CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
«不眠はうつ病を疑え=富士市 | Main | 知識、徳、見識を持った人でも自殺»
相談機関の連携体制を [2009年10月18日(Sun)]

仕事と自殺予防

 読売新聞HPに、「仕事と自殺予防」という連続記事がある。5回終って最後に<[Q& A]相談機関の連携体制を>です。
 「NPO法人自殺対策支援センター「ライフリンク」代表 清水 康之(しみず やす ゆき)さん 自殺対策について聞きました。 」として、清水さんの談話が掲載されてい ます。  私のコメントを述べます。なぜかというと、国が対策の方向を示すと関係者はそれだけ やればいいと思ってしまい、うつ病が薬物療法で治らない人の支援対策は全国でどこでも とらないということになって、そういう医療の遅れによる自殺対策が遅れて、20年も継 続していたかもしれないうつ病治療法の遅れの改善対策が今度もとられないことになるこ とをおそれるからです。県でも市でも自殺対策の委員会が設置されていくでしょうが、必 ず精神科医も委員になるでしょう。薬物療法の不足を発言できる雰囲気があるでしょうか 。せめて県では、認知行動療法のスキルを持つ人の育成の対策をとるべきです。国はそれ のための予算を補助すべきです。現在のカウンセラーはうつ病に効果の高い認知行動療法 を駆使できる人が少ないのですから、教育訓練が必要です。1年で基礎教育がすみ、実地 に臨床にたずさわり、熟練するのに、2,3年かかります。
 重い人には、個別治療の継続、往診、入院方式、インターネットによる認知行動療法の 提供など課題が多いのです。早く対策を開始してほしいです。

[Q&A]相談機関の連携体制を

――日本の年間自殺者は昨年まで11年連続で3万人を超えています。
 自殺者は1998年3月に激増しました。北海道拓殖銀行が経営破綻(はたん)に陥り、 山一証券が自主廃業した97年の年度末です。経済状況の悪化に引きずられる形で3万人 を超え、その後、高止まりが続いています。

(大田) 1997年までは2万〜2万5千人でした。98年から急に増加して3万人を超えていま す。98年以降の経済環境の変化は増加に影響していますが、2万人は経済にあまり影響 しないところで起きていた自殺だったかもしれません。現在でも2万人の底上げ部分は、 経済要因ではないかもしれません。健康問題、家庭問題も多いのですが、どのような要因 から発症したうつ病、アルコール依存症、不安障害、統合失調症などであっても、こうい う病気さえ治れば自殺しないですんだとか、家庭が不和でなかったら自殺は起こらないで すんだということもできるでしょう。

――最近の傾向は?
 昨年秋以降、金融不安から派遣切りなどが問題になりましたが、今年の自殺者は上半期 だけで1万7000人を超え、過去最多になる危険があります。従来は50歳代などの中 高年層が中心でしたが、昨年は30歳代が過去最多と注目されました。派遣切りや就職難 で、若年層も追いつめられていると感じます。

(大田)
最近の増加部分の傾向はこういうことのようです。では、新しい傾向でない部分は、健康 問題、家庭問題も多いわけです。60代以降の高齢者が 大きな数を占めています。がんや病気からのうつ病による自殺、介護疲れ自殺、種々の喪 失によるうつ病、アルコール依存症からの自殺などがあります。悩んでいるのがわかるの に、うつ病が深刻になって自殺されます。

――増加の原因は?
 経済的な要因が深くかかわっていますが、理由はひとつだけではありません。私たちが 全国の約300人の遺族に調査したところ、自殺した人は四つ程度の問題を抱えていまし た。
 無職者では、「失業」から「生活苦」を招き、「多重債務」に陥った末、「うつ病」に なるケース。働いている人では、「配置転換」と、それに伴う「過労」や「人間関係の悪 化」から「うつ病」になるといったケースが目立ちました。

(大田)
調査に応じてくださった300人の方の分析からわかった要因です。調査の対象になって いない多くの方の場合、要因が違うかもしれません。 子どもや高齢者の場合は、かなり違う要因になりそうです。 だから、次にいわれるように、地域ごとに慎重に分析してみる必要があるわけです。ただ 、自治体では聴き取り調査は難しいでしょう。限られた情報で分析するのでしょうが、経 済要因とうつ病要因は別ものとされそうですが、うつ病はいつも重複要因であるとみてい たほうがいいと思います。つまり経済要因で自殺というのではなく、経済要因とうつ病で 自殺です。家庭不和による自殺ではなく、家庭不和とうつ病による自殺です。 うつ病は要因というより結果です。結果のうつ病が治らない、そうなると、もう自殺のリ スクが高い。源流の対策ばかりではなく、結果のうつ病の治療対策はすべての地区でぬけ ないようにすべきです。それは窓口だけの助言ではすみません。10ー20回の支援が必 要です。

――どんな支援が求められているのでしょうか?
 私たちの調査では、自殺者の72%が、精神科の受診や、多重債務を弁護士に相談する など、専門家に助けを求めていました。45%は亡くなる直前1か月以内でした。つまり 、助けを求めたが、生きるために十分な支援は得られなかったわけです。
 無職者が病院に行き、治療を受けたとしても、失業、生活苦、多重債務の問題はそのま まです。逆に「うつ病」を抱えた状態では、就職も金銭問題への対処にも適切な判断がし にくくなります。多分野の相談機関の「連携」が必要です。

(大田)
自殺者の多くの人が精神科の受診をしていたのに治らないで自殺しているのが大きな問題 です。「病院に行き、治療を受けたとしても、失業、生活苦、多重債務の問題はそのまま です。」この逆もあります。< 失業、生活苦、多重債務の問題はあまり深刻ではないが、 病院に行き、治療を受けたとしても、うつ病が治らないからおいつめられて自殺する」 です。薬物療法依存では治りにくいうつ病、不安障害、アルコール依存症などがあります 。

――どのような連携が効果的ですか?
 例えば、ハローワークに、保健師が常駐し、心の健康相談を行ったり、弁護士が多重債 務に対する無料法律相談を開いたりする。逆に、医療機関や保健所から、必要なら弁護士 会の法律相談やハローワークなど、問題に合わせた窓口を具体的に紹介できる枠組みを作 ることです。
 相談窓口や支援制度の存在を知らずに悩み続けている人も多いので、助かる人は増えま す。ライフリンクは、東京都内で自殺者が多い足立区と協力し、関係機関に呼びかけ、実 践的なネットワークを作ろうとしています。

(大田)
大変いい対策だと思います。組織が連携していません。それに、 薬物療法でも治らない人の相談、治療支援機関も加わればいいです。 関係機関がうつ病の発見相談のスキルがあっても、治療スキルのある人は少なく薬物療法 への推薦になっています。種々の調査でわかっているように、精神科医に受診しても治り にくい人がふえています。連携するのなら、そういう難治性のうつ病の方を支援できるス キルのある人を配置しないと、限界に達するでしょう。経済、法律問題が解決してもうつ 病が治るかどうかは別問題です。連携先の中に、薬物療法で効果がない人の治療支援ので きるスキルを持つ人を置いてほしいです。そうでないと、連携のネットワークが、うつ病 らしい人を見つけたら、精神科医に紹介する仕組みが動きだすとしましょう。薬物療法の 受診者が急激に増加するでしょう。しかし、それでも再発、効果のない人がたくさん残り ます。

Posted by MF総研/大田 at 10:07 | 自殺防止対策 | この記事のURL