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千葉大で認知行動療法者の育成始まる [2009年12月28日(Mon)]

千葉大で認知行動療法者の育成始まる

 うつ病の治療に、認知行動療法が効果があることは世界的によく知られている。日本は先進国の 中で自殺率が最も高い。自殺した人の多くがうつ病であり薬物療法を受けているのに自殺している 。薬物療法だけでは治りにくいうつ病が増えている。ストレスがある時に、その受け止め方が悲観 的、嫌悪的、否定的であるという考えが持続すると、神経生理学的反応が起こり、うつ病が悪化す る。薬物療法を受けても、その心の使い方を変えないと、うつ病は治りにくい。
 千葉大で認知行動療法者の育成始まることになった、朝日新聞(12月26日)が伝えた。
 千葉大大学院医学研究院が10年4月から始める。対象は精神科医、看護師や臨床心理士ら現役 の専門家。募集は20人程度。2年間、毎週教える。清水栄司教授らが教える。
 「国内の大学院では、体系的に認知行動療法を教えるカリキュラムがあるところは少なく、専門 的に認知行動療法を学んだ人は、数十人程度と言われる。」
 清水教授は「認知行動療法を普及させるには、養成を進めるのが遠回りのように見えて近道。千 葉大の取り組みが成功すれば、都道府県単位でこの取り組みを広げたい。」という。
 日本でもようやく大学院で認知行動療法者の本格的な育成が始まる。全部の県で行って、うつ病 や不安障害、依存症などを治して自殺防止の重要な一面、メンタルケアの視点からの支援を拡大し ていただきたい。
 第2世代の認知行動療法には、認知的技法、行動的技法がある。 第2世代の認知行動療法(認知療法を主にする)でもなおりにくいうつ病も増えているので、マイ ンドフルネス心理療法も検討していただきたい。 マインドフルネス心理療法は、認知でもない、行動でもない、心の反応パターンを変える、自己観を変える。西田哲学でいえば、現在の瞬間の「行為的直観」ができるように、真の自己とは何かを行為的に習得していくのである。 現実の患者さんには認知的技法の実行が難しい人があるので、 マインドフルネス心理療法的技法も加えていただきたい。せっかくの2年間なのだから、うつ病に 効果のある種々の認知行動療法を駆使できる人を育成したいただきたい。 千葉大の効果がわかるのは、2年後である。遠回りだが、千葉周辺の患者さんが真っ先に利益を得 ることになるだろう。 千葉大で教えてもらった人がさらに他の心理療法者を育成できるようになるには、数年の臨床経験 の後だろう。生徒が先生になってさらに多くのひとを育てる。普及には相当、長期間かかる。もっとも、清水教授が全部の県で育成されればいいの だが、自分の組織での本務があるので、限られるだろう。 他の県の専門家はどう考えておられるのだろう。
 私どももマインドフルネス心理療法者の育成を行っている。毎週1回の講義、実技、臨床の立会 いが理想的である。だが、時間と費用の面から、多数回出席できる人はかなり少ないだろうから、集中 講座方式をとっている。できれば、年間を通して、毎週1回か隔週に講座を提供する方式がいいの であるが、希望者の方が相当の遠隔地であるから、 時間と費用の制約があり、 集中講義とならざるを得ない。 心理療法の育成は現地の専門家が現地周辺の希望者を指導する方式が好ましい。わかっているが、育成側からも受け る側からも制約が多い。育成には多大の時間と費用がかかる。心理療法の普及は難しい。長期的展望にたって国や県が推進しないと普及しない。早く着手してほしい。千葉が先んじたわけである。マインドフルネス心理療法者の育成もどこかの大学でもすすめてほしい。 アメリカの動向からみて、第二世代の先をいっている。種々の問題に貢献できる可能性がある。
Posted by MF総研/大田 at 07:26 | 自殺防止対策 | この記事のURL