非定型うつ病をマインドフルネス心理療法で治す(2)
=長引くうつ病を治す
=非定型うつ病を治す
=長引く不安障害を治す(パニック障害、対人恐怖症、PTSD)
=過食症、リストカット、家族の不和
=がんや痛みや難病、介護からのうつ、自殺したくなる気持ち
=これらによる自殺を防止する
2種の技法
マインドフルネス心理療法(自己洞察瞑想療法、SIMT)
は、精神疾患や心理的問題は、6つの心理的柔軟性の欠如によって起きるという仮説に
基づきます。これを改善するための技法が6つあります。
「目標技法」だけを説明してもクライアント(患者)が実行することは難しい。そこ
で、「形式技法」の中で実行することを指導する。どちらか、一方だけを実行しては、
改善効果が早く現われない。
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「目標技法」
=うつ病、不安障害などの人にある「6つの心理的柔軟性の欠如」を改善する6つの
「目標技法」。(A)直接体験注意傾注法、(B)価値保持法、(C)機能分析法、(D)徹底的受
容法、(E)連合解消法、(F)認知傾向修正法である。
-
「形式技法」
=どういう場面、方法で「目標技法」をおりこむか、その場面、方法。6種類にグル
ープ化している。(a)呼吸法、(b)現在感覚等観察法、(c)生活技法、(d)行動活性化技法
、(e)運動技法、(f)高次脳機能活性化技法である。
非定型うつ病への適用
精神疾患や非機能的行動には、慢性化した症状(慢性症状・持続的行動)と、何かの
きっかけで起きる急性の反応、症状、行動(急性ストレス反応)とがあります。
心理的苦痛を軽減したり非機能的行動を改善するためには、その苦痛や行動がどのよ
うなきっかけ(刺激・感覚・状況など)で起きるか、きっかけなしに起きるかをアセス
メントして、避けられない苦痛ならば、その症状・行動を受け入れのトレーニング計画
を作ります。改善できるものは改善するためのトレーニング計画を作ります。そして実
行します。そのトレーニングは以前の認知行動療法にはなかった技法をもちいます。
何度もいいますように、マインドフルネスやアクセプタンスが新しいトレーニング技法
です。このトレーニングを織り込むトレーニングを計画の中にとりこみます。
非定型うつ病ならば、次のように治療方針をたてます。(他の障害、問題は、その背
景にある連鎖を分析します。)
- 共通課題(非定型うつ病の患者に共通の症状、反応、行動の改善課題)
たいていの患者さんに共通の症状・反応・行動があるので、
すべての患者さんに共通の改善課題を実行していただきます。
- 個別課題(個人によって異なる症状、反応、行動の改善課題)
うつ病には自律神経系の失調が伴うので種々の身体症状があって、個人によって違いま
す。
他の反応、行動、苦痛も個人によって違います。その個人独自の反応パターンの改善計画を立てて実行します。
その苦痛の受け入れ、もし改善できそうであればその改善の方針を立てます。その
方法もテキストに記載していて、少し、トレーニングが数回すすんだ段階で、そのガイ
ドによって患者さんが自分で計画を作ります。
これら共通の課題、個別課題の作成方法は、セッション1から10のテキストに記載
されています。
共通の課題
非定型うつ病は一般的にモデル図のような連鎖(きっかけ<刺激>→個人の反応→結
果の症状悪化)が観察されます。その結果がまたきっかけ<刺激>となり、反応、結果
が起こります。次の(→
非定型うつ病のモデル)
そこで、こうした連鎖を繰り返す非定型うつ病を改善するためには6つの「目標技法
」を織り込むトレーニングが次のように計画されます。
- 慢性化症状
慢性化症状は、抑うつ気分(焦燥、イライラ、きっかけのない不安なども)、
身体症状がある人が多い。これらは背景に神経生理学的な変調があるためであるという
仮説を持つ(神経生理学的フュージョン(連合)。症状がとれない間は、アクセプタン
ス(受容)の心得をトレーニングする。受容できないと、嫌悪的、悲観的、否定的な思
考を繰り返して、そのことが症状を持続、悪化させるので、受容の心得をトレーニング
する。(a)呼吸法、(b)現在感覚等観察法、(c)生活技法を行いながら、みだりに思考を
繰り返さないでいられるトレーニングを行う。不快事象の受容は、直接経験注意集中と
一体でトレーニングする。
刺激、きっかけとなる感覚、思考、感情、症状などにすぐに反応せずに観察するトレー
ニングを(呼吸法や生活技法の中で)行い、価値実現の行動に注意を集中するようなト
レーニングを行う。呼吸に意識を向けるトレーニングをたくさん実行して、価値実現の
対象に意識を向けるスキルの向上をはかる。不快事象が起きても、思考に移っていかな
いトレーニングなどを行う。
- 急性の反応、症状
なにかのきっかけ<刺激>(対人関係、仕事のストレス、何かを見たり聞いたりする、
など)で起きる急性の症状、反応としては、拒絶過敏性による感情の興奮や鉛様麻痺感
がある。
慢性化症状に対するトレーニングを行いながら、生活の中で起きる小さな不快事象でト
レーニングする。すなわち、突然に起きる小さな不快事象(感覚、思考、感情、症状な
ど)について、思考を「めぐらさずすぐに反応せずに、無評価で観察するトレーニング
をする。こうした基礎的なトレーニングを続けるなかで、急に起きる強い刺激と反応パ
ターン(それによって従来は症状を悪化させていた)についても変えるトレーニングを
行う。たとえば、拒絶、批判、攻撃らしい言葉を聞いた時、トレーニングしたとおり聞
き流せるか試す。聞き流せなくて、強い感情が起きたら、その感情を観察受容してみる
。その出来事が終って、思い出した時、強い感情を感じた時、無評価で観察し受容して
、もはや想起し続けることの無益さを思いおこして、価値実現の対象に意識を向ける。
拒絶過敏性(うつ病全般にみられる自己無価値感も)は、自己の評価が低いことが背
景にあることが多いので、自己の存在そのものと、言葉で評価する自己概念や感情とは
違うことを観察を通して理解することをめざしたトレーニングも行う。種々の意識され
る感覚や感情や症状は、移り行く現象にすぎないもので、自己自身ではないことを体験
的に理解する(F、認知傾向修正法)。
こうしたトレーニングによって、拒絶過敏性による激しい対人関係様式からの鉛様麻
痺感や落ち込み、非機能的行動や回避が起きる回数が減少すると、苦痛が軽くなって慢
性化した症状も軽くなることが多い。
個別の課題
共通にみられる反応、症状の受容、改善にとりくむかたわらで、
クライアントの独自の苦痛や行動についての治療のためのトレーニング計画も作成して
実行する。共通にある問題を改善する技法として、6つの「目標技法」のトレーニング
をしてきたが、個別の問題についても、これらを応用してみることを繰り返す。
たとえば、個人によって、過食、リストカットがあるかもしれない。それがどういう場
面で、どのように起きるか分析して、(A)直接体験注意傾注法、(B)価値保持法、(C)機
能分析法、(D)徹底的受容法、(E)連合解消法、(F)認知傾向修正法などを適用する試み
を繰り返す。
こうした共通の問題改善のための課題、個別の課題改善のための課題の両方を実行で
きるように、モデルのトレーニング体系がある。セッション1から10である。
(続く)
非定型うつ病
パニック障害、うつ病は、マインドフルネス心理療法で治しましょう。