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謹賀新年!(心の病気の哲学) [2010年01月01日(Fri)]

謹賀新年!

ブログへ、カウンセリングへ、心の健康クラブへ、マインドフルネス心理療法講座へ、・・
ご訪問ありがとうございました。

 昨年はいろいろつらいこともありました。 今年はみなさまにとっていい年になりますようにお祈りいたします。

 今は、高望みでもない平凡な願いさえもかなえられなくなっています。特に経済的な苦悩、現代の医療でも治りにくい難病による苦悩、介護のつらさなどは個人の努力を超えています。切実でない領域での予算を見直しして、経済的な支援や治療の研究、介護福祉の領域に予算をあつくしていただきたいと思います。そうした経済社会、福祉的な支援は国の対策を期待することにして、一方個人でできる変革を少しづつやっていきたいと思います。
 働く場があってもうつ病、不安障害(さらにそこからの依存症)で休職、退職してしまい復帰が難しい場合も多くなっています。うつ病が治らず、仕事があっても就職する意欲もない、就職支援ではなくてメンタルケアの支援が必要である方も多いです。 定年後の高齢者もうつ病、自殺が多いです。必ずしも経済的就労問題ではありません。 そういう場合は、経済社会的支援をあつくしてもうつ病が治るとはかぎりません。仕事はある、職場はある、復帰しようとすると精神症状、身体症状が強まり、発作が起こり、仕事に復帰できない。経済問題ではなく、種々の喪失、がん、介護状態などによるうつ病です。 こういう場合には、経済社会的支援ではなくて、メンタルケアの支援、医療、精神医療が必要です。薬物療法で治らないなら、ストレスの受け止め方、自分の生き方を見直す心理療法が必要です。心理療法は、個人の人生観、生き方を見直す努力が必要です。他者の外形の支援ではありません。個人が内面を変えていくことになります。

心の病気の哲学

 =マインドフルネス心理療法と西田哲学

 マインドフルネス心理療法の救われる構造を西田幾多郎の言葉で簡単に見ている。

心の病気の哲学

 心の病気と治療の原理をマインドフルネス心理療法の立場、背景の哲学から考えてみます。
(カウンセリングを受ける心の病気の方にはやさしく説明します。哲学的にではなく、高校生程度で理解できるように説明します。)

 自分は家族、職場、地域、国、世界の一員ですから自分が変われば、 家庭、職場、地域、国、世界が変わる。家庭、職場、地域、国、世界が変わると自分の生きる場が生き易く住みやすくなる(主観と客観が自己の根底において同一)。 直接に実在するものと考えたものとは違う。考えは現実と離れてしまい、考えが次々と暴走して、実在しないものに思考をめぐらして不安、恐怖、不満を感じてしまう。 家庭、職場、近隣、地域、国、世界の客観のいずれかが嫌悪的になるとそこを回避する、主観と同一であるがゆえに世界の嫌悪が自己嫌悪となり、うつ病となる。客観の世界でも最も基礎となる家庭が経済的に困窮してささえがたくなっており生きる世界が少なくなっている。世界の崩壊が自己崩壊となる、生きがたくなる。うつ病は自己自身の生きる意欲を奪う。
 不安障害は予期不安、広場恐怖があるので、職場、近隣、地域、国、世界などの客観世界に出ていきがたくなる。家庭は不安、恐怖的ではない、そして、脅威的嫌悪的世界は、職場、近隣、地域、国、世界などの一部に限られているが、徐々に拡大する傾向がある。重要な世界が脅威的になるとうつ病も併発する。

