今、ここ、自己を知る [2010年01月21日(木)]
今、ここ、自己を知る=マインドフルネス心理療法と西田哲学マインドフルネス心理療法は禅の哲学(多分、人の心の真相の哲学)によって心の病気がマインドフルネス心理療法で救われる構造を西田哲学(西田幾多郎)の言葉で簡単に見ている。 今、ここ、自己真に自己を知るということが自覚であるが、今、ここのほかに真の自己を見る、自己を知ることはできない。「私は、今、ここ」にしかない。自己の真相を知るには、今、ここにしかない自己を知ること、すなわち、自覚が必要となる。
マインドフルネス心理療法へ精神疾患になると、自己を見失う。今、ここに真剣に生きることができない。過去を悔い、過去を嫌悪し、未来を持ち来たり、あそこ(職場、社会、広場恐怖の場所など)を嫌悪して、今、ここの行為を回避する。 それによって苦痛から解放されない自己を嫌悪、否定する、否定してはならない生命を自我の見解で否定する。 今、ここにしかない自己の真相を知らない、すなわち、自覚がないために精神疾患の症状が持続する。いま、ここ、現在の自己を知らない。そういう自覚に基づく自己や世界(客観=他者、職場、仕事など)の真相を知らない。今、ここの自己は矛盾的なのである。主客、過去現在未来、内外、見るもの見られるもの、知るもの知られるもの、対立矛盾するものが合一である。 自己を無にして、自我の見解を立てず、今ここに現われている事実をあるがまま包み映して反省し自己を自覚する訓練をくり返すことによって、嫌悪していた客観、否定していた自己が矛盾的自己同一という眼で見直されて、苦悩の思考、行為から離れていく。こうした苦悩の思考、行為から離れることで精神疾患は治癒するが、精神疾患の症状(前頭前野や帯状回、海馬などの機能と考えられる集中力、意欲、記憶、コミュニケーションなどの低下)が軽快する理由は、西田哲学からだけでは説明できず、神経生理学的フュージョン(連合)から説明できる。苦悩の思考、行為から離れていくこと、自覚的な行為を繰り返すことによって、障害を受けていた前頭前野、海馬、帯状回、HPA系(視床下部ー下垂体ー副腎皮質)などに脳神経生理学的な変化が起こり、そのことによって機能回復が起こり、症状が消失すると推測されるが、まだ正確なことは解明されていない。 マインドフルネス心理療法のうちの「自己洞察瞑想療法」は、西田哲学(禅の哲学)と脳神経生理学的知識(自覚にうらづけられた)を根拠とした心理療法である。 西田がいうように、知識は直観的な事実の反省、自覚に基づくものでなければならない。 真か嘘かわからない知識、自覚できない理論に基づく心理療法、医療行為も自殺防止等の支援行為も、自覚のない行為も かえってクライアントに苦しみを加えるかもしれない。治療者にも、自己自身(それが苦悩する他者の自己)の自覚が必要だろう。倫理というものだろう。西田がそれも警告しているように思われる。 (続)
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