。 |