客観か主観の脅威・嫌悪の克服

 自我の評価判断を使わず自分を没して家庭、職場、地域、国、世界の動き、身体状況、症状の現実、実際をそのままに観察すると、すべてが違う様相をして見えてくる(行為的直観) 。 自分の評価や考えをめぐらさないで観察していると種々のもの、人の動き、症状などが心に現われては、消えていく。意識されるものを自分の評価を入れずに観察していると、いつもすべてを映して働くものが自己の根底にあるような感じがしてくる。自己を深く探求していくと、世界(客観)と別にあって対立するような自己は存在せず、すべてのものが現われ消え行く、すべてを包み映すという意味で自己と世界が同一であるような根底を自覚する(絶対無の場所)。 自己を脱落すれば、映される客観のみとなり、映される意識現象はすべて自己となる。自己が脱落すればすべて世界である。そうすると自己の行動のすべてが世界の行動である。自我を強く持ち、世界を自己と対立するもの、自分の外にあるものと見て、 自分の評価や考えをめぐらすと、動いていた実在するものの姿を明瞭には映さなくなり、不安、恐怖、不満、嫌悪、怒りなどの感情が現われる(価値崩壊的な行為的直観)。 種々の悲観的、否定的な思考に長時間ひたっていることが多い。自分の評価判断思考を動かしている間は、目前の人、環境が見えず、感情、考えが心を占領する。思考も直接経験であり、いったん思考が始まると無意識に思考は回転していく(思考も純粋経験)。思考している最中には考えていることが自覚されていない。見えていない。気がついた時に、思考は中断している(反省)。その時に、再び思考に突入すると再び自己を見失う。
 否定的思考は危険である。感情思考に刺激されて周囲の人、環境と自分の身体内部に働きかける。外部が自我を持つと、怒りや悲しみをもたらす。身体内部では 交感神経が亢進して種々の身体症状を引き起こし、ストレスホルモンが分泌されて前頭前野、海馬、帯状回の神経細胞を変化させて精神症状をひきおこす。こうして、 自分自身も環境も変わる。
 自分の評価判断を脱落して執着しないであるがまま外部から(と見える。自己を脱落する時、内外はないが)の情報、内部から(と見える)の状況を受け入れ映して、事実のままに観察して、不快であっても、よりよき自分と環境を創造するような行動をしようという意志を起し行動する(自由意志)。そうすると自分も環境も変わる。人は、目標を失うと目標に向けての行動をしないものである。高望みではなく人並みの平凡な幸福を得たい、不幸な人生にしたくないという実現可能な目標を強く持ち続ければ、そのために病気を治そうと思えば、することがある。自我をめぐらして、現実の世界を否定嫌悪した行動をせず(価値崩壊の行為的直観)、思考感情におおわれて現実を見失ってしまうこと少なくして、自分と周囲がよくなるようなことをコツコツと行動していく(価値実現の行為的直観)。そういう行動が身体内部世界(脳神経生理学的)も変えて症状が軽快する。こういう方法がマインドフルネス心理療法である。

今年は願いの実現

 昨年はご自分が不本意であったかたも、今年は不本意という考えを少なくして、願いに近づくために今できることがあることを実行すれば、一歩ずつ願いに近づくでしょう。何もしなければ状況は変わらないかもしれません(国の経済的支援はあるかもしれませんが)が、自分が何かをすれば自分も環境も変わります、自分が家庭、職場、地域、国(総じて環境、世界)の一要素、一部分ですから。現実からそれた自分の評価のスイッチを切って現実に起きる現象を自我の眼を抜きで見て、よりよき未来、世界を作る行動は何かを考えて実際行動していきます。呼吸法の実行、自分の心の探求から開始します。すると、少しづつ世界が変わる、自己が変わります。心の病気は治ります。マインドフルネス心理療法の実践理念です。

 自己は世界の中で生きている。自己は世界の一要素であり、世界は現在から現在へと絶えず動いて行く。自己は世界の一要素である、自己が変われば世界が変わる、創造的要素である。自己を脱落して行動する時、すべてが世界であり、世界に動かされて自己が働くと世界が働く(作られたものから作るものへ)。自己は世界の要素であり自己が変わることで世界が変わる、変えられるところを変えていくことで、身体内部世界も変わり、心の病気が治る。個人の努力には限界がある、個人の努力を超えるところは家庭、地域、国の支援が必要である。

今年もまたどうぞよろしくお願いいたします。
Posted by MF総研/大田 at 08:37 | 私たちの心理療法 | この記事のURL